森秀光 お金のセオリー

現役世代が避けるべき投資信託とは?

  • 文 森秀光
  • 2016年8月10日

写真:     

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 投資信託協会の調査によると、投資信託(ファンド)保有者が購入の際に重視する点として、「分配金の金額・頻度」が上位にランクされています。実のところ、分配金はファンドマネジャーの運用能力とは無関係なのですが、保有者にとっては意外と関心が高い項目です。分配金については、間違って認識されていたり、認知されていなかったりすることが多いため、ポイントを理解し、購入の際には商品をしっかり選別する必要があります。

 まず、特に現役世代にとって避けるべき商品の典型例は、投資利益を伴っていない「高配当型」投信です。いわゆる「元本払戻金(特別分配金)」を多く出しているタイプのものです。分配金のうち、投資した元本を上回る部分からの分配金のことを「普通分配金」、元本を一部払い戻す分配金のことを「元本払戻金(特別分配金)」といいます。

 「元本払戻金」は、最近まで「特別分配金」と呼ばれていましたが、誤解を招きかねない表現だったため、「元本払戻金」という呼称になりました。わかりやすく言うと、「特別分配金」といっているものの、実態は投資した元本を払い戻しているだけなので、経済行為としては、銀行のATMで自分のお金をおろしているのと同じだということです。

 また、最近の「高配当型」投信の中には、オプションの仕組みを使って、投資家が購入したくなるように、目先の分配金額を多くする代わりに、将来の元本の値上がり益を限定しているようなものが見受けられます。販売する側はプラス面だけを強調しがちですが、長期投資家にとってはマイナスの影響の方が大きいことが多いので、慎重に見極める必要があります。

 現役世代の投資の動機としては、「特に目的はないが資金を増やしたい」、あるいは「老後の生活資金」というケースが多いかと思います。そもそも現役世代は、毎月の給与所得があるはずなので、定期的に分配金が出るような投信はあまり必要がないはずです。こうしたライフステージや投資目的からすると、再投資による複利運用効果を重視して、「高配当型」投信でなく、できるだけ分配が少ない商品を選ぶべきと考えます。

 一般に投資信託には、「少額で分散投資ができる」「元本保証ではないけど比較的高い利回りが期待できる」といった利点があります。前述した点に留意して、商品選びを間違えなければ、投資信託は資産形成の強力な味方になってくれるはずです。

PROFILE

森秀光

森秀光(もり・ひでみつ)

キャピタル・ソリューション(株)代表取締役。1990(平成2)年大手証券会社に入社後、個人富裕層向けの資産運用アドバイス、上場法人向けのコンサルティング業務等に従事。2014年より現職。有価証券だけでなく、不動産、自社株、相続・事業承継等、多様な側面から顧客資産の分析を行い、最適な解決策を提供することを目指している。資産運用のプロフェッショナルとして、幅広く講演、研修、セミナー等を行っている。キャピタル・ソリューション(株)公式HP:http://www.c-solution.jp/

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