三根弘毅の流儀

心のハンサムになる

  • 文 三根弘毅文 三根弘毅
  • 2013年2月8日
  

 「20歳のときの顔は、自然からの授かりもの、50歳のときの顔は、あなたの功績よ」。ココ・シャネルの言葉だ。俺も若いときは一重まぶたを気にして、何度、姉の「アイプチ」を使おうと思ったことか。(古いか!)ポパイで「醤油顔がモテる」なんて特集が出たときには、ついに時代が俺について来たかと勘違い。もっとイケメンに産んでもらいたかったなんて思った時期もあった。

 でもいまになれば、なんて浅はかで、情けないこと考えていたんだって思っちゃうよね。顔は人の生きざまがにじみ出て、変化して、自分で創るもの。というか、自然に創られるものなんだよね。

 もちろん親からもらったものがいいものに越したことはないが、長い人生の中で外見を自分で創れるというのも悪くない(美容整形ではなくて…)。それに、どんなことでも一生懸命な人には、なぜか惹かれるものだ。

 そういえば、実家の近くにあるせんべい屋のひげ面のおじーさんなんか、70歳くらいで軒先で黙々とせんべい焼いて売ってるんだけど、もう50年くらいやってるみたいで、自信に満ちた穏やかないい顔しているよ。痩せてるのに右腕の鉄のはさみを持っているほうの腕なんか筋肉隆々で、まさに人生の功績ってこういうことかな、いけてるぜって思っちゃう。

 うちのスタッフたちも、最初普通だなって思っていた子が、真剣に仕事に立ち向かい、情熱をもって汗かいて毎日を過ごすと、なぜかキラキラしちゃって超美人になってる、なんてことも日常茶飯事。

 いつもスタッフに話しているのは、ストック整理や掃除で一番になれないやつが、バイヤーや経営者になっても、急に一番にはなれないってこと。「今、自分に課せられた役割について、本当にベストを尽くしているのか、心の底から自分に聞いてみて」って言ってるよ。まあ、ロンハーマンの服を着てるから、みんな心も見た目もきれいになっちゃうっていう噂もあるけど(あれ?ちょっとした宣伝……ごめんなさい)。

 俺もいろんな人に会うけど、顔を見ただけですぐに何かを感じちゃうよね。金のことばっかしか考えていない顔。人の幸せを第一優先に考えていそうな、仏のような顔。「つらいことを乗り越えて、今俺はここに存在しています」みたいな自信に満ち溢れた顔。いろいろだ。

 ただ、疑問なのは生きざまが顔に出るなら、逆に美容整形とかカツラとかはなんだってことになる。別に整形しようが、カツラをかぶろうが、急に伊藤英明さんみたいになれるわけではないよね。でもなぜそういうことをするかっていうと、それは「心の治療」なんじゃないかな?

 要は、カツラをかぶることで自分が落ち着いていられるからかぶっているんであって、別人になりたいわけではないんだろうなー。整形だって、思いっきり顔を引っ張って、それがバレバレだろうが、それが落ち着くってことに違いない。でもそれで、勇気がわいて、強くなれるなら、いいことだなー。もちろんそれを一生背負うことになるから、多少後ろ指差されようが、それに負けない、内面をもたなくちゃいけないから気合はいるけどね。

 内面と外見がこんなにつながっているわけだから、俺は「心のハンサム」になりたいね。そしたら50歳でキアヌ・リーブスみたいになっているかもしれねーし(まあ、ないか?)。深みのあるいい人生を送って、心が広く、みんなをまるっと包み込めるような50歳になりたいね。

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PROFILE

三根弘毅(みね・こうき)

1971年生まれ。大学卒業後、伊勢丹(現・三越伊勢丹)に入社。新宿伊勢丹のリスタイル、リスタイルプラス、リスタイルベイビーのバイヤーとして長年国内外のブランド買い付けに携わり、2008年にサザビーリーグに入社。カリフォルニアのスペシャリティストア「Ron Herman」の展開を本国以外で初めてスタートさせた。“とっても大切で、とっても素敵な時間”をテーマに、千駄ヶ谷をはじめ二子玉川、神戸、有楽町、辻堂、横浜の国内6店舗すべてを全般にわたって指揮する。

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