小川フミオのモーターカー

こんなインテリア見たことない「新型アウディA7スポーツバック」を体験

  • 文・小川フミオ
  • 2018年4月17日

ケープタウンの夜景を背景に

 近年の自動車史上、特筆すべき存在感を持つのがアウディA7スポーツバックだ。ファストバックの4ドアというデザインコンセプトが、他社にも大きな影響を与えたモデルである。

 さきごろ2代目にモデルチェンジ。ルーフ後端からリアエンドにいたるまでなだらかなハッチゲートを持つスタイルは継承した。

250kW(340ps)の最高出力に500Nmの最大トルクを発生する3リッターエンジン搭載の「55」

 試乗会は2018年2月、南アフリカ共和国・ケープタウンで開かれた。用意されたのは、3リッターV型6気筒にアウディの看板技術といえるフルタイム4WDのクワトロシステムを組み合わせたA7スポーツバック55TFSIだ。

特徴的なファストバックスタイルは継承するがリアコンビネーションランプの意匠は斬新

 特筆すべき点はいくつかある。ひとつは効率性の向上。とくにエンジンだ。試乗した3リッター車のエンジンは「Bサイクル」と呼ぶ燃焼方式で燃費向上をめざしたものである。

 ツインスクロールターボチャージャーも高効率化に寄与している。広い範囲の回転域で大きなパワーを出す。同時にエンジン本体の軽量化もはかられた。

 もうひとつは操縦性だ。後輪が最大5度という大きな角度で操舵される仕組みの「ダイナミックオールホイールステアリング」が注目の技術である。

 それにともない48ボルトという高電圧バッテリーを採用。このバッテリーのためにブレーキング時の回生エネルギーで充電するマイルドハイブリッドシステムを使う。

全長4969ミリ、全幅1908ミリ、全高1422ミリと従来型よりわずかに小さくなったが、2926ミリのホイールベースは1ミリ伸びている

 さらに車名にも注目してほしい。よく見ると「55」という見慣れない数字が見つかるはず。従来は「2.0」や「3.0」と排気量を表すサブネームがあったが、過去の話に。

 「小さな排気量でも十分なハイパワーを出す時代に排気量表記にこだわっていても意味がない」とアウディ本社の技術者は語った。

 パワーの目安として「50」(210kWの3リッターディーゼル車)や「55」(250kWの3リッターガソリン車)などの数字が使われる。

 新しくなった新型A7スポーツバック、操縦しての印象は、エンジンのフィールがよくて、操舵(そうだ)感覚が抜群、という好感をもてるものだった。

 ケープタウンは、海際まで山がある起伏に富んだ地形で、ワインディングロードが縦横に走っている。上り下りも多いので、A7スポーツバックを試す場所として選ばれた理由がわかる気がした。

上は音楽やナビゲーションの10.1インチ・ディスプレイ、下の8.6インチ・ディスプレイはエアコン用

 エンジンは1500rpmから上でトルクがたっぷり出て(実際に最大トルクは500Nmもある)、アクセルペダルをわずか踏み込むだけで、気持ちよく加速する。そのパワーの盛り上がりかたは絶妙。気持ちがよい。

 ステアリングホイールを切ったときの操舵感覚もするどい。とりわけ車体の動きだ。低速では操舵したのと反対の位相に後輪に角度をつけ小回りをきかせ、時速60キロを超えると同位相になって直進性を安定させる「ダイナミックオールホイールステアリング」の恩恵だろう。

 乗り心地は21インチリム径のホイールを履いた車両ではやや硬めでスポーティーだが、20インチは絶妙なバランス。ゆったり感もあり快適性が強い。ぼくは室内で選べる走行モードを「コンフォート(快適)」にして走るのが好みだった。

【動画】斬新なインフォテインメントシステムは慣れると使い勝手がよいという

 スワイプなどさまざまな操作によって、スマート端末のように使いこなせる車内のインフォテインメントシステムも新型A7スポーツバックのセリングポイントだ。

 これはたしかにおもしろい。データの呼び出しやハンズフリーフォン・システムなど、慣れると“秘書”のように使えるだろう。

 アウディジャパンによると、日本には2018年夏前の導入になるという。スタイリングは従来のモデルに近いものを感じるけれど、実車はよりシャープできちんと新しい。

 ケープタウンではしょっちゅう「これ、新しいA7スポーツバックだよね?」と一般のドライバーに訊かれた。日本でもいいもの好きの注目を浴びそうだ。

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PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

写真

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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