てんらん・はくらん

「The NINJA」へっぽこ忍者誕生の巻

  • 文・森山葉月
  • 2016年7月21日

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7月2日に開幕した企画展「The NINJA―忍者ってナンジャ!?―」。後半のハイライト<ナンジャ大滝>では、バーチャルな滝に打たれてポーズを決めれば、大きくなった自分の影が映し出される=朝日新聞社撮影

  • <忍者道場>には、「耐えざるものは忍者にあらず」の文字が。思わず身震いする

  • 「忍び足」のコーナー。物音をたててしまうと、白いランプが赤くなっていく。へっぽこ忍者には厳しい修行

  • 手裏剣コーナーの的。大きく見えるのに、へっぽこ忍者の手裏剣はなぜか当たらない……

  • 公式ブック「The NINJA―忍者ってナンジャ!?―」。最新の忍者研究が楽しくわかりやすくまとまっている

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 夏休みが始まり、子どもたちとの涼しいおでかけ先として注目されているのが、企画展「The NINJA―忍者ってナンジャ!?―」だ。7月2日から始まっている。さっそく会場の日本科学未来館に行ってみた。

 忍者の真の姿がわかるのに加えて、忍術の修行ができるらしい。照りつける太陽から逃れるように入った会場の空気はしっとりと冷えてほの暗く、まずは<忍者研究室>に入る。忍者を描いた江戸時代の浮世絵や「梟(ふくろう)の城」、「柳生一族の陰謀」などの忍者映画のポスター、マンガ、古文書などが並んでいる。

 江戸時代の『万川集海(まんせんしゅうかい)』は忍術の教科書のようなもの。『楠正成一巻書』には「戦に勝つためには半年から1年前に忍者を放って状況を報告させるべし」とあった。

 「耐えざるものは忍者にあらず」「生きて 生きて 生き抜け」という教えにビビりつつ、いざ<忍者道場>へ。忍者の老師が映像で登場し、「気合を入れて行ってこい!」とカツを入れられる。いよいよ「心・技・体」の修行が始まった。

 最初は「忍び足」のコーナー。忍び込んだ屋敷の人に気づかれないように、つま先から着地し、音と振動を最小限にして歩く。物音をたてれば命にかかわる。忍術の基本のキだ。

 通路にはセンサーが仕込まれていて、振動を感知すると白いランプが赤くなる。そっと歩いたつもりなのに、早くも3歩目でランプの色が赤みを帯びる。そして5歩目で真っ赤になり、「カンカンカンカーン!」と警告音が鳴ってあえなく撃沈。

 係のお姉さんの視線を避けるように、そそくさと手裏剣コーナーに移動する。こんどは手裏剣で壁の的を狙うが、投げても、投げても当たらない。隣で10歳くらいの外国人の女の子が次々と命中させていて、口惜しい。当たるとメロディーと光で祝福してくれるのだ。こちらは的をはずれた手裏剣がドスッとむなしく落ちる音しかしなかった。

 

 ほかにも、任務の前に心身をリラックスさせる呼吸法、疲れにくいなんば歩き、携行食「兵糧丸」のレシピなどを学ぶ。大人にとっては忍者の知恵の科学的な裏付けがわかるのが面白い。

 後半のハイライトが<ナンジャ大滝>だ。バーチャルな滝に打たれてポーズを決めると、自分の影がブワッと大きくなったり、手裏剣が現れたりする。しかし、ここでもポーズが決まっていなかったのか、自分のときは何も起こらず、隣の人の鮮やかな変化に見入るばかり。それでも滝の音を浴びて気分はスッキリした。

 忍者はいかに戦わずして情報を持ち帰るかが重要で、忍術は生き延びるための技術だという。きょうの成績ではどう見ても敵にやられているけれど、出口で日本忍者協議会公認の忍者認定証をもらって、へっぽこ忍者が誕生した。

 認定証の裏には、それぞれに与えられる忍者の心得が書かれている。「自分なりのミッションを見つけ、この社会をたくましく生き抜くこと」。忍術はダメでもこちらは何とかしたい。ショップの<ニンジャ百貨店>にはスタイリッシュな忍者人形やシールなど、忍者グッズがそろっている。

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 本展の公式ブック「The NINJA―忍者ってナンジャ!?―」は、朝日新聞SHOPで販売中です。

 多彩な分野のエキスパートによる監修と、わかりやすいイラストと科学解説で、現代にもいかせる忍者の知識と知恵、生きるヒントが盛りだくさん。子どもも大人も楽しく学ぶことができる、楽しい一冊に仕上がっています。

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企画展「The NINJA―忍者ってナンジャ!?―」

日本科学未来館(東京・お台場):2016年7月2日(土)-10月10日(月・祝)

※7月5・12日、9月6・13・20・27日、10月4日は休館(すべて火曜)

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