イタリアを代表するカーデザイン・ハウスのひとつ『ベルトーネ』は、3月7日から一般公開されるジュネーブ国際自動車ショーで、新作『ラピード・ベルトーネ』を展示する。
『ラピード・ベルトーネ』は、アストン・マーティンの4ドアモデル『ラピード』をベースにしたワンオフ(一品製作車)である。
Cピラー以降の後部に手を加え、シューティングブレーク・スタイルとした。テールゲートには水平に延びたテールランプが備わる。
インテリアでは、フロントシート形状を再考することにより、より広い後席空間を実現した。
後席シートバックを電動スライド式のカバーで覆うことにより、ラゲッジルームは完全に水平となる。
ベルトーネにとって2013年は、アストン・マーティンとのコラボレーション60周年の節目である。
最初の作品は『DB2/4』をベースとした1953年のコンペティション用モデルおよび2+2カブリオレで、55年には同じく『DB2/4』を基に2台のカスタムカーを仕上げた。
61年には『DB4GT』をベースにした『ジェット』を同年のジュネーブ自動車ショーで公開した。
近年では2004年に『ヴァンキッシュ』を基にした『ジェット2』を発表した。
今回公開する『ラピード・ベルトーネ』は、あるアストン・マーティン収集家のオーダーを受けて製作したものである。
ベルトーネ社内で作業にあたったのは、新たに立ち上げられた注文製作部門『ベルトーネ・オフィチーナ』だ。ベルトーネはオフィチーナ部門を、自動車界におけるオートクチュールのアトリエと定義する。
自動車不況の影響を受けたベルトーネは、戦後同社の発展を支えた大手自動車メーカーのボディ受託量産から08年に撤退。本来の自動車設計会社として再発足した。
今回の注文製作強化は、さらに草創期の事業にまで遡るものといえる。
参考までに近年イタリアでは、かつて存在したカロッツェリア(ボディ製作業)の名称を復活させた複数の工房が、世界の富裕顧客を対象に一品製作を開始している。
08年には、フェラーリが約半世紀ぶりに個人オーナーの依頼を受けてオーダーメイド車両を製作した。
「原点回帰」はイタリア高級車界における静かなムーブメントとなりつつある。
(text 大矢アキオ Akio Lorenzo OYA photo BERTONE)
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