「隗(かい)より始めよ」といいます。これは中国の『戦国策』に出てくる言葉です。
中国の春秋時代、燕(えん)という国がありました。この国に昭王がいて「賢者をわが国に招くにはどうすれば良いか」と問いました。問われたのは、郭隗という男です。そこで、郭隗はこう答えました。
「王様、まず私のような月並みな人間を大切にしてください。そうすると、私よりももっと優れた人物が集まってくることでしょう」と。それで「隗より始めよ」の表現が生まれ、まずは身近なところから始めましょう、という意味に使われるわけです。
さて、かいはかいでも、貝の話をしましょう。シャツのボタンとして何が付いているか。ものによっては貝ボタンということもあります。シャツのボタンには大きく分けて、プラスチック製と貝製とがあります。プラスチック製のボタンが付いているシャツは、普及品といって良いでしょう。一方、貝製のボタンのものは上等なシャツと考えることができます。
シャーロック・ホームズばりにルーペでシャツのボタンをよく観察すると、そのシャツの品格を推理することも可能なのです。ひと口に貝ボタンといってもいろいろありますが、中でも白蝶貝のものは高級品です。白い、大きな、厚い貝。それを基にボタンに仕上げるわけです。
同じ貝ボタンでもより厚みのあるものが極上品という考え方もあります。貝ボタンの表面にブランド名が入っているものは、シャツ専業メーカーのものである可能性が高いです。
それはともかく、シャツ一枚買うにもボタンを吟味するようになると、ますますおしゃれの楽しみが広がるでしょう。いずれにしても良いシャツには良い貝ボタンが付いていることは間違いありません。
シャツは「貝ボタンより始めよ」でしょうか。

1944年12月16日生まれ。香川県高松市出身。射手座のB型。よくペンネームかと訊かれるのですが、本名。身長177cm、体重75キロ。服飾評論家。ファッション・エッセイスト。国際服飾学会会員。主にメンズ・ファッションの記事を執筆。1960年代にファッション・デザイナー・小林秀夫の弟子となったのが、メンズ・ファッションの道に入った最初。つまり自分ではファッション・ライターになるつもりはまったくありませんでした。幼少期からおしゃれ好きで、結局この道を選んだということでしょう。趣味が仕事になったようなもので、今もってコレといった趣味がありません。強いて言えば散歩と古本屋巡りでしょうか。今、昔風の「古本屋」が減る傾向にあって淋しいことです。好きな作家はサマセット・モオム。好きな画家はロオトレック。好きな音楽家はショパン。好きな花は薔薇。好きな色はピンク。好きな言葉は「夢」「希望」「愛」。
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