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現在、主要週刊誌の発売日(首都圏)は、週刊ポスト、週刊現代が月曜日、週刊朝日、サンデー毎日が火曜日、週刊文春、週刊新潮が木曜日となっている。
実は、私が初めて週刊朝日の記者になった1992年当時、週刊朝日とサンデー毎日の発売は水曜日だった。ウイークリーの仕事を振り返ると、発売日の水曜日に編集会議があって各記者にネタが振られ、木、金、土と取材をして、日曜日の夜から原稿を書き始め、月曜日に校了。翌火曜日が明けで休みというパターンだった。
それがなぜ火曜日発売になったのかというと、市場調査の結果、発売日を前倒しして週刊文春、週刊新潮と一日離したほうが売れ行きが伸びることがわかったからだ。しかし、それがわかっていてもなかなか発売日変更に踏み切れなかった。理由は、火曜日発売にすると土曜日に校了しなければならず、日曜日に起きた出来事やイベントの記事が入れられなくなるというものだった。人気のスポーツイベントなどは日曜日に行われることが多い。だが、当時の編集幹部がいちばん気にしていたのが「選挙結果が入れられなくなる」ということだった。
週刊朝日、サンデー毎日といった、いわゆる新聞社系週刊誌にとって、選挙が入らないというのは考えられないことだった。だが、国政選挙は毎年あるわけではない。数年に一度のイベントのために毎週の商機を逃していいのか? 紆余曲折の議論の末、決着したのが、通常は火曜日発売として選挙のあるときに限って水曜日発売にするというものだった。
もちろん、すべての国政選挙で同じ対応をするわけではない。選挙ごとにどうするかを編集部が判断している。おそらくサンデー毎日も似たような議論を経たのだと思うが、週刊朝日と足並みを揃えた。その結果、週刊朝日とサンデー毎日は選挙結果が掲載でき、かつ発売がいちばん早い週刊誌というアドバンテージを得ることなった。
ところが「敵」もさるもの。週刊朝日とサンデー毎日が発売日を繰り下げて市場を独占すると、こんどは週刊文春、週刊新潮が発売日を一日繰り上げ、対抗してきた。新聞社系2誌の“独占”は、そう長くは続かなかった。
そんなわけで今週は、週刊朝日、サンデー毎日、週刊文春、週刊新潮の4誌が同じ水曜日発売という横一線のガチンコ勝負となっている。各誌トップ記事の見出しを並べると、
<参院選挙総力取材 ついに動き出した改憲の(秘)シナリオの全貌>(週刊朝日8月2日号)
<参院選速報号 「ニッポン制圧」 安倍の泣き所 国土強靭化で蠢く エネルギー利権で 新フィクサー 二階俊博>(サンデー毎日8月4日号)
<新聞・テレビが報じない 参院選“仁義なき”裏ドラマ>(週刊文春8月1日号)
<戦いすんで「漂流国会」>(週刊新潮8月1日号)
文春、新潮、サンデーは総花的なワイド特集を頭に持ってきた。取り上げている人物も似たり寄ったり。週刊誌の選挙記事としてはもっともオーソドックスな、別な言い方をすればイージーなつくりである。それに対して週刊朝日は「改憲のシナリオ」に的を絞って差別化を狙った。実際の中身も、このトップ記事のほか、田原総一朗さんの連載を拡大版にしたり、選挙後の「アベ相場」の話があったり、さらにワイドもあるなど、いちばん読み応えがあった。広告の見出しに自民党の獲得議席数を入れるなどのこだわりもいい。
一方、投開票前に校了しなければならない月曜発売組では週刊ポスト(8月2日号)の圧勝だった。世論調査の情勢分析から、結果を見ないで、
<史上最低最悪の参院選を撃つ! 自民圧勝!「終わり」の始まり>
と、表紙に大きく刷り込んだのだ。
これが選挙翌日の月曜朝から店頭に並んだ。思わず手に取った読者も多かったのではないか。
週刊誌と選挙の間にも、こんな“裏ドラマ”があるのである。

1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊朝日の記者として9.11テロを、編集長として3.11大震災を経験する。週刊誌歴3誌27年(週刊ゴルフダイジェスト→朝日ジャーナル→週刊朝日)。2006年11月〜11年3月まで週刊朝日編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。13年4月から有楽町と浜離宮にある朝日ホールの総支配人。
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