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心地よい天然素材がもたらすのは、時代が求める自然体の暮らし。この夏、リネン(亜麻)を使ったファッションが広がっている。背景にあるのは、緩やかで穏やかな服を愛する「ナチュラル系」の台頭だ。今季は特にカラフルな展開が目立つ。
106年の歴史を持つ国内有数の麻紡績会社、帝国繊維(東京都中央区)は今春、カラフルなリネン製品をそろえた新ブランド「リネンフルーツ」を創設した。「明治創業の当社にとっても、数年来のリネンブームはついにやって来た大きな商機です」と香山学常務は話す。
リネンは生成りやオフホワイトのイメージが強かったが、豊かな発色のオレンジや紫のシャツ、靴下などを用意。リネン市場のさらなる開拓を目指す。
衣料大手のユニクロも「リネンにはチャンスがあるのでは」(伊藤丈夫メンズ・キッズMD部長)と、計30色柄でシャツを展開。ジャケットやパンツにも綿麻混紡の商品をそろえた。
繊維が長く細いフレンチリネンにこだわったプレミアムリネンシャツは、通常のシャツより千円高い2990円でも、売れ行き好調という。
この春夏は、コムサデモードなどを手がけるファイブフォックスがグループを挙げてリネンに力を入れたほか、百貨店でも西武池袋本店が清涼素材の麻に注目。クールビズ向けとしてシャツやジャケットを前年比1・5倍の品ぞろえに強化した。
服だけでなく、生活の道具として取り入れる動きもある。
ベルギー製を中心にリネンをそろえる専門店「リネンバード」(東京・二子玉川)では、特にカーテンの人気が高まっているという。「部屋に差し込む日光が心和らぐものに変わる。そこが受けているのでは」と西巻あす香店長。140センチ幅で1メートルあたり4千〜6千円が中心で、高級ながら選ばれている。(中島耕太郎)
リネンへの支持の高まりは、緩やかな装いを好む「ナチュラル系女子」が読む雑誌の伸びにも現れている。代表的な「リンネル」(宝島社)は、昨年下半期の平均販売部数が前期比2割増の約21万部で、ファッション系女性誌ランキングでも7位に躍進した。西山千香子編集長に人気の理由を聞いた。
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5年ほど前に、スローライフに対する関心が高まり、ファッションもやさしいもの、穏やかなもの、自然なものにシフトする動きが起きました。リネンは手にしたら気持ちがよく、自然にできるしわもほどよくカジュアルな点など、支持される要素がたくさんあった。素材に気を配り、健康や生命を大事にしたい思いともリンクしています。
「エイジレスなファッション」であることも特色です。「リンネル」の読者も10代から70代まで幅広く、おばあちゃんだってかわいいのがリネンの服。手にするのは主に「モテること」を主眼にした服選びを卒業した人たちで、「男性からどう見られるかでは服を選ばない人たち」だと言えるでしょう。
洋服だけでなく、テーブル雑貨など、「暮らし全般のおしゃれ化」も進んでいます。日本から発信し、世界に広げることができる流行ではないでしょうか。
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