キャンピングカーで行こう!

自宅とは別に、キャンピングカーで暮らす人に密着!

  • 文 渡部竜生
  • 2015年6月24日

けん引するヘッド車もハイエース・スーパーロング! ハイエースの上にもトレーラーの上にもソーラーパネルが設置されている。1kw/hほどの出力

  • けん引するヘッド車もハイエース・スーパーロング! ハイエースの上にもトレーラーの上にもソーラーパネルが設置されている。1kw/hほどの出力

  • 連結すると全長は14.2mにもなる。トレーラーのナンバー上の「死ぬ気で追い越せ!」ステッカーは知人が作ってくれたとか

  • トレーラー前方のラウンジソファを掘りごたつ風に改造した遠藤家のリビング。元に戻せるようにオリジナルには手を加えていない。正面に据えられた50インチの4Kテレビはご自慢の品

  • 生活感たっぷり(失礼!)のキッチンエリアから後方を見たところ。メインベッドルームの奥にはトイレとシャワーが

  • 3台目を駐車するために、容赦なく自宅の基礎を壊す遠藤さん。「トレーラーと家とどっちが大事って、トレーラーだもの」とは本人の弁

  • 遠藤さん一家。ミャ~とトラオは表には出てこなかった

 今回はちょっと特殊な例をご紹介しましょう。私の友人でもあるのですが、大型のキャンピングトレーラーで生活しているご家族がいるのです。

 愛知県知多半島の美浜町、14万平方メートルの広大な敷地にソーラーパネルが並んでいます。ここは太陽光発電所の建設現場。この現場責任者を務めるのが遠藤 宏さん(58)です。プラント建設会社勤務のため、あちこちの現場をめぐる日々。知多には昨年6月から赴任しているそうです。

遠藤宏さん、妻・雅子さん、お嬢さんの千愛理さんと、犬一匹、猫二匹。
車種:Hobby社製(ドイツ)プレミアム660WFU

 千葉県の自宅を離れて約1年。単身赴任ではなく、奥さんとお嬢さん、犬と猫の家族も一緒ですが、一風変わっているのが遠藤家の暮らし方。なんとキャンピングトレーラーで暮らしているというのです。

■トレーラーに出会う前

 「1984年にマイカー第1号だった小型車(マツダ・ファミリア)のリアシートを倒して布団を敷き、1カ月間の旅をこなしたのが始まりなんです」という筋金入りの車中泊好き。

 その後もワンボックスカーを乗り継ぎ、家族と共に車中泊で日本中を旅行したそうです。15年で25万キロ走ったのだとか。

■最初のトレーラーから「要けん引免許」サイズ!

 「元々、キャンピングトレーラーに興味はありました」という遠藤さん。2010年に千葉県にマイホームを購入した際、敷地内に駐車スペースを優先的に決めて、キャンピングトレーラー購入が具体化したそうです。

 それまでにショーや雑誌で研究を重ね「これしかない!」と決めていたのがHobby社のトレーラー。彼が選んだのは540WLUというモデルでした。全長7mを超す大きさで、重量も1400kg越え。当然、けん引免許が必要なサイズでした。トレーラーの購入契約時には免許を持っていなかったので、2011年6月の納車直前に免許を取得。

 自宅にトレーラーが届くや、なんとトレーラーに寝泊まりするようになったという。当時、ハイエースが一晩に6台まとめて盗まれるなど、盗難事件が頻発していたため、車が心配になったのがきっかけだったといいます。

「駐車場は自宅の敷地内だったので、一部屋自分の部屋を増築したような気分でした」

■購入8カ月目にして、2台目を契約!

 「10年は乗るって思って購入したんですが、1年も経たないうちに次のトレーラーを買ってしまいまして……」

 2012年に実家の福岡に帰省した帰り、購入半年点検を兼ねてディーラーであるトーザイアテオ(http://www.tozaiateo.co.jp/)に立ち寄ったところ、たまたま置いてあった最上級モデル「プレミアム」に一目ぼれ! あっさり契約してしまったのだとか。結果、初めてのトレーラー購入からわずか8カ月で、610ULという全長8.4mというサイズに成長してしまったのでした。

 610ULは2012年2月に納車。この年の7月から大分への赴任が決定すると、トレーラーでのノマド生活がスタートしました。小さなアパートは借りたものの、その部屋ですることは洗濯・入浴・食事だけ。あとは物置になっていました。それ以外はトレーラーでの生活だったそうです。もちろん、10カ月間の赴任を終えて自宅へ帰還してからも、洗濯・入浴・食事と、もう一つの趣味のオーディオルーム以外はトレーラーで過ごしました。

 「さらに大型になってたせいもあって、このころには、家にいるよりトレーラーの方が居心地良くなってましたね。夜は間接照明を付けて、のんびり晩酌して。そのまま睡眠です(笑)」

■そして現在は3台目に……

 2台目の610ULも10年乗るつもりでした。が、「悪いことに(笑)」シャワールームが付いたさらに大型のモデルが入庫する、という話と、車検の時期が重なり、660WFUに乗り換えを決意。そのとき、ただ一つ問題だったのが駐車場だそうです。

 「全長8.9mのトレーラーを収めるには、50cmほど長さが足らなかったんです」。普通なら、この時点で諦めるところですが……。

 「Aアーム(トレーラー先端の連結部分)が収まるように、家の土台を壊しました!」

 その3台目で生活している知多の現場は、今年の10月いっぱいの予定だとか。借りているアパートまでは徒歩5分ほど。前述のように、毎日のお風呂と洗濯以外にはほとんど使わないそうです。さすがに通年となると、季節はずれの衣類や季節用品を収める物置としても活躍しています。

 今回は長期の赴任ということもあり、キャンピングトレーラーのヘッド車両であるトヨタ・ハイエースのほかに、奥様用の小型車(トヨタ・スパシオ)も持ってきているという。奥様の雅子さんは看護師なので、大分に赴任しているときも現在も、地元に就職しているのだとか。「日々の買い物はもちろん、現在は名古屋市内の病院に勤務しているので、車通勤しています」とのこと。

 ペットはミニチュアダックスのペロ、ロシアンブルーのミャ~、雑種猫のトラオ。どの子も千葉から連れてきた子ですが、最初から旅慣れているようで、窓が開いていても脱走することもないのだとか。

 「おかげさまで病気知らずで助かってます。犬は狂犬病の予防注射が必要ですが、それもホームセンターに獣医さんが出張してこられるので、かかりつけの獣医さんというのはいませんね」

 会社の人の評判はどうなのでしょう?

 「興味のある人にはいつでもトレーラーの中までご案内して説明してます。同僚や本社からの出張者は特に見たがる人が多いですね。屋根にソーラーを付けているので、そちらも興味深いようです。まぁ、仕事柄当然なんでしょうけど(笑)」

 トレーラーでいかに快適に暮らせるか、オフグリッド生活(外部からの送電に頼らず、ソーラーや風力を利用した電気の自給自足生活のこと)の研究も趣味の一つだという遠藤さん。

 「太陽光発電の技術は日進月歩です。現場にいると最先端の情報に触れられるし、こんなに楽しい仕事はありません。ここが終わったら本社勤務、って言われてるんですけど、現場がいいなあ……。本社勤務(横浜)なら近くでノマド生活できるところを探さなきゃ。渡部さん、どこかいいとこ、知りませんか?」

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PROFILE

渡部竜生

渡部竜生(わたなべ・たつお)

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり

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