ノジュール

<第30回>話題の観光列車「花嫁のれん」でのれんの街を訪ねる

  • 文 田村知子(『ノジュール』編集長)
  • 2015年11月30日

のどかな田園を走る、JR七尾線の「花嫁のれん号」

写真:シートごとに異なる加賀友禅の文様があしらわれている シートごとに異なる加賀友禅の文様があしらわれている

写真:能登の日本酒とおつまみの、ほろよいセット(要予約) 能登の日本酒とおつまみの、ほろよいセット(要予約)

写真:のれんも各店の個性が光る(鳥居醤油店) のれんも各店の個性が光る(鳥居醤油店)

写真:お茶の北島屋では抹茶挽き体験ができる お茶の北島屋では抹茶挽き体験ができる

写真:定期購読誌『ノジュール』12月号は発売中。写真は、長野県霧ヶ峰付近の霧氷 定期購読誌『ノジュール』12月号は発売中。写真は、長野県霧ヶ峰付近の霧氷

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 今年10月、金沢から能登半島の和倉温泉までの、のどかな田園風景のなかを、真っ赤な車体に金箔風の模様を施した艶(あで)やかな列車が走り始めました。運行開始以来、すぐに予約がいっぱいになってしまう人気のこの列車は「花嫁のれん号」。花嫁の幸せを願って、美しく染め上げられたのれんを贈る、加賀・能登・越中のエリアに古くから伝わる結婚式の風習が、その名の由来といいます。沿線駅の七尾では、この場面を再現した様子を「花嫁のれん館」(冬期は土・日曜日のみ)で見ることができます。

 2両編成で1両ごとに内装が異なる、花嫁のれん号。1号車は八つの個室からなり、2号車はイベントスペースを中心に、窓に面した1人席のほか、2人席、4人席などが設(しつら)えられている。特筆すべきは、その装飾の華やかさ。輪島塗や加賀友禅をイメージした柄でシート背面が彩られ、車内を見てまわるだけでも楽しい時間になります。乗車4日前までに予約すれば、日本酒とおつまみがセットになった「ほろよいセット(2000円)」や、加賀の名旅館・加賀屋総料理長が監修した「和軽食セット(2500円)」などを、和装アテンダントのおもてなしと共に味わえます。

 先の、花嫁のれん館もある、沿線の七尾駅で途中下車。七尾駅からほど近い一本杉通りは、600年以上の歴史のある商店街です。通りには「語り部処」と記されたのれんを掲げた店が点在し、店主やおかみさんが語り部として、店や街のことを話してくれます。風格ある店構えで昔ながらの醤油(しょうゆ)造りを続ける「鳥居醤油店」や、石臼での抹茶挽き体験ができる「お茶の北島屋」、万年筆店を営んでいた店主がデザインした、ペン先や万年筆の意匠がユニークな「暮らしの雑貨店歩(ぶ)らり」など。訪ねる店ごとに、いろいろな魅力が発見できる、味わい深い通りなのです。このあと和倉温泉へ、そのまた先の奥能登まではのと鉄道の「のと里山里海号」で向かう、能登を満喫する旅をしてみてはいかがでしょう。

 『ノジュール』12月号では、人気の観光列車「しまかぜ」で行く三重県・賢島への旅や、九州最南端を目指す開運祈願の旅のほか、冬景色が楽しめる路線、冬の名物・ストーブ列車、こたつ列車など、冬ならではの鉄道旅が満載です。

■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの“宝物”が入っていることがある。

 

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PROFILE

田村知子(たむら・ともこ)

1995年JTB出版事業局(現・JTBパブリッシング)入社。旅行ガイドブック『るるぶ』の編集ほか、旅行情報サイト「るるぶ.com」などデジタル媒体の企画制作・統括を担当。『るるぶ編集長』を経て、2015年から定期購読専門誌『ノジュール』編集長。

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