「アバルト」ファンたちの祭典

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 アバルトといえば、イタリア自動車界における伝説のチューナー、そして2007年にはフィアット傘下で本格復活を遂げたことで知られる。

 そのアバルトが10月29日、ヨーロッパで大規模なイベント「アバルト・デイ」を催した。イギリス(シルバーストーン)、ドイツ(ニュルブルクリンク)、スペイン(ナヴァーラ)そしてイタリア(タツィオ・ヌヴォラーリ)の計4サーキットで同時開催するファン・ミーティングである。

 結果として4カ国の会場には計約1100台・3500人のファンが集結した。イタリア会場には、約500台が朝早くから開門を待った。サーキット初体験の若者から家族連れまで、参加スタイルはさまざまで、新世代アバルト・ファンの多様性を感じさせた。

 いっぽうで、創業者カルロ・アバルトの息がかかった時代のレーシングカーやラリーカーを持ち込んだファンも。彼らのなかには、70-80年代に通常の職業を持ちながらも、週末はレースやラリーで戦った通称「ジェントルマン・ドライバー」たちも少なくない。彼らの衰えを見せない走りに、多くの来場者が喝采を送った。

 その晩、参加者の興奮は冷めやらなかったようで、近隣のホテルやリストランテでは引き続き彼らが愛車談議を続けていた。いっぽう、筆者の耳の中では、歴代アバルト車が奏でた高らかなエンジンサウンドやエグゾースト・ノートが、床についてからも繰り返されていた。(文と写真 大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)

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    PROFILE

    大矢アキオ(おおや・あきお) Akio Lorenzo OYA

    コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。東京生まれ、国立音大卒(ヴァイオリン専攻)。二玄社『SUPER CAR GRAPHIC』編集記者を経て独立。30歳でイタリア・シエナに渡る。現在、雑誌、webに連載多数。実際の生活者ならではの視点によるライフスタイル、クルマ、デザインに関する語り口には、根強いファンがいる。テレビ、ラジオでも活躍中。『Hotするイタリア―イタリアでは30万円で別荘が持てるって?』(二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』(光人社)、『イタリア発シアワセの秘密 笑って!愛して! トスカーナの平日』(二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、電子書籍iPad/iPhone/iPod touch用『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。

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