密買東京~遭遇する楽しみ

衝撃的なカッコよさ! 数種類の材料で作れる家具写真集

  • 2018年2月8日

本を開いて、まず目に飛び込んできたこのテーブルに度肝を抜かれました。しかも形がかっこいいだけではなかったのです

 ビックリしました。そして何度もビックリさせられます。今回はそんな驚くべき本をご紹介します。

 最初に驚いたのは、ここに載っている家具のかっこ良さ。見た瞬間、かなりの衝撃が走りました。

 でもこの本、ただの家具の写真集ではなかったんです。

この造形美を見ているだけでも、十分に楽しめます

 この猛烈にかっこいい本と出会ったのは、たぶん2002年ごろのこと。

 吉祥寺にあった知る人ぞ知る雑貨屋で見つけたこの本。手に取ってパラパラとめくったその瞬間、目に飛び込んで来た、見たこともない形の家具。

 そこに並んでいたのは、まるで誰かが僕のために作ってくれたんじゃないかと錯覚するぐらいに、大好物な造形の数々。

「なんじゃこりゃ!?」という衝撃で、頭がクラクラしたまま、フラフラとレジに向かい、そのまま買ってしまいました。

この本に出ている家具は、全て作り方が解説されています

 以来、たまに本棚から取り出しては、ムフフと眺めて楽しんでいるわけですが……。

 実はこれ、家具の作品集ではなくて、作り方の解説本のようで、いつか自分でも作ってみたいなと思いつつ、いや本当に作ろうと思いつつ、今のところはまだこのすごい造形の世界を写真で見て楽しむだけで、満足してしまっています。

 といいつつ、もう15年以上が経ちますが。

テーブル、椅子、棚、ベッドがそれぞれ数種類。こんな図面と、作り方の説明付きで載っているのです

 そうやって何年も楽しんできたある日、ふと僕らのサイト「密買東京」で売ってみるのも良いかもしれないと、いつものようにこの本を眺めていた時に思ったのです。

 でもどんな風に紹介したらいいものかと、ぼんやり考えながらも、なかなか原稿が手につかず、机の上にこの本を置いたまま数カ月が過ぎようとしていました。

 しかし不思議な偶然はあるもので……。

「密買東京」のサイト立ち上げから、とてもお世話になっている方で、伝統工芸を使ったプロダクトのディレクターをされているt.c.k.wの立川裕大さんという方に、とある相談をしに行った時のこと。立川さんの口から出た、「エンツォ・マーリ」というプロダクトデザイナーの名前が気になって、「たまにはそういうことも勉強しなきゃなー……」と思ったのです。

 お恥ずかしながら、おしゃれなプロダクトとか、有名デザイナーとかには、興味も知識も全くなく……。イタリアを代表する有名デザイナーだということも、後から知ることになるのですが……。

 だから数日後、そんなことを思い出しながら机の上の本に目を落としたとき、この本の表紙に書いてあるアルファベットが、もしかしたら、「え・ん・つ・ぉ・ま・ぁ・り」と読めるんじゃないか!? って気づいたときの驚きといったら!

全てはお見せできませんが、どれも部材を直角に切るだけで作れるのが分かるでしょうか? 材料もたった2種類ぐらい

 さらに恥を忍んで告白します。驚いた理由は、他にもあるんです。

 実は、英語ともう1カ国語(イタリア語ですが)でなにやら書かれているのですが、どちらも苦手なので、今の時点で1行も内容を読んでいません。

 でも絵と図を見ては、勝手に想像を膨らませて楽しんでいたのです。それだけで十分に楽しめます。まだ文字の読めない子どもがやるあれです。完全なる妄想の世界。

 僕の頭の中では、このかっこいい家具の考案者はアメリカのテキサスかどこかに昔いた、伝説的な日曜大工の達人、かなり変人的なマッドサイエンティストっぽい老人、ということになっていました。アインシュタインみたいな爆発頭をした開拓の民。

 彼が残した伝説的な家具の作り方を、後世の人がまとめたのがこの本で、彼の功績を世に広めるべく研究をしたものなのだろうと。

 的外れにも程がありますが、そんな妄想を10年近くも楽しんでいたわけです。

表紙はこんな感じ。ここに「エンツォ・マーリ」と書いてあるって気付いた時の驚きといったら! 家具に詳しい方なら、この椅子を目にしたことがあるかもしれませんね

 だいたい毎日妄想ばかりしている僕ですが、わけもなくそんな妄想をしていたんじゃないってことだけ、最後にいわせていただきます。

 そして、それがこの本の本当にすごいところでもあるのです。

 ここに出てくる、無骨でほれぼれするような造形美を誇る家具の数々。最高にかっこいいわけですが、かっこいい以外にも全ての家具に共通する特徴があります。

 それは、ほぼ全ての家具が、1種類か2種類の部材しか使っていないということ。しかも、のこぎりで直角に切って、釘で打ち付けるだけで完成。特別な道具は一切不要です。

 例えば、一番上に載せためちゃめちゃかっこいいテーブルは、厚さ2.5cm×幅5cmの棒材と、厚さ2.5cm×幅20cmの板材だけでできています。しかも直角に切って、釘で打つだけ。

 上から2番目のテーブルも同じ。厚さ2.5cm×幅5cmの棒材と、厚さ2.5cm×幅20cmの板材を直角に切るだけで作れます。

 他にも厚さ2cm×幅10cmの板材だけでできているテーブルなどが載っています。

 これは本当に驚異的です。

 こんなに論理的で、実用的で、かつこんなにかっこいい家具を見たことがありません。というのは、ちょっといいすぎかもしれませんが、この本のすごさ、そしてボクの妄想の理由、お分かりいただけたでしょうか?

 それにしても、Enzo Mariすごいです。いつか古材とかを使って、かっこ良く作ってみたいなと、まだまだ妄想は続きます。

(文・千葉敬介)

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