ノジュール

<第39回>山から丘へ紅葉のリレー 北海道層雲峡~美瑛

  • 文 田村知子(『ノジュール』編集長)
  • 2016年8月31日

十勝岳の登山口にあたる望岳台。美瑛町内ではもっとも早い紅葉を迎える

写真:層雲峡の峡谷を流れおちる2本の滝。銀河の滝と流星の滝 層雲峡の峡谷を流れおちる2本の滝。銀河の滝と流星の滝

写真:今や美瑛を代表する人気スポットとなった、白金 青い池 今や美瑛を代表する人気スポットとなった、白金 青い池

写真:色づいた山々が一望できる露天風呂(十勝岳温泉 湯元 凌雲閣) 色づいた山々が一望できる露天風呂(十勝岳温泉 湯元 凌雲閣)

写真:定期購読誌『ノジュール』9月号は発売中。写真は、石川県能登にある「レストランふらんじゅ」(写真 藤田修平) 定期購読誌『ノジュール』9月号は発売中。写真は、石川県能登にある「レストランふらんじゅ」(写真 藤田修平)

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 もうしばらく残暑が続きそうですが、そろそろ秋の声も聞こえてきます。9月に入ると、日本でもっとも早く紅葉が始まる場所として、北海道のほぼ中央に連なる旭岳や十勝岳の色づく様子がニュースなどで映し出されます。そのせいもあり、北海道はいち早く紅葉が始まり、すぐに紅葉が終わってしまう印象がありますが、紹介されるのはとりわけ標高の高い山岳地帯。そこから紅葉が始まり、その麓(ふもと)にある温泉地や丘陵の広がる美瑛エリアには、約1カ月かけて紅葉が下りてきます。雪が降るまでの短い秋ともいえますが、実は意外と長い期間、紅葉が楽しめるのです。

 道内最高峰・標高2291mの旭岳を主峰に、2000m級の山々が連なる北海道の尾根・大雪山国立公園。その北部の大峡谷に約24kmにわたり柱状節理の断崖が続く、有名な景勝地が層雲峡です。新緑や夏の季節はもちろんですが、断崖が赤や黄色に色づく秋も人気があります。層雲峡ビジターセンターによると、北海道の紅葉には二つの特徴があるといいます。その一つが色合い。森林の多くは、針葉樹と広葉樹の針広混交林で、モミジで真っ赤に染まる紅葉こそ少ないですが、針葉樹の緑、広葉樹の赤や黄色と、3色のコントラストが楽しめます。

 そしてもう一つが、色合いがクリアであること。一日の寒暖差が激しく、空気も澄んでいることから、それぞれの色がはっきり華やかに見えるのです。同じ層雲峡エリアのなかでも、標高差は1000m以上あり、標高1984mの黒岳山頂は9月上旬から色づき始め、その麓で標高600mほどの層雲峡温泉街一帯は10月初旬ごろから紅葉に包まれます。そのころ山頂付近が冠雪し、雪化粧の紅葉が見られることもあります。

 一方、大雪山系を背に、ゆるやかな丘陵が広がる美瑛の丘にも紅葉が下りてきます。美瑛で最初に色づき始めるのは十勝岳山腹・標高930mに位置する望岳台周辺。9月下旬頃から山肌をダケカンバの黄色やナナカマドの赤が染めていきます。少し下って、10月上旬には、白金温泉周辺が紅葉し始め、近年は定番人気となった「白金 青い池」(※)の周辺も色づき、神秘的な青が一層引き立ちます。そして、10月中~下旬には美瑛の丘も秋色に変わります。ポスターやガイドブックで見慣れた色とりどりの花や緑が彩る美瑛の雰囲気とはひと味異なる、秋の北海道を楽しんでみてはいかがでしょうか。秋は急に冷え込むので、防寒対策はしっかりとしていきましょう。

 『ノジュール』9月号は、日本全国美食の旅と題し、地産地消の食の里を大特集。発酵美人食堂からワイナリーカフェを訪ねる北陸の旅や、牧場やブドウ園・手打ち蕎麦(そば)の店に立ち寄りながら、とっておきの旬菜フレンチレストランに行く那須高原の旅のほか、今年登場したレストラン列車など美食スポットが満載です。

 (※)8月下旬の台風の影響により「白金 青い池」で一部崩落があり、8月30日現在、見学することができません。詳細は現地観光協会等でご確認ください。

■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの“宝物”が入っていることがある。

 

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PROFILE

田村知子(たむら・ともこ)

1995年JTB出版事業局(現・JTBパブリッシング)入社。旅行ガイドブック『るるぶ』の編集ほか、旅行情報サイト「るるぶ.com」などデジタル媒体の企画制作・統括を担当。『るるぶ編集長』を経て、2015年から定期購読専門誌『ノジュール』編集長。

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