森秀光 お金のセオリー

「個人型確定拠出年金」三つの税制優遇

  • 文 森秀光
  • 2016年10月5日

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 「個人型確定拠出年金(Individual-type Defined Contribution)、以下『個人型DC』」の愛称が「iDeCo(イデコ)」に決定しました。個人型DCは、基礎年金、厚生年金保険などの「公的年金」に上乗せして給付を受ける「私的年金」のひとつです。個人型DCの加入者は、これまで自営業者や企業年金のない会社員などに限られていましたが、2017年1月からは、専業主婦、公務員の方を含め、基本的に60歳未満のすべての方が利用できるようになります。

 個人型DCのメリットは、「資産形成しながら節税できる」「掛け金が大きいほど、そして所得(税率)が高いほど節税額が大きくなる」「個人年金保険や少額貯蓄非課税制度(NISA)よりメリットが大きい」といった点です。

 個人型DCには三つの税制優遇があります。一つ目は、掛け金が全額所得控除されることです。例えば、毎月2万円ずつ掛け金を拠出した場合、税率20%とすると、年間4万8千円の節税効果となります。二つ目は、運用益も非課税で再投資されることです。通常、金融商品の運用益には税金20.315%がかかりますが、個人型DCの運用益は非課税となります。三つ目は、受け取るときも税制優遇措置があることです。一時金は「退職所得控除」、年金は「公的年金等控除」という控除が受けられます。

 NISAと比較すると、NISAは元本120万円までの売却益や配当は非課税ですが、掛け金の所得控除はありません。また、NISAと違い、個人型DCは預貯金も対象となります。どうしても元本を確保したい方は、投資リスクを負わずに節税効果だけを得ることができます。例えば、老後資金は個人型DC、教育資金や住宅資金はNISA、と使い分けるのもひとつの方法です。

 加入時の留意点は以下の通りです。
(1)拠出限度額がある。加入者の状況に応じて年額14.4万円(月額1.2万円)から年額81.6万円(月額6.8万円)まで。
(2)受け取る額は運用成績により変動する(元本を保証する商品もある)。
(3)原則60歳までは引き出しできない。
(4)口座管理手数料などがかかる。

 厚生年金・国民年金などの公的年金は、財政難から実質減額が見込まれています。今回の法改正は、国民が個人型DCを通じて自助努力で老後資金を増やすことを促す狙いがあり、「老後資金は自分で準備してください」という国からのメッセージとも言えます。

PROFILE

森秀光

森秀光(もり・ひでみつ)

キャピタル・ソリューション(株)代表取締役。1990(平成2)年大手証券会社に入社後、個人富裕層向けの資産運用アドバイス、上場法人向けのコンサルティング業務等に従事。2014年より現職。有価証券だけでなく、不動産、自社株、相続・事業承継等、多様な側面から顧客資産の分析を行い、最適な解決策を提供することを目指している。資産運用のプロフェッショナルとして、幅広く講演、研修、セミナー等を行っている。キャピタル・ソリューション(株)公式HP:http://www.c-solution.jp/


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