プレミアムビール市場拡大中~「ザ・プレミアム・モルツ」を探る(1)

  • 2014年3月17日
「ザ・プレミアム・モルツ」に使用する麦芽の元となる二条大麦は、
粒の大きさや発芽状態などが均一なものを選んで使用する

写真:「ザ・プレミアム・モルツ」に華やかな香りをまとわせるファインアロマホップ 「ザ・プレミアム・モルツ」に華やかな香りをまとわせるファインアロマホップ

写真:サントリー武蔵野ビール工場。良質な天然水を求めた結果、この地に建てられた サントリー武蔵野ビール工場。良質な天然水を求めた結果、この地に建てられた

写真:工場の見学者用受付の近くには、「中央フリーウェイ」を歌う松任谷由実さんのサインが飾られている 工場の見学者用受付の近くには、「中央フリーウェイ」を歌う松任谷由実さんのサインが飾られている

写真:クリーミーな泡も「ザ・プレミアム・モルツ」の特徴の一つだ クリーミーな泡も「ザ・プレミアム・モルツ」の特徴の一つだ

 今、プレミアムビールが売れている。発泡酒や「第3のビール」も含めたビール類全体の出荷量は9年連続で過去最低を更新し続け、最近10年間で15%も落ち込んだ。若者のビール離れ、チューハイやワインなどアルコール飲料の多様化など様々な理由が言われているが、一方のプレミアムビールは通常のビールより価格が1~2割高いにもかかわらず、その市場規模は年々拡大を続けている。10年前は年間約1100万ケースだった出荷量も、昨年は3倍近い約2900万ケースまで伸びたという推計もある。

 今年は、そんな高級ビール市場がますます活況を呈しそうだ。というのは、各社が続々と新商品の投入を表明しているからだ。まず国内ビール類シェア1位のアサヒビールが2月18日に「アサヒスーパードライ ドライプレミアム」を発売開始。同2位のキリンビールもギフト専用商品として「一番搾りプレミアム」の販売を予定している。両者を迎え撃つのは、この市場で先行している同3位のサントリーと同4位のサッポロビール。特にサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」は03年の発売開始以来、縮小するビール市場を尻目に、10年連続で過去最高の販売数量を更新し続けた。今ではプレミアムビール市場でのシェア6割を誇り、まさにこの市場を牽引(けんいん)してきた存在だ。サントリーのビール事業黒字化の原動力にもなった「ザ・プレミアム・モルツ」の人気の秘密を探った。

 東京都府中市にあるサントリー武蔵野ビール工場。松任谷由実さんの「中央フリーウェイ」に登場するのはおなじみで、同工場と東京競馬場の間を中央自動車道が走るのも歌詞の通りだ。今でこそ周辺には住宅や工場などが立ち並ぶが、1963年の工場操業当時は田畑が広がっていたという。この工場で生まれた「ザ・プレミアム・モルツ」の最大の特徴は、副原料を一切使用せず、麦芽とホップと天然水のみで造っているところだ。この三つのみで造ることにより、コクや香りといった持ち味を実現できたという。当然、これらの原料それぞれにもこだわりがあり、今から半世紀前にサントリーが初めてのビール工場にこの場所を選んだ理由もそれを物語る。

 ビールの原料の9割以上を占める水は、味の良しあしを決める大きな要素だ。だからこそ、サントリーは、良質な天然水に恵まれたこの地を選んだ。現在も武蔵野工場では、地下深くの天然水のみを、使う直前にくみ上げて化学的処理を一切施さずに使用している。地表から遠く離れた深層を流れる水は、季節や天候の影響を受けない利点がある。また、ミネラルのバランスが絶妙で、ビールの製造過程では欠かせない酵素や酵母の働きを活発化させる効果もあるという。現在、「ザ・プレミアム・モルツ」は、武蔵野ビール工場以外に、京都、熊本、利根川(群馬県)の3工場でも造られているが、いずれも良い水を探し求めた結果の立地だという。

 もちろん、こだわっているのは水だけではない。味やコクなどビールの品質を左右する麦芽は、良質な二条大麦から粒の大きさや発芽状態などが均一なものを選んで使用している。さらには2012年から、ピルスナービールの本場のチェコ、その周辺国でしか栽培していない希少な「ダイヤモンド麦芽」も加えている。そのままかじってみると口の中に香ばしさが感じられるダイヤモンド麦芽は、たんぱく質を豊富に含むのが特徴で、より豊かなコクと旨みをビールに与えてくれるという。 

 そして、ビールの苦みや香りの決め手となるホップ。「ザ・プレミアム・モルツ」に用いるのは、苦みが穏やかで、華やかな香りが特徴のアロマホップだ。調達にあたっては、アロマホップの主産地であるチェコのザーツ地方やドイツのハラタウ地方に専門の技術者が出かけ、現地で品質確認も行っている。2009年からは、こうした良質なホップを安定して入手するため、現地のホップ農家への支援にも取り組んでいるという。

 アロマホップの中でも、特にチェコのザーツ地方で収穫される最高クラスのものは、より香りが強く、ファインアロマホップと呼ばれ、世界中で高い評価を受けている。「ザ・プレミアム・モルツ」は、このファインアロマホップを加えることで、製品の特徴である芳醇(ほうじゅん)な香りを実現しているのだが、その製法にも長年の研究から生み出された独自の工夫があるという。

 手間をかけた製法へのこだわり~「ザ・プレミアム・モルツ」を探る(2)

 競争激化、消費増税…今後の戦略は~「ザ・プレミアム・モルツ」を探る(3)

 「香り」に焦点の新商品投入へ~「ザ・プレミアム・モルツ」を探る(4)

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10年連続過去最高売上を更新し続けているザ・プレミアム・モルツ。
同ブランドのこだわりに魅せられた各界のファンが、ザ・プレミアム・モルツを片手に自身の言葉でその魅力を語ります。
詳しくはWEBサイトをご覧ください。

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