フランスの古城を舞台にした優雅なヒストリックカーの祭典に行ってみた

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 古典車コンクール「シャンティイ・アーツ&エレガンス2017」が9月9日と10日、フランス・パリ北郊のシャンティイで開催された。舞台となったのは、7800ヘクタールの広大な森に囲まれたシャンティイ城。イベントはヒストリックカーの集いと、ファッションや美術、グルメなどエレガンスな文化の融合を目指して4年前に発足したものである。
 実際にイベントでは、オートクチュールを身にまとった女性がヒストリックカーと共に歩いたり、城内の一角でピカソの作品などが特別公開されたりした。そしてオーナーたちには籐のピクニックバスケットに入ったランチやゴージャスなガラ・ディナーが振る舞われた。参考までにメインスポンサーは、新興にして超高級時計ブランドとして知られる「リシャール・ミル」である。
 参加リストの約90台は「フランスの卓越したコーチビルダー」「偉大な音楽家の車」「ル・マン24時間レースのフェラーリ」など16カテゴリーに分かれて審査を受けた。そこに40の古典車愛好クラブも加わり、およそ800台の車が秋の庭園を彩った。
 そうした車を熱心に眺めていた、ある家族がいた。父親はソフトハットを被り、母親はシルクのワンピース、子供たちはジャケットに蝶ネクタイといった装いでキメていた。閉会後、再び同じ家族を見かけたのは隣町だった。なんと彼らは先ほどの帽子をヘルメットに替え、ワンピースの裾を抑えつつ、県道を自転車で走っていた。その洒落た出で立ちから勝手に車のオーナー家族だと思い込んでいたが、近所からやってきた一般来場客だったのだ。
 通常、古典車コンクールといえば、参加者にドレスコードが設けられているものが少なくない。だがこのイベントでは一般のビジターにも、ちょっとおめかし程度のファッションでの来場が勧められている。参加費は、車両+参加者2名で4000ユーロ(約52万8000円)。なお、一般公開日の入場料は50ユーロ(約6600円)。
 今年の来場者数は前年比20%増の1万6300人を記録した。この若いイベントは、世界に数多い古典車コンクールのなかで、独自の路線を歩み始めている。
(文&写真 大矢麻里 Mari OYA)

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    PROFILE

    大矢麻里

    大矢麻里(おおや・まり) Mari OYA

    イタリアコラムニスト。東京生まれ。短大卒業後、幼稚園教諭、大手総合商社勤務などを経て、1996年にイタリア・トスカーナの古都シエナに移り住む。 国立シエナ外国人大学で学び、現地の料理学校で通訳・アシスタントを務めるかたわら執筆活動を開始。NHKラジオテキスト『まいにちイタリア語』をはじめ、イタリア文化や生活関連の連載・執筆多数。 NHK『マイあさラジオ』など、ラジオ番組でもリポーターとして活躍中。著書に『イタリアの小さな工房めぐり』(新潮社)がある。

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