ノジュール

<第27回>再発見の東京観光

  • 文 田村知子(『ノジュール』編集長)
  • 2015年8月31日

2014年に開業100周年を迎えた東京駅から歩き始める

写真:「ザ クリーム オブ クロップ コーヒー 清澄白河ロースター」は、カフェブームに先鞭(せんべん)をつけた存在 「ザ クリーム オブ クロップ コーヒー 清澄白河ロースター」は、カフェブームに先鞭(せんべん)をつけた存在

写真:古きよき銭湯の趣を残す、両国の荒井湯 古きよき銭湯の趣を残す、両国の荒井湯

写真:稲荷橋から望む渋谷川。この周辺も、再開発で新しい水辺空間になる計画だ 稲荷橋から望む渋谷川。この周辺も、再開発で新しい水辺空間になる計画だ

写真:渋谷駅ハチ公口のシンボル、忠犬ハチ公像 渋谷駅ハチ公口のシンボル、忠犬ハチ公像

写真:定期購読誌『ノジュール』9月号は発売中。写真は、東向島(東京・墨田区)より隅田川下流を望む 定期購読誌『ノジュール』9月号は発売中。写真は、東向島(東京・墨田区)より隅田川下流を望む

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 ようやく厳しい暑さが少し和らぎ、秋の気配が感じられるようになりました。当たり前のように誰もが知る「東京」ですが、今月は再発見をテーマに少しじっくり歩いてみます。

 東京の中心・東京駅周辺も、再発見の宝庫。八重洲北口からビルの狭間(はざま)を進むと、遠山の金さんが活躍した北町奉行所の遺構があったり、丸ビルのエントランスには初代丸ビルの基礎を支えた松杭が保存されていたりと、思わぬ歴史スポットに遭遇します。また、かつての江戸城・皇居では、その巨大な石組や本丸跡を訪ねます。本丸跡は、今は芝生と木々だけになっていますが、大奥はこの辺りだったのかとか、松の廊下跡で「忠臣蔵」の名シーンを想像してみるのも一興です。

 近年、新たなカフェブームを生みだした清澄白河は、北に両国、南に深川という下町風情あふれる街から街への途上にあり、新旧の東京が交錯する街歩きが楽しめます。深川不動堂から、閻魔(えんま)様のお説教が聴ける深川ゑんま堂へ。そこから北上していくと、深川図書館をはじめ、民間アパートの清州寮や旧東京市営店舗向住宅など、戦前の昭和初期に建てられたレトロで凝った建築が並び、さながら若い芸術家が集まるニューヨークのソーホーのよう。小名木川沿いに出ると、倉庫街を利用した、こだわりの味を追求するコーヒー店が点在します。そこから更に北へ歩くと、両国へ。力士御用達の店はもちろん、力士型の案内版から、国技館や相撲博物館まで相撲一色です。夕方は古きよきスタイルの銭湯・荒井湯で汗を流していきましょう。

 そして、いまや外国人も一度は歩きたいという渋谷の「スクランブル交差点」から、代官山、恵比寿へと続く若者の街を、歴史を探りながら歩きます。その名前の通り、渋谷は道玄坂や宮益坂に囲まれた谷底のような地形をしていることに気付きます。今ではほとんど目にする場所はありませんが、かつては周辺に何本もの川が流れていて、渋谷川は明治前半まではホタルの舞う清流だったそうです。ちなみに、渋谷駅前の「忠犬ハチ公」が息絶えたのは、この川沿いの稲荷橋付近だったといいます。代官山には弥生時代の住居跡があったり、恵比寿にはビールを運んだ荷馬車が走った石畳が残っていたりと、知らなかった街の歴史が浮かび上がります。

 2020年に向けて、その変化が加速する東京の街。ぜひ、その今を感じて歩いてみてください。いずれも詳細は『ノジュール』9月号で紹介。このほか、東京地名の七不思議や、老舗から話題の新名店を紹介する東京グルメなど、東京の今が満載です。

 ■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの“宝物”が入っていることがある。

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PROFILE

田村知子(たむら・ともこ)

1995年JTB出版事業局(現・JTBパブリッシング)入社。旅行ガイドブック『るるぶ』の編集ほか、旅行情報サイト「るるぶ.com」などデジタル媒体の企画制作・統括を担当。『るるぶ編集長』を経て、2015年から定期購読専門誌『ノジュール』編集長。

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