トリノ自動車博物館の名車たち、特別展で米伊のデザインを比較

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 イタリアのトリノ自動車博物館では、「戦後経済成長期におけるイタリアとアメリカの交差点」と題した特別展が6月25日まで催されている。
 複数の分野で、第2次大戦後の両国を振り返る企画で、スポットが当てられたのは、1950年代から60年代だ。
 第1部は、米伊のグラフィック・アートを検証。第2部は、両国の映画と文学を比較している。メインホールでは、イタリアとアメリカのカーデザインを回顧している。機能性と洗練を追求したイタリアと、テールフィンに代表されるようにボリュームの誇張を試みたアメリカの対比は、かなり明確だ。
 60年代に作られたイタリアの各種ポータブル・レコードプレーヤーも紹介されている。主にマリオ・ベリーニによるデザインのそれらは、敗戦国であるイタリアがプロダクトデザインの分野では、世界をリードしていたことを彷彿(ほうふつ)とさせる。
 いっぽうで、ピニン・ファリーナをはじめ数々のイタリア人カーデザイナーが、当時アメリカに渡ってスキルを高めたことも紹介されている。
 大西洋をはさんだふたつの国が、互いに刺激しあいながら歩んでいたことを学ばせてくれる内容だ。
 今回は併せて、トリノ自動車博物館の常設展におけるハイライトも紹介する。
(文 大矢アキオ Akio Lorenzo OYA/写真 大矢アキオ Akio Lorenzo OYA 大矢麻里 Mari OYA)
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    PROFILE

    大矢アキオ(おおや・あきお) Akio Lorenzo OYA

    コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。東京生まれ、国立音大卒(ヴァイオリン専攻)。二玄社『SUPER CAR GRAPHIC』編集記者を経て独立。イタリア・シエナに渡る。雑誌、webに連載多数。日本のさまざまなラジオ番組でコメンテーターとしても活躍中。イタリア在住20年ならではの国際的視点によるライフスタイル、クルマ、デザインに関する語り口には、根強いファンがいる。『Hotするイタリア―イタリアでは30万円で別荘が持てるって?』(二玄社)、『イタリア式クルマ生活術』『カンティーナを巡る冒険旅行』(いずれも光人社)、『イタリア発シアワセの秘密 笑って!愛して!トスカーナの平日』(二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)など数々の著書・訳書あり

    大矢麻里

    大矢麻里(おおや・まり) Mari OYA

    イタリアコラムニスト。東京生まれ。短大卒業後、幼稚園教諭、大手総合商社勤務などを経て、1996年にイタリア・トスカーナの古都シエナに移り住む。 国立シエナ外国人大学で学び、現地の料理学校で通訳・アシスタントを務めるかたわら執筆活動を開始。NHKラジオテキスト『まいにちイタリア語』をはじめ、イタリア文化や生活関連の連載・執筆多数。 NHK『マイあさラジオ』など、ラジオ番組でもリポーターとして活躍中。著書に『イタリアの小さな工房めぐり』(新潮社)がある。

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