最高のセダンを追求した「メルセデス・ベンツSクラス」に試乗

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 2017年7月にビッグチェンジを受けたメルセデス・ベンツSクラスに試乗した。1972年に初代が登場して以来、世界の高級車のベンチマークでありつづけてきたのがSクラスだ。
 スイスのチューリヒを舞台に開催された国際試乗会で用意されたのは、新開発の4リッターV型8気筒エンジンを搭載したメルセデス・ベンツS560と、メルセデスAMGのS63 4MATICだった。
 従来のS550に搭載されていた4.7リッターV8の最高出力が335kW(445ps)に対して、S560は345kW(469ps)になっている(700Nmの最大トルクは同一)。S63 4MATICは排気量が5461ccから3982ccになったが、最高出力は430kW(585ps)から450kW(612ps)にアップ。900Nmの最大トルクはおなじだ。
 「世界最高のセダンを作ろうと思いました」と開発総指揮のシュテファン・ヘルドトル氏が言うのが実際に乗ってみてよくわかった。パワフル、でもナチュラルというかんじだ。もりもりと力を出すいっぽうで、乗り心地は雲に乗っているかのようだ。
 ユニークなのは、最高のセダンを追求したメルセデスでは「エナジャイジング・コンフォートコントロール」なる快適装備を搭載したことだ。空調、音楽、照明、シートヒーターやマッサージなどを統合的にコントロールする点が新しい。
 安全装備は先進的で、運転支援技術も最新のものが搭載されている。ステレオカメラで路面の状況を読んでサスペンションの硬さを調整するシステムが対応できる速度域が時速180キロまで上がった。
 歩行者や横からくる車両との衝突を未然に回避するために車両(車載AI)がブレーキやステアリングホイール操作まで介入することもある。その際に感心したのは、止まればいいというのでなく、ぎりぎりのところで接触を避けつつ、先へ進んでいくのを止めないことだ。日本のメーカーとそこはちがうかもしれない。

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    PROFILE

    小川フミオ(おがわ・ふみお)

    クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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