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「ともだち」と「居場所」のないオトナに捧げる、“第三の場所”としてのSNSのススメ。

  • 文・りょかち
  • 2018年1月16日

 あなたに「ともだち」はいますか?

 会社でイマイチさえない「自分」が嫌いになっても、なんとなく家族とうまくいかない「自分」を責めても、それでもまだ、あなたを肯定してくれる人がいて、あなたの居場所はあるでしょうか?

 SNSは普段の生活の中で置き去りにされた家庭と会社以外の「第三の自分」が成立する居場所をつくることができるツール。

 自宅と会社に存在している二種類の自分に物足りなさを感じているなら、居場所は「つくればいい」。そんな「第三の場所(サードプレイス)としてのSNS」のススメを、今回は書いていこうと思います。

最後に、肩書をまったく気にしない“ともだち”と遊んだのはいつですか?

SNSでの顔の見えないコミュニケーション、まだコワイ?

 2018年。人々が常にインターネットに接続している時代になっても、まだまだ個人の匿名SNSでの交流を「コワイ」という声をよく聞きます。

 顔が見えない相手とのコミュニケーションはコワイとか、見知らぬ人からのバッシングがコワイとか、知らない人といきなり会うオフ会が信じられないとか。

 けれど、私が思うのは、私たちは「姿が見える」ことで、たくさんの可能性を制限してきたとも言えるのではないか、ということです。

 私が就活をしていた時、「自分が美人だったらもっと話を聞いてもらえたのに」と思う面接がありました。もっと若ければ手に入れられたチャンスもありました。女の子じゃなかったら、素直に仲良くできた男友達がいました。

 私たちは情報のやりとりに言葉を使いますが、見た目もまた「視覚情報」であり、誰がしゃべるかによって印象が変わってしまいます。私たちは、黙っていても「女」だとか、「会社員」だとか、「アラサー」だとか、いろいろな社会的“ラベル”を貼られて世の中から認知されています。

 息をしているだけで、情報の粒度が荒くとも誰かにとっての「何者か」であるのです。

世界を自由につくることができるSNS

 そしてだからこそ、社会の中で多くの「役割」を持つオトナにこそSNSをオススメしたい。

 私たちオトナは、気づけばいつの間にか自分ではなく「ラベル」を渡り歩いている毎日を送りがちです。「会社員として」「父として」、自分が言葉を発すれば、ラベルの貼られた自分に対しての応答が返ってきます。

 何も持っていなかった自分が最後に話しかけられたのはいつだろうか。“肩書のないただの自分”に問いかける「ともだち」に向き合ったのはどれくらい前だろうか。

 一方で、「顔のない」匿名SNSでの発信は気楽なものです。

 アイコンは自分の好きな写真で選べるし、性別も「設定」として自分で決めちゃって構わない。年齢を気にする文化はないし、オシャレする必要も、ニオイを気にする必要もない。

 世界の大きさだって選べます。インターネットの海は果てしなく広いですが、アカウントに鍵をかけてしまえば、自分の好きな人だけを構成員として世界を小さく区切ることもできる。

 私たちはSNSの中では、見た目や社会的役割によって定義された自分からの脱出を果たすことができるのです。

 また、代表的SNSであるTwitterのCEO ジャック・ドーシーは、とあるテレビ番組で「Twitterは『関心』によって誰かとつながるツール、本名は重要ではない」と話しました。最近だとInstagramもまた、興味関心でつながるツールとして、独自のつながりをつくりあげています。

 新たなつながりをSNSでつくる際、そこで重要視されるのは、自分の表面的なスペックではなく、「自分が何に興味関心があるか」です。

 それはまるで、小学校のグラウンドのようです。ドッジボールをしたい人はドッジボールしたい人同士と集まればいいし、サッカーしたければ、サッカー好きで集まればいい。そこでのゆるやかなつながりは、自分の「やりたい」によって成立している。SNSは、実世界よりも気楽で、興味関心に忠実な「子供のような自分」で生きる場所を与えてくれるのです。

SNSは「好きなこと」でつながった新しいともだちをつくることができる

SNS流「ともだちのつくりかた」

 興味関心でつながりをつくっていくSNSにおいて、大事なのは「自分の好きなこと」を投稿すること。Twitterならまずは自分の趣味についてつぶやいてみたり、その趣味に精通している人をフォローしたりするといいでしょう。

 自分の好きなことを好きなようにつぶやくことが、自分に合った友人と出会うきっかけとなるのがSNS。また、「自分の好きなことを、好きなときにつぶやく」ということは、何よりSNSを継続して使うコツになります。

 また、あなたの「好き!」の外部発信は、世界中から今まで出会う機会のなかった友達を連れてくるでしょう。

 私の好きなコミュニティーに、旅好きの女性のための「タビジョ」があります。そこには20代前半から50代まで幅広い女性が属しているそうです。そして、参加メンバーが幅広いだけでなく、それぞれの参加者が非常にアクティブであり、つながりも活発。

 20代と50代の女性が友達となり、まるで同世代の友達同士のように一緒にカフェ巡りを楽しむといったエピソードもあるそうです。

 興味関心によって引き寄せられた人間関係に世代は関係ありません。また、複数の言語を話すことができるなら、国籍も関係ないでしょう。当然のことながら住む場所も関係ありません。わたしは高校生の頃に、ある掲示板上でとても仲良くなった友達がいましたが、私はいまでも、その人がどこに住んでいて、何をしていて、何歳なのか全く知りません。

  

オトナの遊び場、SNSを活用しよう!

 オトナは普段、いろんな役割を演じています。あるときは「会社員」、あるときは「上司」、あるときは「お父さん」、あるときは「40代男性」。その中には自分で選んだものも、そうでないものもある。選んだ実感のない役割がいつの間にか、「自分」として自分の人生に住み着いていることもある。

 インターネットはそうした、世の中に存在しているから演じることになっている「自分」から開放してくれるツールです。毎日「自分」を頑張るあなたも、ひとつくらい、そんな自分を脱ぎ捨てる場所があってもいいじゃない。

 忙しい生活の中で、いつのまにかホコリを被ってしまった好奇心あふれる自分が、思い切り走り回れる遊び場でもある。一緒に遊ぶともだちは、あなたの肩書になんの興味もないでしょう。あなたが興味関心に忠実であるのと同じように、あなたのともだちもまた、「自分の好きなこと」に正直なのです。

 日々の生活の中で置き去りにしていた「何者でもない自分」のホコリを拭(ぬぐ)ったら、SNSにログインしてみましょう。そこにはきっと、住んでいる場所も年齢も職業も飛び越えてしまうほどに純粋でゆるやかにつながる「ともだち」がいるはずです。

 これに関しては私もまだまだ初心者ですが、「オトナになってから見つけた純粋なともだち」というものは、お金も知識も経験もそれぞれがたくさん持っている分だけ、子供の頃よりも何倍も楽しいものとなり得る、と思います。

筆者プロフィール

りょかち

りょかち

 1992年生まれ。京都府出身。著書に電子書籍『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎plus)を持つ。IT企業で働く傍ら、自撮り女子(通称:自撮ラー)として、SNSにセルフィーを投稿。自撮り以外にも若者のSNS文化に精通しており、多数メディアから取材を受ける。Twitterは@ryokachii

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