「書くことは日常に緩急をつけること」 安藤美冬×モンブランM

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  • 2015年12月18日

  

写真:「お世話になった人には、万年筆を使って手紙を書いてみたい」と語る安藤美冬さん 「お世話になった人には、万年筆を使って手紙を書いてみたい」と語る安藤美冬さん

写真:国内はもちろん、海外も飛び回って多忙な安藤さん(時計はモンブラン スター クラシック オートマティック 価格:税別526000円) 国内はもちろん、海外も飛び回って多忙な安藤さん(時計はモンブラン スター クラシック オートマティック 価格:税別526000円)

写真:「さすがマーク・ニューソンという感じがします」 「さすがマーク・ニューソンという感じがします」

写真:「『急』は大事なんだけど、緩急あってこそ」 「『急』は大事なんだけど、緩急あってこそ」

 様々な肩書で活躍するフリーランサー・安藤美冬さんは、20代の若者に向けて手帳をプロデュースしたことでも知られている。普段から文章を書くことは多いが、意外にも“万年筆ビギナー”とのこと。

 最近になって手書きの良さを再発見したという安藤さんに、マーク・ニューソンがデザインした新しい万年筆「モンブランM」に触れてもらった。そして、自身の仕事や、人々のこれからの働き方に「書くこと」がどう関わっていくかを聞いた。

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手書きでアイデアを書き出すようになった

――安藤さんはソーシャルメディアを駆使され、デジタル機器で文章を作る割合が多いのかな、という印象があります。

 書籍や連載コラムの原稿を書いたり、講演資料を作ったり、企画書を書いたりということで、デジタル機器で文章を書く割合が7、8割ぐらい。とはいえ実は、数年前まではデジタルの割合がほぼ100%だったんです。スケジュール管理もメモも、全部デジタルでやっていました。そこから思うことがあって、できるところからアナログに戻してきています。最近では手書きでメモを取ったりするようになりました。

――デジタルからアナログに立ち返ろうと思った理由とは。

 パソコンで文字を打っている瞬間というのは、機械的に「打つ行為」に集中しているために、何かを考えながら打つ、ということがなかったんですね。私は打つ速さと思考の速さが違うために、クリエーティブなアイデアを吐き出す行為として、タイピングは向いていないことに気付いたんです。

 アイデアとして昇華させる前の、まだまとまった言葉になっていない心の中のもやもやとしたもの、言葉にできないものって、すごく大事じゃないですか。多分、手書きこそが脳のニューロンともダイレクトにつながることができて、こうしたまだまとまっていない思考を映し出すことに向いているんだなって思うんです。

――現在の仕事に手書きはどう生かされていますか?

 例えば、書籍のアイデアを考える時にはノートを広げて、タイトル案をいくつか書いてみてバツをつけて、もう1回書き直して、それに二重丸を加えて……と、キーワードを羅列していくように思いつくままに書き出していきます。こうした断片的な言葉、アイデアを、例えばマインドマップ的な整理方法によって次第にかたちにしていくには手書きが一番ですよね。この一連のプロセスをデジタルで実践するのは、けっこう難しい。

 これまでは講義やプレゼンテーションで何を話すかを、あらかじめスマートフォンやパソコンに打ち込んで、きれいに清書したものを持っていたのですが。何かと手書きでアイデアを書き出すようになってからは、心の中にあるもやもやとした言葉を吐き出せるようになって、話す言葉に「ふくらみ」が生まれたように思います。

内面の軸が定まるモノを使って書く

――ご自身のペンを先日に新しく購入されたそうですね。

 はい。ちょうど2カ月前、仕事先で立ち寄ったイタリアのベネチアにて、ベネチアンガラスのペンを買いました。デザインが可愛くて気に入って。買ったばかりなのでプライベートで使う機会はまだ少ないのですけど、お世話になった方に著書を贈る時、手紙に一言を書き添えたりしています。

――今回、「モンブランM」を実際に使ってみた印象は。

 私は筆圧がすごく強いんです。なのでこの前に買ったガラスペンは、力を込めるとインクがにじんだりして、ちょっと書きづらいんです。それに比べて「モンブランM」は、どんなに力をこめても線が均一で書きやすい。そして、持ってみると「すわりの良さ」を感じます。こっち(ペンの先)に重心が下がるようになっていますよね。

 この「すわりの良さ」を人間に例えると、内面の軸が定まった人というイメージが浮かんできます。心の中の体幹とでも言うのでしょうか。持つと体幹が整う感じがするんです。私自身も仕事をしていて、自分が発信している意見が本当に正しいのか、信じて進んでいるはずの道の途中で迷いそうになることがある分、心の「コア」をすごく大事にしているんですね。そしてこれは日々における全ての行為に言えることで、何かを書く時もそう。私にとって、コアが整う感じがするモノ、すわった感じがするモノを使うことって、すごく大切なんです。

――モンブランMには、タブレットの画面に書けるスクリーンライターも登場しています。将来も発展する技術に対して、手書き文化はどう変わっていくと思いますか?

