安藤俊介のアンガーマネジメント

怒りの感情を前向きのエネルギーに変える

  • 文 安藤俊介
  • 2016年11月21日

写真:     

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 怒りを含め、喜ぶ、楽しい、悲しいといった喜怒哀楽は人に備わっているごく自然な感情です。良いも悪いもありません。その中で怒りは、どうしてもマイナス、ネガティブな感情というイメージがあると思います。怒ることで、人間関係を悪くする、雰囲気が悪くなる、自己嫌悪に陥る、疲れる等々、怒りにまつわるイメージは悪いものばかりです。

 確かに怒りは「何か」を壊すのは得意な感情です。人間関係ばかりでなく、ビジネス、家庭、身体、心も壊してしまいます。なぜ「アンガーマネジメント」が存在しているのかと言えば、怒りの感情だけがコントロールしないと人生を壊すことができるからです。

 でも怒りの感情は上手に付き合えば、自分を建設的に動かす大きなエネルギーともなります。例えば、オリンピックでメダルをとれなかった選手が悔しさをバネに4年後のオリンピックを目指すといったものです。悔しさは怒りの一種です。悔しさを持ち続け、それを建設的な方向に向けられれば、のちに活躍することができるでしょう。一方、悔しさに負けて競技をやめたり、悔しさを忘れてしまっては活躍することは難しいでしょう。

 怒りの感情を前向きのエネルギーとして活用したいのであれば、次の三つの条件を整えることです。

1.長期的なゴール、ビジョン
2.ゴール、ビジョンを達成するための具体的な行動
3.行動を続けるための仕組み

 では、それぞれを先程のオリンピックの例で考えてみましょう。

 長期的なゴール、ビジョンとは、次のオリンピックでのメダルです。ポイントはある程度長期的な視点を持つということです。ゴールを目先に向けてしまうと、単純に自分の気持ちを晴らせればいいという短絡的なものに結びつきやすいからです。

 ゴール、ビジョンを達成するための具体的な行動とは、毎日のトレーニングメニューです。毎日具体的にどのようなメニューでどれくらいの負荷でトレーニングを行うのかはっきりとわかっていることです。漠然としたものではなく、言語化されていて内容が誰でも理解できるようにまでなっていることが必要です。

 そして、行動を続けるための仕組みです。いくら具体的な行動がわかっていたとしても、それを毎日こなせなければゴールにはたどり着けません。仕組みとは選手を支えてくれるコーチや、トレーニングが続けられる環境のことです。

 怒りの感情をエネルギーにするのは、何もアスリートばかりではありません。私たちでも同じことができます。怒りを感じること自体は別に悪いことではありません。今持っている怒りで自分を鼓舞し、前に進むためのエネルギーとして活用できるようになっていきましょう。

PROFILE

安藤俊介

安藤俊介(あんどう・しゅんすけ)

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。怒りの感情のプロフェッショナルとして、教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナーなどを行い、社会にある怒りの課題解決に取り組む。著書に「怒りに負ける人、怒りを生かす人」(朝日新聞出版)、「『怒り』のマネジメント術」(同)、「アンガーマネジメント入門」(同)など。日本アンガーマネジメント協会公式HP:https://www.angermanagement.co.jp

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