イタリアン

八丈島から直送の魚を、豪快なシチリア料理に

  • ダイナースクラブ イタリアン レストランウィーク特集(4)
  • 2013年10月29日
「ラ・スコリエーラ」シェフ 魚返健児さん(撮影 石塚定人)

  • 「ラ・スコリエーラ」シェフ 魚返健児さん(撮影 石塚定人)

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  • 本日の「ラ・スコリエーラ」風小皿前菜の盛り合わせ(5皿)

  • 最上級本マグロのホホ肉のタリアータ カチョカヴァッロチーズ添え

  • 自家製本マグロのカラスミのスパゲッティ

  • 活けオマール海老のリングイネ

  • 八丈島近海の海水を使った金目鯛のアクア・ディ・マーレ

 開放感と活気あふれる店内でひときわ目を引くのが、シチリアの職人の手製タイルでデザインされた特製ケース。敷き詰めた氷の上に、新鮮な魚介類が誇らしげに並んでいる。「La Scogliera(ラ・スコリエーラ)」では、シチリアを中心に、カンパーニャ州やサルデーニャ島など、南イタリアの漁村で愛されている魚介料理が堪能できる。

「ラ・スコリエーラ」料理の写真特集はこちらから

 シチリアは、イタリア半島の西南に位置する地中海最大の島。周辺の島々を含め、シチリア州を構成している。四方を海に囲まれる島ゆえに、魚介類が豊富だ。素材の力強い味わいを楽しむために、調理法は至ってシンプル。それが、シチリア料理の特徴であり、最大の魅力といえる。

 「ラ・スコリエーラ」が開店した10年前。当時、東京で「南イタリアの味」に出会える場所といえば、ピッツェリアくらいだった。そんななか、八丈島出身の現役漁師であるオーナーの服部優希さんが、南イタリアの素朴な料理に魅せられ45回も現地を旅したという元料理記者の深澤菜月さんとともに、「本場のリストランテを作ろう!」と立ち上げたのだ。

 八丈島から直送される魚介類と、スタッフや常連客が「船長」と慕う服部さんが漁師ならではの厳しい目で選び抜いた素材を、若きシェフの魚返健児さんが極上の一皿に仕上げる。

 魚返シェフは約6年間、シチリアで料理の腕を磨いた。ホテルレストランのシェフに師事し「シチリア料理の新しい潮流」を学びながら、地元のマンマたちからは「伝統の漁村料理」を教わった。「人々の温かさや優しさ、素朴さが、料理にも表れているんです」。当時を懐かしむように、魚返シェフは穏やかな笑顔を見せる。

 「ラ・スコリエーラ」の厨房に入ったばかりの頃は、船長が次々と珍しい食材を持ってくることに驚いたという。日本は、シチリアに勝るほど魚介の種類が豊富だということを思い知らされたのだ。

 「イカやエビだけでも何種類もある。また、魚も獲れたてで新鮮なうちがおいしいものもあれば、何日か寝かせたほうがうまみが増す素材も。船長はその絶妙な食べごろをすべてわかっている。船長の知識を盗みながらの、勉強と挑戦の毎日ですね(笑)」(魚返シェフ)

 厳選した食べごろの素材と、シチリア仕込みのシェフの仕事の「掛け算」によって、唯一無二の「ラ・スコリエーラ」の料理が生まれる。たとえば、シチリアでは「アクア・ディ・マーレ」(海水)と呼ばれる、南イタリアの代表的な魚介料理、アクアパッツァ(狂い水)。日本では、季節の魚にアサリなども加えて水で煮出すが、この店で使うのは魚とプチトマトと海水のみ。もともと漁師が船の上で獲れた魚を海水で煮込んだことがルーツの料理だが、その基本にのっとり、八丈島周辺に湧くピュアな海水で煮る。魚たちが命を紡ぐミネラル豊富な海の水が、魚が持つ深く繊細な味わいを見事に引き出している。

 パスタは、本場南イタリアの手法にのっとり、かなりしっかりめの塩水で茹でている。本来、パスタ料理の主役はパスタ。小麦の旨味を最大限に引き出すために必要不可欠なのが、茹で汁に入れるミネラル豊富な岩塩の塩気なのだ。しかし「ラ・スコリエーラ」で扱う魚介類は新鮮過ぎるほど新鮮なため、貝類や甲殻類のパスタを調理する際は、「アクア・ディ・マーレ」と同様に、ほとんど塩を振っていない。特に新鮮な貝類は、体内にミネラル豊富な海の潮をたたえていて、ときにはパスタの方を洗わなければいけないほど塩気が強い。魚そのものの旨味だけ、貝そのものの旨味だけで、パスタ料理を仕上げているのである。

 ダイナースクラブ イタリアン レストランウィークで提供するコースは、前菜、パスタ、メイン料理まで、シーフード三昧! そして、ボリューム満点!

 豪快に気取らず海の幸を頬張れば、目の前にはシチリアの青い海と青い空が広がるに違いない。

(文 中津海麻子)


本日の「ラ・スコリエーラ」風小皿前菜の盛り合わせ(5皿)

 フレッシュなタコ、イカ、エビなどを思う存分楽しめる冷菜。日替わりなので、何が供されるかはお楽しみ。この日、甘エビはオレンジとともにさわやかな一皿に。オレンジの産地でもあるシチリアでは、新鮮な魚介類とオレンジの組み合わせは定番だとか。

最上級本マグロのホホ肉のタリアータ カチョカヴァッロチーズ添え

見た目は「牛肉?」と見まごうような立派な赤身。口に含むと、本マグロの豊かな香りが鼻腔を抜けていく。1匹のマグロから2枚しかとれない貴重なホホ肉を、思う存分楽しめる贅沢な一皿。

自家製本マグロのカラスミのスパゲッティ

本マグロの卵巣を塩漬けにしたカラスミは、シチリア州でマグロ漁が盛んなファヴィニャーナ島の特産。現地でも貴重な一品を、「ラ・スコリエーラ」では船長が選んだ本マグロの卵巣を自家製のカラスミに。濃厚な味わいを丸みのある塩味が引き締める。

活けオマール海老のリングイネ

豪快なオマール海老は圧巻。生のオマール海老でないと濃厚で深い味わいのダシが出ないのだとか。冷凍ものは一切使わない、というこの店のポリシーが感じられる珠玉の一皿。

八丈島近海の海水を使った金目鯛のアクア・ディ・マーレ

食材は食べごろの金目鯛とプチトマトと海水のみ。八丈島近海のきれいな海洋深層水が、金目鯛の繊細な味わいを見事に引き出している。「これが本来の魚の味なんだ」と感動すること間違いなし!

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「ダイナースクラブ イタリアン レストランウィーク」
11月2日(土)〜11月17日(日)
主催:ダイナースクラブ イタリアン レストランウィーク事務局/特別協賛:ダイナースクラブ(シティカードジャパン)/特別後援:在日イタリア大使館、イタリア文化会館/協力:日本イタリア料理協会
公式HP:http://www.itrw.jp/


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