
今井智子、小倉エージ、湯浅学の3氏が合議で選びました
メンバー変更後の待望の新作。全体がタイトに引き締まった。細部に楽しい工夫が施されているのはもちろんのこと、一曲一曲が絶妙に異なる弾力を感じさせる。歌うやくしまるえつこがひとまわり頼もしくなったように思えるほど。曖昧(あいまい)な音がなく、全ての声と演奏の有機的結束ぶりが美しい。他のどこかにありそうで、ここにしかない四次元型ラブソング集。(湯)

清楚(せいそ)でナチュラルな歌声、語りかけるような穏やかな表情が印象的だ。5年の月日をかけて書き溜(た)めてきた自作自演の朝日美穂の久々の新作。震災、出産なども踏まえ、時にユーモアを交えながら、ありふれた日常の情景に自身の存在を照らし合わせた歌詞、簡潔な演奏表現が味わい深い。(エ)
レディー・ガガのツアーDJがプロデュースした「Heaven」を始め、ドラマ主題歌など話題の曲を含む10作目。変わらずキュートに純愛から小悪魔的な恋まで表情豊かに歌い魅了する。ピアノ演奏で歌うバラード調の曲ではデビュー20年を経た落ち着きと自信めいたものも。(今)
1年半ぶりの新作。ポジティブなメッセージを託したヒット曲もさることながら、失恋をテーマに少女の心の痛みや後悔、大人になってからの恋愛の追憶などを描いた作品の数々が光る。歌詞やメロディーの吟味、入念な音作りなど音楽表現も意欲的で充実。その存在感を増した力作だ。(エ)
ワールドスタンダードの鈴木惣一朗とカーネーションの直枝政広の緊密な作業ぶりが如実にわかるデュオユニットの傑作。贅肉(ぜいにく)のない歌詞が時を縦横に行き来する機知に富んだメロディーと融合。しっとりとしたサウンドは心の奥の痛みをなでるかのよう。納得のゲスト登場も。(湯)
4年ぶり23作目のアルバム。ジェームス・イハ、高桑圭、堀江博久、ゴンドウトモヒコと新バンドIN PHASEを結成してのもの。パワフルで繊細な粘着力ある表現、音作りで聴かせる。柔和な歌声に清涼な哀愁がにじみ、多彩な音楽性がさりげなく随所に息づく。(湯)
草間弥生が手がけたポップなカバーが本作のすべてを物語る。旅のスケッチのような作品、テクノ、エレクトロやボサノバなどの音楽展開はどれも軽妙洒脱(しゃだつ)で洗練味にとむなど、音楽で絵画的アートを見事に具現化。高橋幸宏はじめゲスト陣も豪華。中でも椎名林檎との共演作が秀逸だ。(エ)
結成20年、海外でも評価の高い3人組の、新録を含むベスト盤。気鋭のラップユニット「カカト」とのコラボ、旧知の小山田圭吾やビースティー・ボーイズのアドロックなどの参加を得て、軽々と自らの曲を再構築する発想と手腕はポストロックの代表格ならでは。(今)
ヤマジカズヒデのエッジの効いたギターが看板の3人組。持ち前の緊張感のある演奏は攻撃的だが、ヤマジの書く曲はポップでギターにこだわった詞が内省を描く。この危ういバランスが魅力と再発見する。同時発売の「OWL」は安定したリズム隊との眩惑(げんわく)的な演奏の長尺4曲入り。(今)
好評シリーズ第2弾。大正末期から昭和初頭の主に大阪のジャズ、それにまつわるシャンソンやタンゴなどをCD4枚に収録。少女演奏集団の河合ダンス団に現在のAKB48に通ずるものを見、破天荒な意欲の横溢(おういつ)に未知の息吹をたっぷり感じ取れる。圧巻。(湯)