私の一枚

憧れの伊勢正三さんとのライブ 馬場俊英さん

  • 2014年10月20日
今年2月に大阪のフェスティバルホールでジョイントライブを一緒におこなった伊勢正三さんと。ライブ後の楽屋で撮影した一枚

写真:シンガー・ソングライター馬場俊英さん シンガー・ソングライター馬場俊英さん

写真:12枚目のアルバム「LOVE SONGS」 12枚目のアルバム「LOVE SONGS」

 これは、今年の2月に伊勢正三さんとおこなったジョイントライブの後に楽屋で撮影した写真です。前年にあるイベントに一緒に出たことから、2人でライブをやることになったのですが、伊勢さんは僕が10歳でギターを始めた頃からの憧れの人。30年以上の長い時を経て、そんな方と同じ舞台に一緒にいる。リハーサルからすでに感動していましたが、本番で一緒に「なごり雪」を歌った時は時空が巻き戻されるような感覚になりました。ギターを始めた当時は、流行していたフォークの曲を練習し、伊勢さんの「神田川」や「22才の別れ」が好きで一生懸命弾いていました。伊勢さんの曲からは、日本の情緒のようなものを教えていただき、それは僕の音楽の原風景に感じます。

 そんな原風景が僕にはもう一つあります。それは中学時代の野球でサードを守っているシーン。サードは相手のベンチから、たくさんヤジられながら最も強い打球が飛んでくる厳しいポジションです。僕はいつも「ボールが来なければいい」と弱気で、失敗も多かった。でもある時から「こっちに来い!」と思うようにしたら、結果がよくなったんです。今もさまざまな場面で弱気になります。たとえばライブの最中にうまく状況が運ばない時、ここからどう盛り上げようかと、逃げ出したい思いにかられる。そんな時「こっちに来い!」的な精神で向き合うと、うまくいく気がします。こういう勝負は日常の一瞬一瞬の時間の流れの中にある。勇気を出してつかみにいく気持ちは大事ですね。

 とはいいつつ年を重ねると必要な時に全力を出せるよう、リラックスする時間も大事です。今回リリースした「LOVE SONGS」はそんな大人のためのアルバム。僕も47歳になり、若い時に突っ走っていた時とは違い、元気で頑張れることが貴重に思え、今できることを大事に楽しいことを見つけていきたいと思っています。忙しい日々の中で自分を見失いがちでも、月に一度ぐらいは自分のことや、愛する人や、親など周囲の人への感謝を思い出したい。そんな気持ちで作ったアルバム。聴いている時は大切なものを思い出す時間になってくれたらうれしいですね。

     ◇

ばば・としひで シンガー・ソングライター。1996年デビュー。2007年に初の大阪城野外音楽堂でワンマンライブをおこない、NHK紅白歌合戦に出場。現在20本の全国ツアー中。

◆10月1日にリリースした「LOVE SONGS」。ライブやレコーディングの合間のほっとした時間に書きためた、ナチュラルな自分の思いを表現した曲を収録。月に一度ぐらいは花を買うような気持ちでLOVEを歌った12曲。「ラストショー」は、「噂の! 東京マガジン」のエンディングテーマに。

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