■汗臭くていいじゃないか
「Eタイプ」以来、ジャガーが50年余りの時を経て世に問うた2シータースポーツカー「Fタイプ」。その“本気度合い”を知るために、箱根のワインディングロードで5リッターV8スーパーチャージドユニットを解き放った。
■爆音に恐れをなす
夕日を浴びて伊豆の山道を下りて来たころにはすっかり上機嫌。この歳になってもクルマ好きは実に単純で、車が良ければ今日という日が充実した1日だったと素直に思う。久しぶりに汗ばむほどに、本気になって山道を走った感じがする。
ラグジュアリーとかエレガントという言葉を使う前に、やはりジャガーはドライビングのクオリティーで語られなければならない。格好はいいが似たり寄ったりのマーケティング用語を話す人間が多くなった自動車メーカーの中にあって、ジャガーは昔かたぎの“クルマ屋”が残っている会社だと感じていたが、今も変わらずそうなのだろう。そうでなければこの「Fタイプ」のような車は生まれないはずだ。半世紀の時間を超えて“E”の次の“F”の文字を与えられた2シーターであるからには当然期待していたけれど、それ以上にジャガーFタイプは骨太なスポーツカーだった。
もっとも、走り始めた最初の印象はあまり芳しいものではなかった。1.9m余りもある幅広いボディーは街の中では気が重いだけだし、非常に造りの良い幌(ほろ)とはいえ、斜め後ろの視界はどうしても限られる。
何よりも首都高速に入って普通に加速したら、運転している自分でもびっくり仰天するほどの爆音が壁に反響するではないか。乗り心地の変化を試そうとダイナミックモードのスイッチをいじっていたが、それを作動させると「アクティブ・スポーツエグゾースト・システム」も一緒にオンになるようだ。そのたけだけしい排気音はどうしようかと狼狽(うろた)えるぐらい。
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