スメッグとフィアットとのコラボレーションによって誕生した冷蔵庫『スメッグ500』『SMEG(スメッグ)500』は、イタリアの家電メーカー・スメッグと、自動車メーカー・フィアットとのコラボレーションによって誕生した冷蔵庫である。
フォルムは、1957年に登場したイタリアを代表する大衆車・フィアット500(チンクエチェント)のノーズ部分をリアルに再現したものだ。バッジもオリジナルを忠実にトレースし、ナンバープレートもあしらわれている。
レトロ調ヒンジ(ちょうつがい)が付くフードを開けると、本物のフィアット500であればラゲッジスペースの部分が、容量100リットルの冷蔵庫になっている。
ステンレス製コントロールパネルは、ダッシュボードを連想させるつくりだ。本体の色はイタリア国旗をイメージした白、緑、赤の3色が用意されている。
スメッグはウェブサイトでオーダーを受け付けており、納期はおよそ2カ月だ。
日本での発売は未定である。
5月末、フランス・パリのセレクトショップ『コレット』での発表会に続き、この夏は地中海のスペイン領フォルメンテラ島や、イタリア・トスカーナのピエトラサンタといったビーチリゾートでお披露目ツアーを行い、アピールしている。
実は、スメッグとフィアットの関係は、今に始まったものではない。
かつてフィアットは本業の自動車製造の傍ら、多角経営化の一環として自社ブランドの白物家電を販売していた。
なかでも冷蔵庫の歴史は1938年にまでさかのぼる。その冷蔵庫製造に関し、第二次世界大戦後に協力関係を結んだのが、当時創業間もないスメッグだった。
冷蔵庫は多くのイタリア人家庭にとって最初の大型家電であり、戦後経済成長のシンボルとなった。
後年フィアットは業務再編により家電事業から撤退したが、スメッグはスタイリッシュなデザインの家電メーカーとして、今日まで国内外を問わずおしゃれ感度の高い人々から支持を得ている。
今回、再びコラボレーションに至った背景には、ビッグな陰役者がいた。
ラポ・エルカン氏(35)である。彼は、フィアット創業家出身で名誉会長であった故ジョヴァンニ・アニエッリ氏の孫で、現在ファッションブランド『イタリア・インディペンデント』を率いている。
ラポ氏は2011年にイタリアの高級家具メーカー・メリタリアと、ファニチャー・コレクションを、彼のディレクションで製作・発売している。こちらもフィアット500のノーズ部分をモチーフにしたものだ。
今回の『スメッグ500』は、ラポ氏による『フィアット500 デザイン・コレクション』の第2弾という位置づけである。「これはイタリア人が最も愛した車への、ストラーダ(道)からカーザ(家)へと舞台を変えたオマージュ」と、彼はコメントしている。
ラポ氏は2004年、1歳違いの兄ジョン・エルカン氏(現フィアット会長)の結婚祝いに巨大リボンをかけた本物のフィアット500を贈って話題となった。
そのエピソードを多くのイタリア人は好意的に受け止めた。
創業家の御曹司としてのパフォーマンス以上に、純粋に「フィアット500を愛する男」として映ったからだ。
そんなラポ氏が手がけた冷蔵庫である。今までありそうでなかったアイデアは、フィアット500ファンのハートを捉えそうだ。
『フィアット500 デザイン・コレクション』

東京生まれ。コラムニスト。幼稚園教諭、総合商社OLを経て1996年にイタリア・シエナに移り住む。『まいにちイタリア語(NHK出版)』をはじめ、雑誌・新聞・ニュースサイトなどに連載多数。ラジオの海外リポーターとしても活躍中。取材モットーは体当たりで、イタリアに留まらず欧州各国の一般家庭にズカズカ上がり込むのが得意技。
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