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「訪れた道の駅は約900カ所」 達人が語る魅力とは

  • 2017年8月17日

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撮影/松嶋 愛

 全国各地に点在し、各地域ならではの特色を持つ「道の駅」。現在、その数は1117駅(2016年10月時点)にのぼる。単なる休憩利用だけでなく、その場所に訪れること自体を楽しみにしている人も少なくない。

 道の駅は、1993年に国土交通省(当時の建設省)によって本格始動した制度。「地域の創意工夫により、道路利用者に快適な休憩と多様で質の高いサービスを提供する施設」がコンセプトだ。(1)道路利用者のための「休憩機能」 (2)道路利用者や地域の人々のための「情報発信機能」 (3)「道の駅」をきっかけに町と町とが手を結び活力ある地域づくりを共に行うための「地域の連携機能」の三つの機能を併せ持つことが特徴である。

 「24時間利用できるサービスエリアやパーキングエリアといった休憩施設は、高速道路にはありますが、一般道にはない。そこで地域活性化も兼ねて、道の駅を作ろうという動きが起こったのです」

 そう話すのは、ゼンリンのドライブマップ『道の駅 旅案内全国地図』編集長の守屋之克さん。もともと旅行好きだったが、10年ほど前からこの雑誌の編集に携わるようになり、プライベートの旅行中に下見を兼ねて全国の道の駅を訪れているうちに、すっかりその魅力にハマったという。今や訪れた道の駅の数は約900にものぼる。

 「いろんな道の駅を回っていると、それぞれに地域色があって個性があり、地域文化の発信拠点になっているところがすごく面白かったんです」

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最近のトレンドは、「大型化」と「リノベーション」

 ここ最近の道の駅のトレンドは、「大型化」と「リノベーション」だという。

 「かつては旅行の途中に立ち寄るだけの場所でしたが、今は道の駅自体が『目的地』となっています。迎え撃つ道の駅も、その場でいろいろ楽しんでもらえるよう大型化を図っているのです。大規模な施設を新たに作るのではなく、既存の施設をリノベーションして活用するところも増えています」

 守屋さんがその一例として挙げたのは、「保田小学校」(千葉県)。廃校となった小学校の校舎を生かして、直売所や文化施設、宿泊施設を設置。教室の雰囲気を極力残した部屋に泊まることができるとあって、人気を集めている。また、地域住民と町外からの訪問者、住民同士の交流の場としても活用されているという。

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保田小学校(千葉県)

 一方、「神戸フルーツ・フラワーパーク 大沢(おおぞう)」(兵庫県)は、かつてホテルや遊園地のあるテーマパークとして開業した施設。年々来場者数が減少し、集客の目玉として、地元の農産物や特産品の物販とレストランを兼ね備えた「ファーム サーカス」を新たに作り、今年3月末に道の駅として蘇った。

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神戸フルーツ・フラワーパーク 大沢(兵庫県)

ドライブの疲れを、道の駅で癒やして

 家族を誘ってドライブや旅行がてら道の駅を訪れることが多いという守屋さんだが、本来の目的である休憩施設としても大いに活用しているという。

 「長時間運転していると、どうしても疲れてきます。コンビニやファミレスに立ち寄ったとしても、そうゆっくりできるわけではありませんし、寝ることもできません。でも道の駅なら、私が駐車場で仮眠をとっている間に、妻は直売所で買い物をし、子どもたちはその施設で遊ぶことができます。気兼ねなく駐車場を使えるのも、道の駅のいいところですね」

 「道の駅でご当地グルメが食べられるところは多いのですが、ソフトクリームにもご当地色が現れています。例えば『とみうら 枇杷倶楽部』(千葉県)はびわの産地として知られていて、びわソフトクリームをはじめとした、びわのスイーツがたくさん味わえるのでおすすめです。また、『良寛の里わしま』(新潟県)を訪れた時、レジに長い行列ができていたのでなんだろうと思ってよく見てみると、乳質に優れたガンジー牛の牛乳で作ったガンジーソフトクリームを買うお客さんで驚いたことがあります」

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とみうら 枇杷倶楽部(千葉県)のびわソフトと、びわムース&ゼリー

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神良寛の里わしま(新潟県)のガンジーソフトクリーム

 リフレッシュやリラックスしたい時にぴったりなのは、やはり温泉や足湯だろう。山間部や温泉地に近い道の駅だと、温泉施設が併設されているところも多い。

 「時間がないという時は足湯がおすすめです。『伊東マリンタウン』(静岡県)は、全長43メートル、最大入浴人数は70人という関東最大級の屋外足湯で、相模湾を一望しながら足湯に浸かることができます。もちろん無料ですよ」

 長いドライブでも、約1~2時間の間隔で道の駅に立ち寄ることで、適度な休憩を取ることができ、安全運転にもつながる。毎年約20~30カ所もの道の駅が増える一方で、既存の道の駅がリニューアルしていることもあり、道の駅からますます目が離せなくなりそうだ。

(文・吉川明子)

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目の前に海が広がる、伊東マリンタウン(静岡県)のスパ。屋外には、全長43メートルの足湯がある

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