【糧うどん】手綱のように結んでいる美しいうどん。温かいつけ汁には、豚肉、油揚げ、ごぼうと長ねぎが入る。2色のうどんは、ピンクが紫芋、緑は大根の葉を練り込んだもの。冷やしと釜あげ(温)を選べて800円。
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『dancyu』4月号(発売中)は「うどん」大特集! 讃岐うどん、伊勢うどん、京うどん、博多うどん、稲庭うどん、水沢うどん、吉田うどん、武蔵野うどんに、名古屋の煮込みうどんやきしめんなどなど、土地土地に根ざした日本各地のうどんを徹底取材。「うどんの国ニッポン!」です。
東京讃岐化計画がずんずん進む中、東京にもれっきとしたご当地うどんが、ある。武蔵野台地で育まれ、親しまれてきた武蔵野うどん。都内でもじわじわと、件のうどんを供する店が増えつつある。紹介するのは、武蔵野うどんの伝道師ともいえる一軒。合言葉は「日本中が、うどん県!」。
ザッツ・食こそエンターテインメント! 最新『dancyu』4月号は「うどんの国ニッポン!」特集
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昨今のうどん界の注目株の一つに、武蔵野うどんがある。つるりと喉ごしなめらかな讃岐と違い、こちらは無骨な面構え。茶色がかった太麺は、加水率が低く、ゴツゴツとした力強い食感が持ち味だ。
「武蔵野うどんは、武蔵野台地の郷土料理。いわばソウルフードです。本来は、地粉を使って打ち、ザルに盛ったうどんを“糧”と呼ばれるおかず(ゆで野菜など)とともに温かいつけ汁につけて食べるスタイルが一般的ですね」
口ぶりも物静かに、説明してくれたのは、石神井公園にある「むさしのエン座」の主人、加藤智春さん。地域に根差したうどんをこよなく愛する武蔵野うどんの伝道師だ。
それだけに、主人のこだわりは、まず“地産地消”にある。糧に使う野菜をはじめ、うどんの粉も地場産の小麦を中心に使用。新座市片山産の農林61号を練馬区土支田の山八製粉で粉にしている。収穫量が少ないため、地粉100%のうどんは土日限定となるが、農林61号の全粒粉と讃岐すずらんをブレンドした平日の麺も侮り難いおいしさである。
エッジのきいた打ちたてのうどんは、讃岐うどんの艶やかさとひきのある弾力を感じさせつつも、武蔵野うどんならではの素朴な粉の香りを残す傑作。それも地場産の麦こがしを少し加えるなどの細やかな手間暇があればこそ。だしの旨味と豚の甘味が広がる肉汁は甘さも控えめ。麺との相性も上々だ。匠の技が光る武蔵野うどんの進化形といえるだろう。
文・森脇慶子 撮影・浜村多恵
■この記事は『dancyu』4月号に掲載されています。『dancyu』4月号の目次をみる>>http://www.president.co.jp/dan/
〈店データ〉
むさしのエン座
東京都練馬区石神井町5−12−16 石神井公園ふるさと文化館内
電話 03−3995−1577
営業時間 11:00〜15:30(L.O.)
定休日 月曜 第1火曜 禁煙 24席
西武池袋線「石神井公園駅」より15分。
●霙(みぞれ)糧うどん850円。もり700円。釜揚げ700円、焼豚うどん(温)750円。近日中に、日清食品より加藤さん監修の武蔵野うどんが発売されるとのこと。
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