矢島里佳の暮し手への案内

バルセロナで知ったスペインの伝統工芸事情

  • 文 矢島里佳
  • 2015年8月21日

「和える」の商品を展示したコーナー。(左から)在バルセロナ総領事館総領事ご夫妻、筆者、会場に集まった方々

写真:日本の伝統工芸品のマーク(左)とカタルーニャの伝統工芸品のマーク(右) 日本の伝統工芸品のマーク(左)とカタルーニャの伝統工芸品のマーク(右)

写真:カタルーニャで、和えるの商品を展示した会場 カタルーニャで、和えるの商品を展示した会場

写真:展示会場では、和えるの取り組みについての講演も行いました 展示会場では、和えるの取り組みについての講演も行いました

写真:カタルーニャでも多くの共感を呼んだ「こぼしにくい器」 カタルーニャでも多くの共感を呼んだ「こぼしにくい器」 津軽焼のこぼしにくい器の商品詳細はこちら

写真:カタルーニャの街を一望して カタルーニャの街を一望して

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 7月9日から14日まで、外務省の「日本ブランド発信事業」で、日本の文化や伝統の魅力を伝えるため、スペインのバルセロナを訪問しました。スペインには17の自治州があり、それぞれの自治州で伝統工芸品を認定しています。今回は、164種類の伝統工芸品があるカタルーニャ州に行ってきました。

 まず伝統工芸品を振興するために、カタルーニャ州政府が100%出資しているFAAOC(Federació d'Associacions d'Artesans d'Ofici de Catalunya)というセンターを視察しました。FAAOCは、観光地の中心にあります。観光客が行き交う中、選び抜かれたカタルーニャならではの商品が販売されているセレクトショップのような空間でした。伝統工芸品でもきちんと商売をする、そんな姿勢が印象に残りました。

 2015年現在、日本には経済産業大臣の指定を受けた伝統的工芸品が222品目あります。FAAOCと似たような施設は日本にもありますが、ただモノが陳列された展示会場のようで、商売に活用できていないところが多く見受けられます。この点でもFAAOCから学べることはたくさんあると感じました。

 続いて、カタルーニャの職人協会の会長さん、副会長さんと意見交換をさせていただきました。カタルーニャでも伝統産業の衰退が続いているそうです。職人の平均年齢は45歳。日本の職人の平均年齢は65歳前後で、カタルーニャはそれより20歳も若いのに、職人の高齢化と考えているということがとても印象的でした。

 お二人は、和(あ)えるの取り組みにも非常に興味を持ってくださいました。カタルーニャも日本と同じように、子どもたちへ伝統を継承する仕組みがほとんどなく、伝統離れが進んでいるそうです。子どもの頃から自国の文化や伝統に触れられる機会を創出することの大切さを実感しているとおっしゃっていました。

 なかでも「和える」の「こぼしにくい器」は大好評。「赤ちゃんの頃は、どうしてもこぼしちゃうんだよね」というのはどの国でも共通。職人の手作りで、かつ機能的であるこの商品は、カタルーニャの皆さんにも魅力的だったようです。

 私は「和える」の海外進出の方法として、その国の職人さんとともに『0から6歳の伝統ブランドaeru』のデザインを作っていけたらと思っています。そのアイデアをお話ししてみると、「『aeru catalunya(和える カタルーニャ)』ができたら面白いね」とのお応えが。「和える」の展望を他国の方に共感いただけたことがとてもうれしかったです。■青森県から 津軽焼の こぼしにくい器
価格:<ボウル>6156円(税込み)/<深皿>6696円(税込み)/<平皿>7236円(税込み)
サイズ:<ボウル>口径110ミリ×高さ45ミリ、重さ約295g/<深皿>口径130ミリ×高さ40ミリ、重さ約325g/<平皿>口径150ミリ×高さ35ミリ、重さ約395g
素材:津軽の土、釉薬(うわぐすり)
注意:電子レンジはお使いいただけますが、食器洗い洗浄機、オーブン、直火ではご使用いただけません。
生産地: 青森県
商品詳細はこちら

    ◇

 22歳で「0から6歳の伝統ブランドaeru」を立ち上げた株式会社和(あ)える代表の矢島里佳さんが、全国の職人とともにつくった製品の物語をご紹介します。モノを消費する生活から、モノとともに心豊かな生活を築く「暮し手」へ、皆さまをご案内します。

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PROFILE

矢島里佳(やじま・りか)

株式会社和(あ)える代表取締役。1988年東京都生まれ。2011年慶応義塾大学法学部政治学科卒業、13年同大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。「21世紀の子どもたちに、日本の伝統をつなげたい」という想いから、大学4年生の時に「和える」(http://a-eru.co.jp)を設立。子どもたちのための日用品を全国各地の職人とともにつくる「0歳から6歳の伝統ブランドaeru」を12年3月に立ち上げる。『和える-aeru- 伝統産業を子どもにつなぐ25歳女性起業家』(早川書房)を14年7月に刊行。

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