安藤俊介のアンガーマネジメント

車を運転中にイライラしやすいのはなぜ?

  • 文 安藤俊介
  • 2016年4月11日

写真:     

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 あなたは車の運転がうまい方でしょうか? もしあなたが、運転技術に自信を持っているとしたら、アンガーマネジメントの観点で少し注意が必要です。

 車を運転中に割りこまれたり、あおられたりすることに腹を立て、報復行動(あおり返したり、幅寄せをしたり……など)することを「ロードレイジ」と言います。アメリカでは1980年代に社会問題になりました。日本でもトラブルになることはよくありますが、アメリカでは銃殺事件にまで発展したからです。

 車を運転中にイライラする人は、自分が他人よりも運転が上手だと考えている人ではないでしょうか。他の車の運転が未熟だと感じるとイライラが増えます。自分の運転が未熟だと考える人なら、怖いと思うことの方が多いでしょう。

 さらに車を運転すると性格が変わる人がいます。普段は穏やかなのに、ハンドルを握った瞬間から気が荒くなったり、他の車に文句を言ったり……。なぜそうなるのでしょうか。

 理由はいくつか考えられます。一つ目は車が自分の思い通りに動く「鎧(よろい)」のようなものだからです。車を運転するときは、大げさに言えば戦車や装甲車に乗っているのと変わらない気分になるところがあります。自分が守られている空間にいると感じることで気が大きくなります。また、思い通りになると思っているからこそ、思い通りにならなかった時に怒りを覚えます。

 もう一つは匿名性です。車にはナンバーがついていますが、調べないかぎりは誰の車か分かりません。また、車内はプライベート空間になるので本性を表しやすいこともあります。そのためつい気が大きくなってしまうのです。車のナンバーを所有者の氏名にするような大胆な(?)ことをすれば、危険運転の抑止にはなるかもしれないですね。

 車の運転中にイライラしないコツは、当たり前のようですが、時間に余裕を持って動くこと。急いでいるとどうしてもイライラしやすくなります。また、車の運転中にイラッとするようなことがあった時に気持ちを落ち着かせる呪文のようなものを用意しておくとよいでしょう。

 例えば、「焦っても仕方ない」「ロードレイジなんて無意味」「のんびりいこう」「落ち着け、大丈夫」等々。あなたがイライラしている時、誰かに声をかけてもらうと気が鎮まることがありますが、それを自分でやってみるのです。

 今年の春の全国交通安全運動は4月6日(水)~15日(金)の10日間で、4月10日(日)は交通事故死ゼロを目指す日になっています。この期間は車の運転でイライラしないように特に心がけましょう。

PROFILE

安藤俊介

安藤俊介(あんどう・しゅんすけ)

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。怒りの感情のプロフェッショナルとして、教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナーなどを行い、社会にある怒りの課題解決に取り組む。著書に「心がラクになる言い方」(朝日新聞出版)、「『怒り』のマネジメント術」(同)など。日本アンガーマネジメント協会公式HP:https://www.angermanagement.co.jp

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