オースチン・ミニ(1964年)全長3mの小さな車体に850ccのエンジンを搭載した、英国の傑作車「ミニ」。1959年に「オースチン・セブン」と「モーリス・ミニマイナー」として登場し、62年に「ミニ」と名称変更された。
小さな4人乗りのクルマをつくるというコンセプトとデザイン、それを実現するためのエンジニアリングがみごとに合体したのが「ミニ」の特徴だ。曲線と直線がうまく組み合わされた外観も飽きがこない。前輪駆動方式を採用して室内空間を広くとる一方、エンジンとギアボックスを一体化させるなど、今の言葉でいうパッケージングに優れていた。
「ミニ」に乗る英国人は、王室からロックスターまで幅広い。チャールズ皇太子もビートルズもクリフ・リチャードもマリアンヌ・フェイスフルも「ミニ」に乗る画像が残っている。コメディー「ミスター・ビーン」でもよく知られる。小さな「ミニ」のオーナーが唯一見下ろすクルマが、600ccエンジンをFRPのボディーに搭載した三輪車(英国では三輪車には優遇税制があった)「リライアント・リーガル」であるのが、とりわけ英国では大いにウケた。
「ミニ」の運転性はみかけよりスポーティーだ。ハンドルはクイックで、路面の追従性にも優れている。そこでスポーツバージョンである「ミニ・クーパー」がつくられラリーで活躍した。このクルマは乗り心地も驚くほど快適で、オールマイティーなモデルだった。また「ミニ」をベースにワゴンやバン、カブリオレなど数多くの派生車種もつくられた。それはBMWが94年から「MINI」ブランドとして、多くのバリエーションを生み出すマーケティング手法を同様に受け継いでいる。
先に記したように、運転性がよく、またよくできたオートマチック変速機も選べたことから人気は衰えず、現在でも専門店がいくつもあるほどだ。かわいらしい外観、しっかりしたつくり、小回りのきくサイズの「ミニ」は、実際、おおいに重宝する。

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。
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