複線型のすすめ

PTA活動で毎月、有給休暇を取得 笑っている父親(10)

  • 文 松崎幸治
  • 2013年9月10日

写真:小学校のイベントでドラえもんの着ぐるみを着た川島さん小学校のイベントでドラえもんの着ぐるみを着た川島さん

写真:中学校の体育祭の閉会式であいさつをする川島さん中学校の体育祭の閉会式であいさつをする川島さん

 子どもが1歳になって間もなく、タイの現地法人から東京本社へ戻った川島高之さん(49)は、フルタイムで働く妻と、家事や育児を分担した。子どもが少年野球チームに入ればコーチを務め、地域の草野球チームの監督にもなり、PTAの会長を担い、地域の「おやじの会」でも活動し、週末も予定がいっぱいだった。

笑っている父親(9)はこちら

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<朝食の準備、子どもの弁当作り、保育園の送りは、主に川島さんが担った。このため、泊まりがけの出張は、極力、避けるように努めた。>

 子どもが生まれる前から、家事を妻と分担していました。朝は私の方が比較的余裕があるので子どもの保育園送りや家事をし、子どもの迎えや夕飯の準備は主に妻の分担です。仕事でもそうですが、相互補完が大事で、得意な人や都合の合う人がやればいいという考え方です。

 タイから帰国後も海外異動の打診がありましたが、断りました。子どもの中学卒業までは家族一緒に暮らすことと、妻が誇りを持ってしている仕事を辞めさせたくないことは、上司にも伝えていました。上司は、「海外に出た方が出世も早いし、経験にもなる。いいポジションに君の名前が挙がっている」と勧めてくれたこともありました。親心には感謝しましたが、自分の決意は変わりません。

 ただ、出世競争に取り残されるのは悔しいとの思いはあったので、人の2倍、3倍働こうと頑張ってきたつもりです。会社に対して、わがままを言っているのだから、人より成果を出さなくてはだめだ、とも思っていました。

<仕事は多忙でも、子どもが病気になれば、会社を休んで看病したり、運動会などの代休で子どもの平日休みに合わせて遊びに連れ出したりもした。>

 子どもが小さいころは、熱でも出れば、私か妻か、どちらかが休むしかありません。その日の仕事をお互い思い浮かべ、前回はどちらが休んだかなども考慮して決めていました。子どもの病気で休む男性は珍しい存在でしたが、当社はいい会社で、しっかりと成果を出していれば、文句は言われなかったですね。

 不動産投資信託(REIT)を立ち上げたころ、私の役職は室長で、事実上のプロジェクト責任者として仕事の主導権を持つことができました。自分が休んで大丈夫かや、アポイント先に誰を代わりに行かせばいいかも判断できました。

 学校の年間行事予定が4月に配られると、運動会や文化祭などの学校行事、卒業式や総会などのPTA行事に加え、運動会の代休など息子の平日の休みも全て、会社のスケジュール表に書き込み、同僚と共有していました。息子の代休(平日)はよく、アスレチックやバッティングセンターなどに、息子と彼の同級生ら数名を連れて行きましたね。

<子どもが小学3年の時にPTA副会長、4年、5年の時には会長、中学2年、3年でも会長を務めた。>

 小学校のある会合で教育論を熱く語ってしまい、PTAの役員をやることになりました。上司には「PTA活動のため月に半休を3回取ります」と伝えました。PTAのメンバーには、月に1.5日しか学校に来られないことを告げて、役員会は土曜日の早朝開催にするなど、協力してもらいました。当初は、大口予算の支出ルールがなかったり、5回も会議をやって何も決まらないなど、色々と課題がありましたが、それらの改善策は、会社での仕事の経験からすぐに見つけ出すことができました。

 PTAの会長をやっていると、老若男女、地元の人たちとの付き合いも増え、これは今でも最高の財産になっています。また副会長になった時、「おやじの会」を始めましたが、この飲み会がとても楽しいです。会社の同僚とのアフターファイブだと、仕事の話や上司の批判、人事などが中心になりますが、「おやじの会」だと、子どもの話か馬鹿話、ときにまじめな話も混じって、いい感じに盛り上がります。

 「おやじの会」は小学校単位ですが、近隣の小学校にも呼びかけて、横断的な組織として「川崎おやじの会」も作り、仕切り役を担っていました。昼間ソフトボール大会をやって、夜は約100人のおやじが集まっての大宴会。初対面でも、小学生気分で走り回った後にビールを酌み交わせば、すぐに友だちになれます。

<週末は、子どもの少年野球や自身の草野球、そして最近はゴルフ再開と、体をめいっぱい動かして過ごす。>

 小学2年の時に息子が少年野球チームに入り、以来、私も毎週のようにコーチとして参加し、息子が卒業した後も2年ぐらいは続けました。草野球チームの方は、監督を担い、たまには息子たちも加えて試合をしました。どちらも、PTAやおやじの会の仲間に勝るとも劣らない、楽しい仲間です。

 一方、三度の飯よりも好きなゴルフは、帰国して1年余りして封印しました。子育てとPTA活動などに時間を割くため練習もできず、コースに出られるのも年3回ぐらいに限られ、かえってストレスがたまったからです。PTAからの引退などにより時間が取れるようになったため、昨年、ようやく再開しました。地方や海外勤務していたころは、年間100ラウンド回ったこともあり、ハウツー本を50冊は読み、週末は早朝6時から夜の10時まで練習場にこもり、手首を疲労骨折するほどのめりこんでいました。そこまでは無理ですが、数年以内のシングル復帰を目指しています。

 休みの日は、パソコンや携帯メールを極力見ないようにし、経済誌なども読みません。夏休みで1週間休むとメールが2000件以上たまって大変ですが、仕事のことを100%忘れます。そうすると、休み明けには早く会社に行きたくなり、気合が入ります。

<約5年前から、東京駅前の新丸の内ビル内のレンタルオフィスを契約している。>

 オフィスといっても、オープンスペースで、月額1万5000円。仕事が早く終わった日は、スマホとノートパソコンを持って2、3時間こもり、PTAやNPO関係の資料を作ったりすることもあります。自宅ではなるべく、家族とゆっくり過ごしたいですからね。

(「笑っている父親」の「川島高之さん」は3回のシリーズです。次回は9月17日に配信する予定です。)

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PROFILE

松崎幸治(まつざき・こうじ)

1957年、香川県生まれ。1982年、朝日新聞社入社。86年から大阪本社・社会部で裁判などを担当、『AERA』編集部、東京本社・社会部を経て成田支局長に。「成田空港問題」を連載して出版。99年から電子電波メディア局で「朝日新聞デジタル」の前身「asahi.com」の編集。知的財産センターなどを経て2012年からデジタル事業本部へ。現在、「朝日新聞デジタル」内の新ウェブマガジン「&M」担当。2001年から1年間育児休業取得。

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