待機児童数ワースト1位だった横浜市が、100%保育所に入れる市になれたワケ

  • 2013年3月26日
  

 今、都市部で深刻なのが待機児童問題。母親が働くために子どもを保育所に入れたくても、保育所が満員で入れない、というのが当たり前になってしまっている。例えば、東京都の待機児童数は、平成24年度時点で約7200人。ピーク時からはやや改善傾向にあるものの、まだまだ保育環境は不足しているのが現状だ。

 そんな状況のなかで、じつは都市部にも「ほぼ100%保育所に入れる」自治体がある。それは神奈川県横浜市だ。

 横浜市は、かつて待機児童数が2年連続で全国ワースト1位だった。しかし、約3年で一気に保育所の整備などを進め、この4月に「待機児童数ゼロ」を達成する見込みだ。急激に改善するに至った、その素晴らしい対策方法とは一体どのようなものなのか、横浜市に取材した。

 「単純に認可保育所を増やすだけでなく、幼稚園の預かり保育や一時保育などの多様な保育サービスを拡充する『ハード面の取り組み』と、保護者ひとりひとりと対話しながらその人に合ったサービスを紹介する『ソフト面の取り組み』の両方を進めました。近年では、保護者の生活スタイルが多様化しているため、それに見合う多様なサービスと、それを適切に選択できる仕組みが必要だったのです」

 そう語ってくれたのは、横浜市こども青少年局の田中氏。対策を進めるにあたり、保育所に適した場所が見つからない、あるいは保育所を運営する団体や保育士が確保できない、といった苦労も多かったそう。こういった課題を克服するため、土地所有者と保育運営事業者のマッチングや、保育室の賃料補助制度、保育士確保のための就職説明会・就労支援講座の実施など、さまざまなサポートを行うことによって、着実にハード面の取り組みを進めてきた。

 一方、ソフト面ではユニークな取り組みも。「保育コンシェルジュ」がそのひとつだ。保育コンシェルジュは、保育専門の相談員。市内の各区に一人ずつ配置されていて、保護者それぞれのニーズや状況に最も合った保育資源・保育サービスの情報提供をしてくれる。

 実際にコンシェルジュを利用した人からは、こんな声が寄せられているという。

 「預け先=認可保育所というイメージだったが、横浜市には多様なサービスがあることを丁寧に教えてもらい、預け先だけでなく、自分の働き方についても選択肢が増えた」

 「働く人だけでなく、働いていなくても預けたい人が気軽に相談できるのがよい」

 「区役所だけでなく、子育て支援拠点などで相談にのってもらえるのはうれしい」

 「認可保育所の保留通知を受け取り途方にくれていたときに電話をもらい、『一緒に考えます』と言ってもらえたのは心強かった」

 田中氏から教えてもらったこれらの声を聞くだけでも、保育コンシェルジュがどれだけ親身になってサポートしてくれているかがよく分かる。最後に、今後の新しい取り組みについて、田中氏に語っていただいた。

 「今後は、開発などに伴って保育資源が不足するエリアの地域分析を進めて、ピンポイントでの保育施設整備を行っていきたいと考えています。そのため、大規模マンションなどが計画されるときに、それにあわせて保育施設ができるように、200戸以上のマンション開発を行う開発事業者に保育施設設置の協力を要請する制度を始めています。ほかにも、短時間勤務を希望する人に向けた一時保育などのサービスの充実や、小学生の放課後の預け先確保などにも取り組んでいく必要があります。横浜市では、引き続き総合的な子育て支援を全力で進めていきます」

 ハード面・ソフト面の両方から強力に対策を推し進めた結果、その成果が着実に実を結んでいる横浜市。予算や人員確保などの課題はあるにしても、ほかの自治体でも取り入れられる要素は少なからずあるはずだ。例えば福岡市でも、4月から全ての区に保育コンシェルジュを配置することを決めている。待機児童ゼロに向けて、各自治体の積極的な取り組みが期待される。

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