男の調理道具

半世紀以上愛され続ける定番アイテム「無水鍋」

  • 文・栗山琢宏
  • 2019年1月17日

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HALムスイの「KING無水鍋」は、1953年に誕生した無水鍋のデザインや機能を継承していまなお人気のモデル

  • アルミ素材を生かした表面の加工も美しい。内部のフタと本体の間に蒸気がたまることで密閉されて無水調理が可能になる

  • 羽釜から発展した無水鍋は炊飯が得意。沸騰して10分程度、蒸らし10分と短時間でできるのがうれしい

  • 無水鍋で炊きあげたごはんは、つやつやで一粒一粒がしっかり立っている。かみごたえと甘みのあるおいしいごはんだ

  • 素材の水分とうまみだけで楽しめる無水調理。シンプルな味付けでも野菜本来の味をしっかり楽しめて、栄養も豊富だ

  • 熱伝導性のいい無水鍋は揚げ物にも便利。鶏の唐揚げも熱の入り方が均一ですばやく、おいしくできあがった

  • 煮込みハンバーグを作ってみた。ハンバーグを焼くのも、そのまま煮込むのも無水鍋だけでできるのが便利

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無水調理が人気になっており、各社からいろいろと無水調理ができる調理器具が登場している。今回紹介するHALムスイの「無水鍋」は1953年に誕生し、半世紀以上にわたり累計1千万台を超える定番アイテム。アルミニウム製なので鋳物ホーロー鍋よりも軽く使いやすく、熱伝導もいいのでスピーディーに作れる。1台で8通りの使い方ができるという、無水鍋の実力をチェックしてみよう。

時代を超えてデザインや機能を継承

無水鍋のルーツは、大正時代に創業されて製造販売されていたアルミニウム製の羽釜。その後、台所の熱源がかまどからガスコンロに移行し、羽釜と同じようにおいしく炊飯できる鍋として、1953年に「キング印無水栄養ナベ」が生まれた。素材のおいしさを引き出す無水調理と、この鍋ひとつで、炊く、蒸す、煮る、ゆでる、焼く、炒める、揚げる、天火調理など8通りの使い方ができる点も人気で、累計1千万台を超える大ヒット商品。「無水鍋」は1963年に商標登録されているので、無水鍋と呼べるのはこの商品だけだ。

誕生以来、半世紀を超えて、さまざまな改良が行われているものの、機能的な基本デザインは大きく変わっていない。まさに定番といえるアイテムだ。これまでのデザインや機能を継承しつつ、時代に対応しIH調理器に使えるなどの機能を織り込んだデザインが評価されて、2013年にはグッドデザイン賞のロングライフデザイン賞も受賞している。

無水鍋の素材であるアルミニウムは熱伝導率が高く、鉄の約3倍、ステンレスの約14倍という。熱伝導性能が高ければ加熱が早く、短時間で調理ができる。ただし鍋の素材が薄いと、火の当たっている場所ばかりが加熱されてムラができてしまう。無水鍋は厚手の鋳物製で、とくに鍋底は6.5mmとさらに分厚く、熱ムラが少なく食材を包むように均一に火が通る。ル・クルーゼやストウブなどの鉄製の鋳物ホーロー鍋よりも軽くて扱いやすく、熱効率が高く調理時間が短縮できるというメリットがある。無水鍋はどのような使い勝手なのか実際に試してみよう。

炊飯と無水調理が絶品

今回使用した「KING無水鍋」は、サイズは18(1.8L)、20(2.4L)、24(4.0L)の3種類がある。まずはじめに試したのが炊飯。米を洗ってから30分~1時間程度浸水させる。米に対して水の分量は約1~2割増し程度で、中強火で加熱。フタがことことと音がしたら沸騰の合図で、そのあと弱火にして10分加熱して、火を止めて10分程度蒸らしたらできあがりだ。

全体を大きくかき混ぜると、ごはんの一粒一粒がしっかりと立っているのがわかる。食べてみると、しっかりとしたかみごたえと、ふっくらとした甘みを感じる。沸騰したら弱火にするだけなので火加減の面倒もなく、短時間で非常においしく炊きあがる。炊飯用の鍋としてとても優秀だ。

つぎに試したのが無水調理。無水鍋は程良く重いフタが本体とかみあい、鍋の中の蒸気が、本体とフタの間にたまって水の膜(ウォーターシール)ができ鍋内部が密封される。水を加えなくても調理ができるので、食材のうまみが十分に引き出され、とくに野菜をおいしく楽しめる。カレーやシチューなども素材のおいしさが引き立つ。今回はキャベツとベーコンを重ね合わせた野菜ミルフィーユを作ってみた。

鍋底にタマネギを敷いて、その上にキャベツとベーコン、中央にモッツァレラチーズ、すき間にプチトマトを入れた一品。味付けは塩、コショウ程度でも、野菜の甘みとベーコンのうまみが味わい深かった。加熱時間は15分程度で、簡単にできるが見栄えのする一品だ。

多様な使い方ができるのが便利

ほかにも無水鍋は、蒸す、煮る、ゆでる、焼く、炒める、揚げるなどの使い方ができる。変わったところではフタを裏返して、フライパンとしても使える。厚みのあるフタは、食材に熱が均一にまわるので、ムラなくきれいに焼けるというメリットもある。

たとえば揚げ物も、アルミの熱伝導性のよさによって、少ない油できれいに早く揚げられる。鶏の唐揚げを作ってみたが、鍋の厚みによる蓄熱性で、食材を入れても温度が下がりにくく、仕上がりも早かった。熱伝導がいいので、むしろ一定の温度になったら、火を弱めて焦げないように注意した方がいいくらいだ。

さらにやってみたのが煮込みハンバーグ。無水鍋でハンバーグを焼いて、さらにそのまま鍋で煮込んでいくという方法。ちなみに、フッ素加工などをしていないアルミやステンレスの調理器具で食材を焼くときには、あらかじめ予熱しておくことが大切。予熱が十分でないと食材がくっついてしまうのだ。予熱の目安としては水滴をひとつ落としてみて、コロコロと転がるようならOKだ。

まずハンバーグを焼いて表面に焼き目をつける。両面に焼き目をつけたら、赤ワインやタマネギのすりおろしなどをベースにしたソースの材料を入れて、フタをして弱火で7~8分加熱してできあがり。焼いた後に煮込んでいるので、ハンバーグ自体がふっくらとしておいしい。

無水鍋は手入れがしやすいのも大きなメリット。もし焦げ付かせてしまっても、スポンジとクレンザーなどで磨けばいい。強力な焦げなら金たわしなどで、ごしごしこすっても復活する。このあたりは、フッ素加工の鍋や鋳物ホーロー鍋などと違って扱いが簡単だ。重量もサイズ18なら約1.4kgで、ストウブの18cmが約2.9kgなのに対して半分程度と、女性でも持ち運びなどもしやすいのもメリット。無水鍋は多用途で使えて、熱源も選ばず、扱いやすいうえに、丈夫で長持ち。キッチンにあったら絶対に便利でもっとも利用頻度の高くなるアイテムになるはずだ。

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PROFILE

栗山琢宏ライター

パソコンや家電製品などのほか、調理器具やベビー用品などモノ全般を得意とする雑食ライター。調理家電のレビューを行ううちに料理に目覚め、料理道具への偏愛もはじまる。料理道具は実際に料理してみた、リアルな使い勝手を重視する。Windows以前からパソコンを使いはじめ、デジタル機器や家電の動向を追い続けている。商品を買うときに比較検討しているときが至福。

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