 手書き文化は時代に合わせて変遷こそあれど、なくなることはないでしょうね。だって人間には手があって、この手を使って何かを書きたいという欲求は、本能だからです。何かを表現したい、という本能は普遍的なもの。それは、ある人にとっては絵を描くことかもしれないし、詩をしたためることかもしれないし、ラブレターを書くことかもしれない。ある程度のものはデジタルに取って代わりますが、書くという行為は絶対に無くならないと思います。

人間の魅力を伝える万年筆の「魔力」

――人が書く文字を見て、その人への印象が変わったりしますか?

 私の叔父の話になりますが、彼は独立する前に銀行で働いていました。ずっと融資の担当をしていて、お金を貸すかどうかは、相手が書類に丁寧に書くかどうかで判断していたそうです。字がうまい下手ではなくて、丁寧かどうか。それで貸したお金は、ほぼ100%戻ってきたと言っていました。

 字がきれいかどうかだけで人を判断するのは、私はあまり良いことではないと考えています。ただ、きれいに書けなくても、丁寧に書くことは誰でもできる。私も契約書などを書くことが多いので、その時は丁寧に書くように心掛けています。

――男性が筆記具を持つしぐさはどう思われますか?

 万年筆の「魔力」みたいなものを感じたことがあります。私が尊敬する起業家・慎泰俊さんは、あるサイトで使用しているプロフィール写真にて万年筆を握っているんですね。この写真を初めてネットで見たときに感じたのが、「魔力」。彼の高い知性とパーソナリティーが、万年筆一本で表現されているなと感心したんです。

――人生にとって「書くこと」の意味について、最後にメッセージを。

 手紙を書くのは、ぶっちゃけ面倒くさい(笑)。下書きもする。間違えたら書き直す。それに加えて万年筆でしたためてしまったら、「前略」などから始まる手紙言葉のルールにのっとって書かなきゃいけないプレッシャーも生まれてきます(笑)。

 こうした手間ひまをかけて字を書くことって、電車に例えると「各駅停車」です。何を書こうかと思考を巡らせながらゆっくり、ゆっくりしたためていく。一方でデジタルでタイピングするのは、「快速列車」に乗っているようなスピードです。思考が追いつかないくらいに速くタイピングするし、タイピングすることに熱中すると、そもそも思考が入り込む余地もない。

 私は以前は、何でも機敏で早く行動するのがいいと思っていました。自分の人生は快速列車どころか、「新幹線」くらいのスピードが出なければ意味がないと。でもここ数年様々なことを経験した今は、日常に緩急を付けていくことも大切だと考えるようになりました。その緩急をつけるための行為のひとつが、「手書き」なのです。

 多くのビジネスパーソンは、おそらく私以上に忙しく働いていらっしゃいます。そのスピードに緩急を付けてみる意味で、丁寧に手紙を書いたりして、手書きにこだわることも大事なんじゃないかな。

 あえてスピードを落とした時間を持つことで、その間に何か思い付くかもしれないし、新しい視点が生まれるかもしれない。いや、そうしたメリット抜きに考えても、私たちは人間である以上、緩急の「緩」の部分もきっと、本能が求めているんです。

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安藤美冬(あんどう・みふゆ)

あんどう・みふゆ/フリーランサー/コラムニスト
1980年生まれ、東京育ち。慶應義塾大学在学中にアムステルダム大学に交換留学を経験。株式会社集英社勤務を経て独立。組織に属さないフリーランスとして、ソーシャルメディアでの発信を駆使した肩書や専門領域にとらわれない独自のワーク&ライフスタイルを実践、注目を浴びる。雑誌『DRESS』の「女のための女の内閣」働き方担当相、 月間4000万PVを記録する人気ウェブメディア『TABI LABO』エッジランナー(連載)、越後妻有アートトリエンナーレオフィシャルサポーターなどを務めるほか、商品企画、コメンテーターなど幅広く活動中。最近はピースボート乗船、フィリピン英語留学取材など海外活動も行う。TBS系列『情熱大陸』、NHK Eテレ『ニッポンのジレンマ』などメディア出演多数。『冒険に出よう』、『20代のうちにやりたいこと手帳』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)、最新刊に共著『会社を辞めても辞めなくてもどこでも稼げる仕事術』(SBクリエイティブ)がある。
公式サイト:http://andomifuyu.com/
Twitter:https://twitter.com/andomifuyu
Facebook:https://www.facebook.com/andomifuyu

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