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安全性が高く、保険料も割引になる「サポカー」とは?

  • 2017年8月8日

 今、自動車メーカー各社は、自動ブレーキなどの最先端技術を使ったより安全性の高い車の開発に力をいれている。その流れを後押しすべく、国も安全運転支援技術を搭載した「セーフティ・サポートカー(サポカー)」の普及啓発活動を行っている。この取り組みについて、経済産業省製造産業局自動車課の垣見直彦さんにうかがった。

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――最近、新車のCMやパンフレットでも「セーフティ・サポートカー(サポカー)」という言葉を目にするようになりました。官民あげて取り組む、この普及啓発活動の狙いはどんなところにあるのですか。

ここ10年ほど、警察の尽力や車の安全性向上もあり、自動車による死亡事故数は右肩下がりで減っています。一方で、75歳以上の高齢運転者による死亡事故の割合は年々増えています。また、死亡事故となることが多い出合い頭の衝突や正面衝突、路外逸脱などは、年齢が上がるほど件数も増える傾向があります。

 高齢運転者による死亡事故の要因を調べると、ハンドルの操作ミスやブレーキとアクセルの踏み間違えなどが多いことが分かっています。このような状況を踏まえ、自動ブレーキなどの安全運転支援技術を搭載した車を「セーフティ・サポートカー(サポカー)」「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」と名付け、関係省庁が連携して普及啓発に取り組んでいるのです。

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警察庁交通局資料(2017年2月)

――サポカーとサポカーSの違いはどのようなところにあるのですか。

 まず車載のレーダーやカメラで車両や歩行者を検知し、衝突の可能性がある場合に警報したり、ブレーキを作動させたりする「自動ブレーキ」を搭載した、全ての運転者向けの車を「セーフティ・サポートカー(サポカー)」と呼んでいます。

 それらに加え、障がい物に衝突する恐れがある場合にアクセルを踏んでも急加速を防ぐ「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」も備えた、特に高齢運転者に推奨する車を、「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」と呼びます。さらにサポカーSには、安全運転支援技術の機能によって分かれる「ベーシック」「ベーシック+」「ワイド」の3種があります。

【セーフティ・サポートカーS(サポカーS) 3タイプの搭載機能】
ワイド……対歩行者自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報、先進ライト
ベーシック+……対車両自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置
ベーシック……対車両(低速)自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置

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――サポカーSは、必ずしも高齢者向けというわけではないのですか。

 高齢運転者にとくに推奨していますが、年齢にかかわらず全てのドライバーを対象にしたものです。自動ブレーキをはじめとした安全運転支援技術は、高齢運転者に限らず、全ての運転者の事故防止や被害軽減に有益です。若い方も、ぜひ積極的により安全機能が充実したサポカーを選んでほしいと思います。自動車メーカー各社の努力により、サポカーはコストが抑えられており、標準装備化も進んでいます。

 またサポカーは事故防止や被害軽減が期待出来るため、任意自動車保険料が9%程度 割引(2018年1月から)となります。ちなみに2015年の時点で、新車の自動ブレーキ搭載率は45.5%でしたが、国は2020年までにそれを9割以上にすることを目指しています。

――いずれはサポカーが当たり前になるのですね。

 私どももそれを願っています。ただ気をつけていただきたいのは、サポカーは自動運転とは異なり、あくまで安全運転を支援する技術を搭載した車だということです。自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置は、万が一の備えです。これがあるから100%安全というわけではありません。支援技術を過信せず、運転手がしっかりと注意をし、安全運転を心がけていただくことは大前提です。そのうえで私どもも、関係省庁や自動車メーカーと連携しながら、さらに交通事故の少ない、安全な社会を目指す取り組みを、これからも推進していきたいと考えています。

(文/関川隆 写真/山田秀隆)

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