アメリカの大手保険会社アフラック(アメリカンファミリー)とかんぽ生命を傘下に持つ日本郵政が、がん保険で業務提携することになりました。
がん保険は、日本がTPP交渉に参加する前段階の条件として、アメリカから「かんぽ生命」には売らせるなという注文が入っていました。これに答えて、麻生財務大臣は、「かんぽ生命にはがん保険などの新商品は数年間認可しない」との方針を示しました。
たぶん、日本郵政の幹部は、何とかこのピンチを乗り切りたいと考えたのでしょう。アフラックと提携するというウルトラCで、日本市場に参入したいアメリカと手を組み、新たにがん保険を売ることに成功しました。
実質的には国営である企業が、アメリカの民間企業と手を組んで日本の民間保険会社とライバル関係になったわけですから、民業圧迫ということで業界は大騒ぎです。
ただ、これで政府もアメリカからの宿題をクリアできるので、今後はブランド力があるかんぽ生命ががん保険を売りまくることになるでしょう。
ただ、本当に、がん保険に入る必要があるかどうかは別問題。
がん保険には、主に二つの特徴があります。まず、がんと診断された時に、一時金として100万円程度の診断給付金が出るものが多いこと。支払いは1回きり、2年に1回、5年に1回と、商品によっても異なります。
もうひとつは、日数無制限の入院給付金が付いていること。ただ、無制限と言っても、病院がそれだけ入院させてくれるわけではありません。平均入院日数は年々減っています。しかもたとえば胃がんで平均日数は22.6日。脳血管疾患の平均日数が93.0日であるのに比べると、比較的短いです(2011年厚生労働省調べ)。
また、入院の際に医療保険の高額療養費制度が利用できれば、1カ月入院しても、入院費は9万円程度で済む。
だとすれば、すでに医療保険に入っている人などは、本当に入る必要があるのかは、ちゃんと考えてみる必要があるでしょう。

1954年長野県生まれ。経済ジャーナリストとして幅広く活躍。デフレを見越し、借金を減らし投資を控える「資産防衛」を一貫して提唱。現在、テレビ・雑誌・新聞などを通じて不況時の生活防衛策や、保険、金融、住宅問題など実戦的な提案を発信している。著書に「荻原博子の家計まるわかり読本」(学研パブリッシング)「生命保険は掛け捨てにしなさい!」(ダイヤモンド社)など多数。監修した「ボクたちの値段」(講談社)も好評発売中。
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