現在、1割負担となっている70歳から74歳の医療費の窓口負担が、来年の4月から2割負担に上がる見通しになってきました。もともと2008年度からは2割負担にすることになっていましたが、特例として1割負担に据え置かれていたからです。
ただ、来年4月からは消費税も上がりそうで、さらに物価も上昇しています。いっぽう、年金の支給額は、下がることが決まっているだけに、老人ご本人はもちろん家族の方達も心配なことでしょう。
ただ、だからといって入院費100万円の患者が、2割負担で20万円支払わなくてはならないのかといえば、そういうことではありません。
日本の健康保険には、高額療養費制度というものがあります。これは、健康保険で一定額以上の支払い額になった場合には、超えた額を戻してくれるという制度です。
たとえば、普通に稼いでいるサラリーマンで窓口負担3割(70歳未満)の人が、入院して月100万円(食事負担や差額ベッド代などを除く)かかったとしても、負担額が3割で30万円になるというわけではありません。かかった100万円から26万7000円を引いた額の1%に8万100円を足した額が自己負担となるので、負担は8万7430円で済みます。
70歳以上はより負担が減って、普通の収入の70歳以上なら、どんなに入院費や診察料がかかっても、月4万4400円で済みます。
さらに、高額療養費制度では、1人1人の医療費だけでなく、家族で「世帯合算」もできます。たとえば夫がA病院での自己負担が6万円(医療費20万円)、B病院で2万4000円(医療費8万円)、妻がC病院で自己負担3万円(医療費10万円)で、いずれも高額療養費対象の8万100円以上でなくても、合算すると11万4000円になるので高額療養費制度の対象となります。

1954年長野県生まれ。経済ジャーナリストとして幅広く活躍。デフレを見越し、借金を減らし投資を控える「資産防衛」を一貫して提唱。現在、テレビ・雑誌・新聞などを通じて不況時の生活防衛策や、保険、金融、住宅問題など実戦的な提案を発信している。著書に「荻原博子の家計まるわかり読本」(学研パブリッシング)「生命保険は掛け捨てにしなさい!」(ダイヤモンド社)など多数。監修した「ボクたちの値段」(講談社)も好評発売中。
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