関口一喜 イチ押し週刊誌

医学的根拠がある「食事と健康」の新常識

  • 文 関口一喜
  • 2016年11月9日

写真:焼け焦げにある発がん性物質を大根の硝酸塩やアミラーゼが抑えるという
焼け焦げにある発がん性物質を大根の硝酸塩やアミラーゼが抑えるという

写真:週刊ポスト(小学館)2016年11月11日号
週刊ポスト(小学館)2016年11月11日号

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 食べ合わせは避けよという教えは、江戸時代の儒学者・貝原益軒の「養生訓」にもあるというから、かなり昔から信じられてきたわけだ。ほとんどは迷信、俗説だが、なかには医学的根拠のはっきりしているものもあると『週刊ポスト』(11月11日号)が<知らないと寿命が縮む「食事と健康」の新常識>で取り上げている。

 まず、旬の「サンマと漬け物」。クリニック院長の済陽高穂氏によると「魚を焼くとジメチルアミンという物質が出ますが、これが漬け物に含まれる亜硝酸ナトリウムと化合してニトロソアミンという発がん性物質に変化してしまう可能性」があるそうだ。ごはんのおかずや酒の肴(さかな)として人気の「しらすと大根おろし」もNGらしい。魚には体の成長促進や修復を担う必須アミノ酸のリジンが含まれているが、大根にはその吸収を妨げる抗体があると、白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二所長は指摘している。

 逆に、この組み合わせはおススメというのは、食べ合わせの代表のようにいわれる「うなぎと梅干し」である。うなぎは脂が多く、梅干しの酸で消化不良を起こすというのだが、白澤所長は「免疫力を高めるビタミンAが豊富なうなぎと、食欲増進や疲労回復に効くクエン酸の多い梅干しは、むしろ積極的に組み合わせてもいい」と推奨している。

 『週刊ポスト』はこの三つの食べ合わせを取り上げているが、もう少し調べてみた。「天ぷらとかき氷」「ビールとスイカ」「カニと柿」「黒砂糖とタケノコ」などもNGだが、実際に「そんなもの一緒に食べる?」というものだ。普段から定番になっている組み合わせにはやはり理由があった。「とんかつとキャベツ」はキャベツの食物繊維がとんかつの油分の吸収を抑えてくれ「ビールとキムチ」はキムチのナイアシンが二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解してくれる。「カレーとらっきょう」はらっきょうの香りに含まれる硫化アリルが肉のビタミンB1の吸収を高め、「納豆ときざみねぎ」はねぎのアリシンが納豆のビタミンB群の吸収を助けるという。

 サンマに漬け物は悪い食べ合わせだったが、漬け物を大根おろしにするとたちまちおススメの組み合わせに変身するらしい。焼け焦げにある発がん性物質を大根の硝酸塩やアミラーゼが抑えるからだ。きょうの夕食はこれで決まりかな。

PROFILE

関口一喜(せきぐち・かずのぶ)

1950年横浜生まれ。週刊誌、月刊誌の記者をへて76年に創刊直後の「日刊ゲンダイ」入社。政治、経済、社会、実用ページを担当し、経済情報編集部長、社会情報編集部長を担当後、統括編集局次長、編集委員などを歴任し2010年に退社。ラジオ番組のコメンテーターも10年つとめる。現在はネットニュースサイト「J-CAST」シニアエディター。コラムニスト。

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