男の調理道具

ふっくらおいしく作れる銅製卵焼き器

  • 文・栗山琢宏
  • 2016年12月27日

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熱伝導性の高い銅でできている中村銅器製作所の卵焼き器。卵をおいしく焼くための調理器具。

  • 銅の美しい素材を見事な職人芸で卵焼き器として作り上げている。

  • 卵焼き器には、正方形の関東型と、長方形の関西型がある。

  • 銅製なので、熱伝導性が高く、素早くむらなく火が通る。

  • まきすで形を整えたできあがり。ふわふわの食感でおいしい。

  • いろいろな味で、さまざまな種類の卵焼きを作ってみた。

  • 卵焼き器で伊達巻きを作り、おせち料理風にしてみた。

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 卵焼きは、大人も子どもも大好きな料理。ごはんや弁当のおかずに、お酒のつまみなどいろいろなシーンで登場する。甘い味のしっかりと焼いたものもあれば、だしのきいた、ふわふわした食感のものもおいしい。卵を焼くというシンプルな料理だけに、だれにでもできるが、おいしく、きれいに作るのはなかなか難しい。ワンランク上の卵焼きを作るためのアイテムが、この中村銅器製作所の卵焼き器だ。

熱伝導性と保温性の高い銅製

 銅は熱伝導性が非常に高く、熱がむらなく均一に伝わるため、プロ用調理器具では銅製品がよく使われている。銅製の卵焼き器も、素早く均一に焼けるため、ふっくらとしたきれいな卵焼きができる。中村銅器製作所は、東京都足立区で親子4代にわたって、プロに愛用されている銅製の調理器具を作っている老舗だ。今回は同社の卵焼き器を使ってみた。

 卵焼き器には、正方形の関東型と長方形の関西型がある。甘い味付けでしっかりと焼く関東の卵焼きには、正方形が二つ折りで焼くのにちょうどよく、だしをきかせたふっくらとした卵焼きには、関西型の長方形のほうが巻きやすいとされている。どちらを選んでもいいが、家庭で使うには、長方形のほうが巻きやすく使いやすいかもしれない。

 銅は非常にやわらかく、さびやすい特徴を持つ。そのため卵焼き器の内側には、酸化しにくく無害で金属臭のしない錫(すず)が焼き付けられている。

 使いはじめは、取扱説明書に沿って、油をなじませる工程が必要だ。食器用洗剤をつけたスポンジで洗ったのち、7分目を目安に油を入れて火にかける。弱火で4~5分煮て、温度が完全に下がったら油を捨てて、汚れをふき取る。あとは使っているうちに油がなじんでいき、焦げつかない、使いやすい卵焼き器になっていく。

ふっくらふわふわに仕上がる

 まず、だし巻き卵を作ってみた。卵4個とだし100cc、調味料にしょうゆと砂糖を少々加えている。調味料は、塩としょうゆであったり、みりんを加えたりなどレシピはさまざまだ。作り方も卵とだしや調味料を混ぜるときに、腰を残すようにあまり混ぜないで切るようにする方法、逆にしっかり混ぜてから、ざるでこしてなめらかにする方法などいろいろある。今回はざるでこして、なめらかで口当たりのいい卵焼きを作ることにした。

 実際の調理には、すでに使い込まれ油がなじんでいる関西型の卵焼き器を使用した。まずはじめに油を薄く塗って、弱火~中火で加熱する。箸(はし)先で卵液を少し落として、じゅっと音がする程度に卵焼き器が十分にあたたまったら、卵液を1/4くらい流し込む。卵がぷつぷつとしてきたら、箸でつぶして、表面が乾く程度になったら奥から手前に巻きはじめる。巻き終わったら、奥にすべらせて、また手前のスペースに油を塗る。そこにまた卵液を流し込む。そのとき奥の卵を少し持ち上げて、卵液を下にも流す。

 あとは同じように、また表面が乾くくらいになったら、手前に巻く。これを繰り返していけばいい。注意するのは火加減で、巻き込むのに時間がかかるようなら、卵焼き器を持ち上げて、ガスコンロの火から離しながら行い、焼きすぎないように調整しよう。焼き終わったら、まきす(なければラップでもいい)に包んで形を整える。4~5分ほど置くと、予熱で火が通り、形もきれいになる。

 できあがった卵焼きをカットしてできあがり。ふわふわで口当たりのなめらかな、だし巻き卵ができあがった。中村銅器製作所の卵焼き器は、底部分が厚く蓄熱性が高いため、卵にむらなく熱が伝わりふっくらと仕上がる。表面がやわらかく、ふわふわとした食感でジューシーと、まさにお店で食べるだし巻き卵になる。今までフッ素加工の卵焼き器で作って「家庭の卵焼きはこんなものだろう」と思っていた卵焼きは、まったく別のものになる。

手入れには注意を払いたい

 そのほかにも味を変えた卵焼き、大葉を入れたり、明太子を巻いたりした卵焼きなど、いくつも作ってみた。作るたびに大きさや焼き加減が変わるなど、卵焼き作りの奥深さを感じたが、どれもふっくらとおいしくできあがった。伊達巻きも初めて作ってみたが、ふわふわのなめらかな食感のものができあがった。おせち料理にぜひ加えたいと思ったほどだ。

 卵焼きを安定して上手に焼くには慣れが必要だとは思うが、それでも銅製の卵焼き器を使うことで、間違いなくワンランク上の卵焼きが作れるようになる。

 ただし銅はやわらかい素材だけに、取り扱いには多少注意が必要だ。内側は、たわしやクレンザーなどでこすると傷をつけてしまうので使わない。空焼きも内側の錫を傷める恐れがあるので厳禁で、火加減も弱火~中火で使う。デリケートではあるが、フッ素加工の調理器具と同じ使い方をすればいい。

 「中村銅器製作所の卵焼き器」は卵焼きを作るということに特化した調理器具で、多用途な調理器具ではない(もちろん簡単な炒め物などにも使えるが)。しかし卵焼きは上手においしく作れる。毎日のお弁当で卵焼きを作っているなら、ぜひ入手してほしい。もしお弁当を作らない人であっても、この製品がキッチンにあれば、何度も卵焼きを作りたくなってしまうだろう。それほどおいしい卵焼きが作れるのだ。

PROFILE

ライター 栗山琢宏

パソコンや家電製品などのほか、調理器具やベビー用品などモノ全般を得意とする雑食ライター。調理家電のレビューを行ううちに料理に目覚め、料理道具への偏愛もはじまる。料理道具は実際に料理してみた、リアルな使い勝手を重視する。Windows以前からパソコンを使いはじめ、デジタル機器や家電の動向を追い続けている。商品を買うときに比較検討しているときが至福。

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