そこにはSUVの未来があった 2018年ニューヨーク自動車ショー

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 米国で最も古い自動車ショーは1900年にニューヨークで開催された。それから118年、2018年のニューヨーク国際自動車ショーが3月30日から4月8日にかけて開かれた。

 舞台は、マンハッタンは西34丁目のジャビッツセンター。さほど広くない会場だが、新しいSUVがひしめきあうように展示されたのが印象的だ。

 とりわけ目立ったのはコンパクトなサイズのSUVである。米欧日のメーカーが競うように新型車を出展していたのだ。衝撃的だったのが、キャデラックによる、全長4.6メートルに満たないサイズの「XT4」だ。

 「ターゲット層は若者」とキャデラックのヨハン・ダ・ネイシン社長は記者会見の場で語った。ブランドとしていままで取り込んでこなかった市場のニッチ(すきま)がそこにあるということだ。

 キャデラックもついにここまで小さなSUVを手がけるようになったのは時代の流れだろうか。トヨタやスバルは、それに対して、このクラスで豊かな経験を積んできたメーカーだ。

 トヨタは米国で41万台(2017年)を販売したベストセラー車「RAV4」の新型を発表して話題を呼んだ。走りのよさとともに、安全装備やインフォテインメントシステムの充実がうたわれている。

 スバルは米国でも人気が高い「フォレスター」の新型をお披露目。同社独自の安全システム「アイサイト」や、個人を認識するドライバーモニタリングシステム装備もセリングポイントだった。

 ホンダは米国で展開するアキュラ・ブランドの下、新型「RDX」をデビューさせた。SH-AWDというスポーティーに走れる4WDシステム搭載である(日本での発売予定はなし)。

 ジャガーは電気で走るコンパクトSUV「I-PACE」を米国に導入すると発表し、報道陣の注目を集めていた。いっぽうで、550馬力とパワフルなSUV「F-PACE SVR」を世界で初公開した。

 米国の高級ブランド、リンカーン(日本での正規販売はなし)も、新型「アビエーター」のコンセプトモデルを持ちこんだ。ツインターボエンジンのプラグインハイブリッドで後輪駆動というスポーティーさを特徴としている。

 なぜこれほど多くのメーカーがSUVに力を入れるのか。「ラグジュアリーSUVは最も成長率の高いセグメント」とするのはキャデラックだ。

 SUVに引かれるのは、視点の高さによる運転のしやすさや、スポーティーな走りもさることながら、安全装備やインフォテインメントシステムなどを含めて“新しいクルマ”への期待ともいえる。

 どのメーカーもユーザーの期待に応えようと懸命だ。その姿勢が見えたのが2018年のニューヨーク国際自動車ショーの最大の特徴といっていいかもしれない。

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    PROFILE

    小川フミオ(おがわ・ふみお)

    クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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