キャンピングカーで行こう!

ポップアップルーフってどんなもの?

  • 文 渡部竜生
  • 2015年8月19日

ポップアップルーフを採用したフルコン。もともと余裕のある室内空間がさらに広くなる

  • ポップアップルーフを採用したフルコン。もともと余裕のある室内空間がさらに広くなる

  • 片側支点タイプのポップアップルーフを採用した軽キャンパー(画像提供:インディアナ・RV)

  • エレベータールーフを採用した軽キャンパー(画像提供:スマイルファクトリー)

  • ポップアップルーフの中。天井が斜めなので足下は狭いが、頭上は広々としている(画像提供:インディアナ・RV)

  • 普段使いでは普通のミニバンサイズだが、ポップアップを開けば4人が就寝可能に(画像提供:日産ピーズフィールドクラフト)

  • 車によって違いはあるが、サイド部分はメッシュになったり、フルオープンにもできたりする(画像提供:日産ピーズフィールドクラフト)

  • 収納時は全高が1980mmのトレーラーもルーフを上げれば全高2350mmに(室内高は1950mm)

 今回は人気の軽キャンパーやバンコンに多い装備、ポップアップルーフについて取り上げてみます。

 走行中はコンパクトに、宿泊時には広々と。そんな都合のいい要求に応えてくれるのがポップアップルーフです。ポップアップルーフとは、車の屋根部分を改良して取り付けるテントの一種で、折りたたんでしまえば、普通の車の状態とほぼ変わりません。使うときには天井(ルーフ)が持ち上がり(ポップアップ)、室内の天井高が高くなるというわけです。

 ポップアップルーフがもっともよく採用されているのは、今人気の軽キャンパー(軽自動車ベースのキャンピングカー)でしょう。

 軽自動車として登録するには、キャンピングカーであろうとなかろうと、排気量(660cc以下)、サイズ(長さ3.40m、幅1.48m、高さ2.00m)、乗車定員(4人まで)が決められています。大人4人が寝られるキャンピングカーにしようとしても、そのままではどうしても狭いので、寝るときだけ天井を持ち上げる、ポップアップルーフを採用していることが多いのです。(ポップアップルーフを閉じた状態で規定寸法に収まっていれば、軽自動車として登録できます)

 もちろん、軽キャンパー以外にも、バンコンなどに装備例は数々ありますが、人気のハイエースベースなどでは、そもそもの天井高があるため、それよりもむしろ、ミニバンをベースにした車両に多いようです。

 ちなみにこのポップアップルーフ、日本車独自の装備というわけではありません。外国産のキャンピングカーでも、特にヨーロッパ車の自走式のバンコンやトレーラーに多く、最近では小型のフルコン(フルコンバージョン)にも取り付けたものもあります。

 さて、ポップアップルーフについて少し詳しく見てみましょう。

 ポップアップルーフには大きく分けて2タイプあります。

■斜めに持ち上がるタイプ
車の前後どちらかを支点に斜めに持ち上げるタイプです。高さが稼げるので就寝スペースとしては大きくなりますが、支点側は低いままなので、居住空間が全体に広くなった感じはあまりしません。

■水平に持ち上がるタイプ
屋根全体が平行に持ち上がる、別名エレベータールーフと呼ばれるタイプです。斜めタイプほど高くは持ち上げられませんが、全体が同じだけ上がるので、居住性としては広く感じやすいでしょう。

 さらに詳しく解説すると……

【素材】
屋根部分はFRP(プラスチックを繊維で強化したもの)で、周囲(壁に相当する部分)は布です。テントのようなナイロン生地を使用する場合もあれば、やや厚地のウェットスーツのようなウレタンフォームや発泡ゴムに布を貼った素材を使用することもあります。

【操作】
基本的には手動で開閉するタイプが多いですが、女性が一人でも十分操作できる程度の軽さです。最近では電動タイプも出てきました。

【雨・風・耐熱】
ポップアップルーフを使用中に雨が降り出しても大丈夫。よほどの暴風雨でなければ問題ないといえるでしょう。基本、テントと同じ程度だと考えてよさそうです。また、採光用 兼 風通しの窓がついていますので、ある程度の明るさや換気にも配慮されています。暑さ・寒さはテント並みです。断熱材が使われている通常のキャンピングカーの居室のようなわけには行きませんが、寒さについては車内のヒーターの暖かい空気が上昇して、ある程度の温度が確保できます。シュラフや防寒着をしっかり用意すれば冬のスキーだって問題ありません。また、周囲がぐるりと網戸になるタイプなどは見晴らしもよいですし、蚊帳のようになるので、夏の間は風通しよく過ごすことができます。

 さて、ここまでポップアップルーフについて詳しく見てきましたが、最後に簡単に、メリットとデメリットをまとめてみました。

■メリット
・普段はコンパクトなので使い勝手がよい⇒立体駐車場もOK
・居住性がよい⇒天井高が少しでも高いほうが車内でくつろぐのも居心地がよい
・就寝スペースが広い⇒小さなキャンピングカーでも効率よくスペースが生かせる
・背の低い車でも8ナンバー(特種車両)登録が可能になる
 ⇒登録上、キャンピングカーとして認められるためには、構造要件のひとつとして、キッチン部分に1600mm以上の室内高が必要となるが、ポップアップルーフを開いた状態で規定寸法を満たせば8ナンバーが取得できる(→キャンピングカーはなぜ8ナンバーなのか

■デメリット
・天井を除けば「布」なので、断熱、防音性は低い
 ⇒FFヒーターの熱が回るようにするなど、工夫と対処によって冬でも快適に過ごせる
・出入りがたいへん⇒屋根によじ登るようにして出入りするので、上下の行き来が面倒
・手入れが必要。雨にぬれたら乾かす、必要に応じて防水スプレーをかけるなどのメンテナンスが欠かせません

 走る時はコンパクトで、停車中は室内を大きく使える、便利なポップアップルーフ。キャンピングカーショーでは様々なタイプのポップアップルーフが展示されていますので、ぜひ実際にポップアップ部分に上って中を確認してみてください。

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PROFILE

渡部竜生

渡部竜生(わたなべ・たつお)

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり

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