ノジュール

<第24回>能登・輪島で出あう日本の原風景

  • 文 田村知子(『ノジュール』編集長)
  • 2015年5月29日

能登半島先端に立つ禄剛埼灯台。ドラマオープニングの空撮でも登場する、朝日と夕日が望めるスポット

写真:大沢地区の間垣。間垣の名は支柱の間隔が一間(けん)であることが由来
大沢地区の間垣。間垣の名は支柱の間隔が一間(けん)であることが由来

写真:輪島塗の工程の一つ「加飾(かしょく)」。刃物で文様を描く「沈金」(写真)や、漆で文様を描く「蒔絵(まきえ)」などがある 輪島塗の工程の一つ「加飾(かしょく)」。刃物で文様を描く「沈金」(写真)や、漆で文様を描く「蒔絵(まきえ)」などがある

写真:能登の棚田を代表する風景、白米千枚田 能登の棚田を代表する風景、白米千枚田

写真:寺の本堂と庫裏を結ぶ渡り廊下にあるスペースが心地よい『オープンカフェ木の音』 寺の本堂と庫裏を結ぶ渡り廊下にあるスペースが心地よい『オープンカフェ木の音』

写真:LEDの色が変化し、キリコが闇夜に浮かぶ様子を再現するキリコ会館 LEDの色が変化し、キリコが闇夜に浮かぶ様子を再現するキリコ会館

写真:定期購読誌『ノジュール』6月号は発売中。写真は、京都府・宇治の観流橋 定期購読誌『ノジュール』6月号は発売中。写真は、京都府・宇治の観流橋

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 新幹線開業で注目を浴びている北陸ですが、現在放映中の、朝の連続テレビ小説『まれ』の舞台として、能登半島の輪島が熱くなっています。能登といえば、2003年に能登空港(のと里山空港)が開港、2011年には棚田や伝統的な製塩法などが継承されている「能登の里山里海」が世界農業遺産に認定されました。このドラマの放映で、美しい海岸線や住居を包むように連なる間垣(まがき)の里など、どこか懐かしい風景がより印象的に迫り、旅心をくすぐります。

 緑濃くなるこれからの季節は、能登を旅するには絶好のシーズン。

 まず訪れたいのは、やはり間垣の里。冬の日本海に吹く強い季節風に備える竹垣は、湿気を調整し、海鳴りの響きを抑え、さらには夏の強い西日も遮断する生活の知恵です。しなやかな竹を使うことによって、隙間を風が通り抜け倒壊もしにくいそうです。風情あるこの風景は、かつては広く見られたそうですが、現在は輪島市に残るのみ。そのなかで、大沢地区は『まれ』で主人公の家族が暮らす外浦町のモデルとなりました。

 また、ドラマには伝統の技を実直に守る塗師(ぬし)職人が登場しますが、この輪島塗の工房めぐりもできます。完成するまでに124もの工程を経るという技を、実際に見たり職人さんから話を聞いたりすることができ、その思いと価値を知ることで、漆器選びもより深く楽しめます(見学の際には、事前に輪島漆器商工業協同組合などに連絡が必要です)。輪島市内には、輪島塗の食器で料理を出す和モダンな宿『お宿たなか』もあり、一日を輪島の粋にふれる滞在にするというのも、おすすめです。

 海岸沿いをドライブすれば、海に面した傾斜地に広がる棚田や、江戸期から続く揚げ浜式塩田など、日本の原風景に出あうことができます。もちろん、いずれも今も現役で生産が行われています。途中、のどかな田園風景が広がる金蔵地区では、お寺の境内を生かしたセンスあふれるカフェ『オープンカフェ木の音(こえ)』でひと休み。

 夏になれば、キリコ祭りが各所で催されます。キリコは御輿(みこし)のような担ぎ棒のついた巨大な燈籠(切子燈籠)で、地域によって海中で担ぐもの、ぶつけ合うものなど多彩。今年は例年以上に盛り上がること必至、地元の心が一つになる祭りを、ぜひ現地で見てみたいものです。祭り期間以外は、祭りの様子を再現したキリコ会館で、その雰囲気を楽しめます。

 いずれも詳細は『ノジュール』6月号で紹介。このほか、涼を感じる京都の「夏の愉しみ」を大特集。夏の特別公開や祇園祭情報はもちろん、今年が式年遷宮の下鴨・上賀茂神社をめぐるルート、和モダン宿坊ステイのほか、早起きして楽しむ鎌倉・神戸、朝ご飯のおいしい宿など、朝から始める旅も提案しています。

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PROFILE

田村知子(たむら・ともこ)

1995年JTB出版事業局(現・JTBパブリッシング)入社。旅行ガイドブック『るるぶ』の編集ほか、旅行情報サイト「るるぶ.com」などデジタル媒体の企画制作・統括を担当。『るるぶ編集長』を経て、2015年から定期購読専門誌『ノジュール』編集長。

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