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さて、今週はミキティこと安藤美姫さん(25)の極秘出産騒動である。
正直、びっくりした。いや、シングルマザーとして五輪を目指す決意は立派で、心から応援したいと思う。そして、彼女が産んだ子どもの父親など詮索しなくていいじゃないか、と個人的には考える。しかし、そうは問屋が卸さないのが週刊誌の世界である。世間の下世話な興味に応える社会的使命を帯びた各誌は、その1点に向かって実に精力的な取材活動を展開している。
現在、“疑惑の人”の大本命にあげられているのが、元恋人兼コーチのニコライ・モロゾフさん(37)とプロスケーターの南里康晴さん(27)のふたり。この他、週刊女性(7月23・30日合併号)が<独走スクープ! 安藤美姫「父親はあの超人気選手」>と銘打って織田信成さんの名前を出したり、フラッシュ(7月23・30日号)が<イベントに関わる会社の役員>などと“第3の男”の存在を報じているが、いずれも情報源が「スケート関係者」「スケート担当記者」と、根拠的にはかなり弱い。
同業者目線で、この件に関していちばんイイ仕事をしているのは、なんといってもフライデー(7月19日号)だ。“父親候補”の2人を直撃して、重要なコメントを引き出している。当事者のコメントが載っているのは後にも先にもフライデーだけで、他誌はこのフライデーの直撃を引用して使っているのだ。
まずモロゾフさんについては、ジャーナリストの大野和基さんを通じて電話取材を試みた。モロゾフさんは「えっ、もう一度言ってくれ」と絶句し、父親説は否定したものの、終始動揺が隠せなかったという。
このやり取りに加えて、昨年6月に安藤さんとモロゾフさんが再会していたこと(出産のちょうど10カ月前)、さらには赤ん坊の名前がロシアの国花でもある「ひまわり」と発表されたことなどが「モロゾフ=父親説」の根拠になっている。
週刊現代(7月20日号)はさらに踏み込んで、安藤さんが2度目の妊娠だったことを指摘する匿名の証言を元に<モロゾフの子を生んだ 安藤美姫「女の意地」>という記事を掲載した。大胆な“賭け”に出た印象だが、記事全体からは<本誌だけが知っている>という同誌の見出しほどの迫力は感じられない。
一方、南里康晴さんの方はフライデーの直撃に「子どもの父親は僕じゃない」と断言したことになっている。だが、南里さんコメントで重要なのは実はそこではない。不意の取材に思わず、(1)父親が誰かを知っていること、(2)それがスケート関係者であること、(3)自分が安藤さんと同じマンションに住んでいること……を認めているのだ。
実は、フライデーは安藤さんの出産直後の今年5月に、安藤さんと南里さんの同棲を報じてもいる。いまのところ「南里=父親説」を強く打ち出しているのは女性セブン(7月18日号)で、同誌は安藤さんがモロゾフさんと破局した直後の2011年8月にも、安藤&南里のデートシーンをスクープしている。
さて、これほど過熱する報道合戦の中で、これは決定的だと思える記事を掲載したのが、扱いが地味で目立たないが実はアエラ(7月15日号)だ。筆者はフィギュアスケートに強いとされるライターの青嶋ひろのさん。編集がイマイチ雑で、コメントの主体が誰なのかハッキリしないなど、一読しただけではよくわからない部分もあるが、じっくり読むと、筆者はかなりしっかりと安藤サイドに食い込んでいて、早い段階から妊娠を打ち明けられていたであろうことがわかる。もっとはっきり言うと、この筆者は父親が誰かも知っている(たぶん)。
その人物とは、<パートナーとはきちんとしたお付き合いをして、オリンピックシーズンの後に結婚も考えていた><親子3人で暮らせる生活環境(中略)が整ったら、籍を入れるつもりだ>(同誌より)というから、「名前を明かせない相手」でないことが読み取れる。そして、この記事が何より凄いのは、他ならぬ安藤さん自身が父親に言及したコメントを載せていることだ(グッジョブ!)。
<でも、この子のお父さんは、お父さんとしていてくれます>(同誌より)
父親に関する部分はたった一言で短いが、「お父さんとして(ちゃんと)いてくれます」というのは決定的だ。そして、短いながらも父親に関する本人のコメントが取れているのは、私の知る限りアエラだけだ。
記事が正しければ、そう遠くない将来に真実が明らかになりそうだ。それまでは、そっとしといてあげましょうよ(ここまで書いておいて言うのもなんだが……)。

1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊朝日の記者として9.11テロを、編集長として3.11大震災を経験する。週刊誌歴3誌27年(週刊ゴルフダイジェスト→朝日ジャーナル→週刊朝日)。2006年11月〜11年3月まで週刊朝日編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。13年4月から有楽町と浜離宮にある朝日ホールの総支配人。
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