キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーとリコール

  • 文 渡部竜生
  • 2016年12月14日

リコールの案内が来たら、速やかに整備工場へ。安全をより確実なものにするためにも、リコール情報には敏感でありたい

写真:リコール案内の一例。国産車の場合、およそこのような書面でリコールの説明、対策の具体的案内が届く リコール案内の一例。国産車の場合、およそこのような書面でリコールの説明、対策の具体的案内が届く

写真:リコールの対策が完了した証しのステッカー。必ずしもステッカーではない場合もある。正規の手続きを経て、対策が終わった車両は、国交省のデータベースに記録される リコールの対策が完了した証しのステッカー。必ずしもステッカーではない場合もある。正規の手続きを経て、対策が終わった車両は、国交省のデータベースに記録される

写真:フォーマットに愛車の車台番号を入力すると、リコール対象かどうか、また、その内容がわかる フォーマットに愛車の車台番号を入力すると、リコール対象かどうか、また、その内容がわかる 国土交通省のリコール情報検索ページ

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 先日、国産キャンピングカーのベース車両としてよく使われる、トヨタ・ハイエースとダイナ(カムロード)のディーゼル車の大規模なリコールがありました。安全に直接影響するリコールについて、正しく理解しておきましょう。

リコールについて知っておきたいこと

 リコールとは、設計・製造過程に問題があったために、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前届出を行った上で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度をいいます。自動車に限らずあることなので、言葉そのものは知っている人が多いでしょう。

 正確にはリコール(またはそれに準ずるもの)にはいくつかあります。

・リコール
 同一の型式で一定範囲の自動車等(など)又(また)はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます。

・改善対策
 リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます。

・サービスキャンペーン
 リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うことをいいます。
国土交通省ホームページより

 要するに、緊急の度合いに応じて、数段階あるということですね。また、リコールについて意識しておきたいのは「自動車」(この場合はベース車両)だけではありません。タイヤやチャイルドシートにもリコールがあります。これらのリコール情報についても、国交省のサイトには情報がありますので、チェックしておきたいものです。

 さて、リコールはないに越したことはありませんが、リコールが発生した場合は、安全確保の観点からも必ず修理を受けるようにしましょう。リコールが発生しても修理をしていないと、車検を受けた際に別紙でリコール修理されていない旨の通知が出ますし、ごく稀(まれ)ですが重大な事故になる恐れがあると認められたリコールに関しては、修理されていないと、車検が不合格になることもあります。

キャンピングカーのリコールは……

 さて、キャンピングカーのリコールについては、どうなっているのでしょうか。

さまざまなケースが考えられますので、少し詳しくご説明しましょう。

■新車で国産車ベースのキャンピングカーを買った場合
 オーナーの情報はディーラーやビルダーから自動車メーカーに送られ、管理されます。そのため、リコールが発生すると自動車メーカーからユーザーの元に案内が送られてきます。

 注意しなくてはいけないのが、転居したりしても、この所有者情報は更新されないということです。ディーラーで整備や車検を受けていると、更新されることもありますが基本的には自動で更新はされません。メーカーの保証書には、転居を知らせるためのはがき(転居届)などがついていたりしますので、引っ越しをしたならば、忘れずにこれを送っておきましょう。そうすれば、転居先にもリコールの通知は届きます。

■中古で国産車ベースのキャンピングカーを購入した場合
 中古で国産車ベースの車両を購入された場合。所有者情報を更新するために、車検証を手元に用意した上で、自動車メーカーのお客様相談室に連絡してみましょう。

 自分のクルマやタイヤ、チャイルドシートがリコールの対象になっているかどうかは、国土交通省のホームページで確認することが出来ます。

■輸入キャンピングカーの場合
 ちょっと話が複雑になるのは輸入車の場合です。現在のところ、輸入キャンピングカーはどこのメーカーのクルマ(フォード、フィアット、メルセデス・ベンツ……など)であっても、並行輸入車という扱いになります。

 並行輸入車というのは「正規ディーラーで扱っていない車種」ということです。たとえば、フィアット・デュカト。フィアットの乗用車などを扱っている正規ディーラーでは、デュカトの取り扱いはありません(2016年12月14日現在)。

※「正規」という言葉に、並行輸入車は『「不正」なの?』と思われるもしれませんが、そういう意味ではありませんので、ご安心ください

 そして、残念なことに、並行輸入車は基本的に日本のリコール制度の対象外なのです。並行輸入車のリコール情報は、国交省のサイトにも記載されていません。

 ではどうしたら? と不安に思われるかもしれませんね。大丈夫、きちんと情報は届くようになっています。

 それぞれのベース車両の生産国でも、リコール制度はあります。輸入キャンピングカーは、生産国のビルダーによって作られ、日本へ輸入されているのですから、生産国のビルダーから日本のキャンピングカー輸入代理店にリコール情報が通達されます。それを受けて、それぞれの販売店が顧客に連絡をして対策を取る、というのが情報の流れになります。日本の輸入代理店、販売店は、そうした保証制度にもしっかり取り組んでいますので、不明点があれば、何でも聞いてみましょう。ちなみに、自走式だけでなくトレーラーにもリコールはあります。

●新車で購入されたのであれば……
 販売店から連絡が来ますので、それに従って対策を行いましょう。引っ越しをしたら販売店にも通知することをお忘れなく。

●中古で購入された場合は……
 その車種の『輸入代理店』に連絡をすれば、情報をもらえます。

 ここで注意しなくてはならないのが、連絡すべきは『輸入代理店』であって、あなたがそのクルマを購入した『販売店』ではないということです。デスレフ、アドリアなど車両のブランドに応じて輸入代理店がありますので、そちらへ連絡をしましょう。自分の車両の輸入代理店が分からない場合には、日本RV協会に相談してみるのがおすすめです。

 安心に、安全にキャンピングカーを楽しむために。基本的なリコールのしくみを知っておけば、安心ですね。

PROFILE

渡部竜生

渡部竜生(わたなべ・たつお)

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり

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