キャンピングカーで行こう!

新しい自動車免許制度が来春よりスタート! どこが、どう変わるのか?

  • 文 渡部竜生
  • 2016年7月20日

いすゞ・びーかむベースのキャブコン。このクルマは残念ながら車両総重量3.5t超だ。装備や乗車定員によっては、3.5t以内に収められる可能性もあるには、ある

写真:バスコンは車両総重量4t超。準中型免許なら運転可能だ。バスコン愛好者でお子さんがそろそろ18歳、というお父さん、準中型免許をお勧めします
バスコンは車両総重量4t超。準中型免許なら運転可能だ。バスコン愛好者でお子さんがそろそろ18歳、というお父さん、準中型免許をお勧めします

写真:フィアット・デュカトベースでも、全長が7m近くなってくると、車両総重量3.5tを超えてしまう
フィアット・デュカトベースでも、全長が7m近くなってくると、車両総重量3.5tを超えてしまう

写真:平成29年3月12日以降の免許制度 平成29年3月12日以降の免許制度

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 みなさん、来年、平成29年3月12日から、新しい免許制度になるのはご存じでしょうか?

 制度が変わることは前から決まっていたのですが、施行時期や詳細が決定したのは、5月16日のこと。今回はキャンピングカーにも関係のある、免許制度の変更について解説します。

「準中型自動車免許」ってなに?

 免許制度のどこが、どう変わるのか。簡単に言うと、運転免許の種類が変わります。新たに「準中型自動車免許」が設けられるのです。また、これにより「普通自動車免許」の設定も変更になります。

■現行の免許制度
 現行の免許制度は平成19年6月2日施行。このとき、中型免許が新設されました。
これにより「普通自動車免許」は、
・最大積載量3t未満の車
・車両総重量5t未満で、かつ乗車定員10人以下の車
が運転できることになりました。

 そしてそのとき設けられた「中型運転免許」は、
・最大積載量6.5t未満の車
・車両総重量11t未満で、かつ乗車定員29人以下の車
となりました。

 ただし、施行時点(平成19年6月2日)より前に普通免許を取得した人については、8t限定中型免許になっていて、
・最大積載量が5t未満
・車両総重量が8t未満で、かつ乗車定員10人以下の車
なら運転できることになっています。

■来年3月12日以降は?
 「普通自動車免許」の運転可能な範囲が狭くなります(※)
・最大積載量が3t未満から2t未満に
・車両総重量が5t未満から3.5t未満に
・乗車定員は10人以下のまま
となります。

※来年の3月12日以降に普通免許を取得した場合です。

 そして、「準中型自動車免許」が誕生します。
・最大積載量4.5t未満の車
・車両総重量が7.5t未満で、かつ乗車定員10人以下の車
が運転できる免許です。

 平成19年6月2日に誕生した「中型運転免許」はそのままです。つまり、普通免許で運転できるクルマの範囲を狭める代わりに、普通と中型の中間になる免許を増設した、ということです。

 さて、普通免許での運転可能範囲が狭まる、と聞いて、今乗っているクルマに乗れなくなるのでは? と思われた方もいらっしゃるでしょう。

 上記に注釈を添えた通り、新制度が適用されるのは、来年3月12日以降に取得された普通免許です。

 平成19年6月2日以降に普通免許を取った人は、来年3月12日以降に更新すると、5t限定準中型免許になり、
・最大積載量が3t未満
・車両総重量が5t未満で、かつ乗車定員10人以下の車
なら運転できることに変わりはありません。

 文章にしてしまうと、ちょっとわかりにくいですね。表を用意しましたので、合わせてごらんください。

キャンピングカーにどう影響する?

 現在乗っているクルマに乗れなくなるようなことは、全くない。ということはお分かりいただけたでしょう。そもそも、一部のアメリカ製大型キャンピングカーを除けば、「車両総重量5t未満」に抵触する車はほとんどないので、ほとんどのキャンピングカーが普通運転免許でOKだったのです。

 が、今回の改正では普通免許で運転できるサイズが小さくなります。これまでの総重量、5tが3.5tに引き下げられます。この1.5tの差は実は大きいのです。トヨタ・カムロードをベースにしている一般的なキャブコンぐらいなら問題ありませんが、各種バスコンや、いすゞのエルフやびーかむなど、2tトラックをベースにしているキャブコンや、フィアット・デュカトベース車両の一部は、3.5tを超えてしまいます。

 今、これらのクルマに乗っている人は問題ありませんが、例えばお子さんが高校生で、そろそろ免許を……という場合。来年の3月16日以降に取得すると、これらのクルマは運転できません。運転するためには準中型免許を取る必要があります。

 従来の「中型免許」は2年以上、「大型免許」は3年以上の「普通自動車運転経験」がないと取れなかったのですが、今回誕生する「準中型」は、未経験でいきなり取得することができるのです。

 準中型免許が新設される背景には、輸送業界などの人手不足があります。

 これまで、普通免許でも5t未満の貨物自動車(小型トラック)は運転できました。が、宅配便の集配やコンビニ配送などでよく使われる積載量2tの小型トラックは、保冷設備などを加えると、総重量が5tを超えるケースが多く、中型免許が必要だったのです。

 さらに、中型免許の受験資格は、普通自動車の運転経験が2年以上ですから、どんなに若くても20歳以上にならないと、取得できません。ドライバー不足にあえぐトラック輸送業界にとっては痛手です。

 また、高校新卒者の就職にも影響が出ていました。卒業後すぐに働きたくても、中型免許は取れないのです。高卒就職者の職業選択の拡大という観点から、全国高等学校長会が免許制度の改正を要望していました。

 こうした社会的要請に応える形で新設されるのが、準中型免許というわけです。

 繰り返しになりますが、今まで乗れたクルマに乗れなくなることはありません。が、もしもお子さんが免許を取れる年齢になるので……とお考えならば、できれば29年3月11日までに取得するのをお勧めします。

PROFILE

渡部竜生

渡部竜生(わたなべ・たつお)

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり

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