小川フミオのモーターカー

コルシカ島の山岳路で試乗、コンパクトSUV「ジャガー E-PACE」

  • 文 小川フミオ
  • 2018年2月15日

コルシカ島のオフロードで渡河性能を試す(写真提供=ジャガーランドローバージャパン)

 自動車市場ではSUV(スポーツ多目的車)のシェアがぐんぐん伸びているという。英国のブランドであるジャガーも、そこに注目しているメーカーだ。

 2016年にジャガー史上初のSUVである「F-PACE」を発売したジャガーでは、電気自動車の「I-PACE」をまもなく市場に投入する。その間を縫うように18年1月に「E-PACE」が発表された。

 さっそくジャーナリスト向けに「E-PACE」の国際試乗会が開かれた。特徴は全長4.4メートルの、どちらかというとコンパクトなサイズで、使い勝手のよさそうなモデルであるところ。

 外観的にはトールボーイ(車高が高い)型の4ドアハッチバック。そこにジャガーのエンブレムを掲げた大きなフロントグリルや変形ヘッドランプなどで個性を演出している。

 ひとことでいうと“小さなジャガー”。しかしジャガーの名はだてではない。コルシカ島北のポルトベッキオの山岳路で試乗して、“ジャガーブランド”の価値が詰まっていることがわかった。

全長4410ミリ、全幅1900ミリ、全高1650ミリ(写真提供=ジャガーランドローバージャパン)

 山岳路だらけのコルシカ島で、ぼくが乗ったのは、300馬力の2リッター4気筒ガソリンエンジン搭載の「R-Dynamic S 2.0L P300」。もう1台は240馬力のディーゼルエンジンの「S 2.0L D240」(欧州仕様)だった。

 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンでは当然、個性が違うが、それはそれとして、共通するのはハンドリングが気持ちいいことだ。

 ステアリングホイールを切ったときの動きはスムーズで、気持ちよく車体が向きを変える。車体のロールは少なく、“スポーツカーのDNA”とジャガーカーズが強調するだけのことはあると感じた。

 スムーズに、思いのままにクルマを操れる感覚は、たとえ運転初心者でも絶対に「E-PACE」を好きになると確信できる。

知っているひとはすぐピンとくるジャガーファミリーの証しであるデザインテーマでまとめられたダッシュボード(写真提供=ジャガーランドローバージャパン)

 エンジンのパワーとサスペンションの動きと、そしてステアリングとを、うまく連けいさせてナチュラルな操縦感覚を作り出しているのだ。

 「アクティブドライブライン」といって、クルマがカーブを曲がるときに自動でブレーキを制御するなどして曲がりやすくする機構も備えている。

 日本仕様モデルは、ぼくが乗った240馬力のディーゼルでなく、既発のレンジローバーヴェラールと共用の180馬力になる。でも、(ヴェラールから判断すると)十分すぎるほどの力が味わえるのではないだろうか。

 300馬力のガソリンエンジン車がまたよい。スムーズな回転マナーと“もりもり”盛り上がっていくトルク感。この加速感はディーゼルがかなわないところだ。個人的にはこれがイチオシ。

ホイールベースは2680ミリで後席は、床がやや持ち上がっているが、身長180センチの二人が楽々座っていられる(写真提供=ジャガーランドローバージャパン)

 室内は静か。ディーゼルエンジン車でも気になる音はみごとにカットされている。カラカラッといったノッキング音もない。上質感がたっぷりある。

 日本仕様の安全装備や運転支援システムがどうなるか、この時点でははっきりしないが、インフォテイメントを含めて、かなり充実していることをジャガーカーズではさかんに謳(うた)う。

 毎日使うひとにとって、昨今はクルマが重要な“メディア”である。“コネクティビティー”といって外部との通信機能や、自分のスマートデバイスとのシンクロなど購買者にとって重要な要素といわれている。

 伝統あるメーカーが自社のDNAを大切にしながら作るモデルは、便利な機能と操縦の楽しさのバランスのとりかたで個性を作ろうとする。

 「E-PACE」は間違いなく、よいバランスで作られている。日本への導入は2018年春とか。価格はホームページですでに発表されていて、ベース車両は451万円だ。

かなり山がちなコルシカ島ではこんな“オソロシイ道路標識”も見かける(写真提供=ジャガーランドローバージャパン)

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PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

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クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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