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“美しすぎる”と話題のタクシー運転手・生田佳那さん 「かもしれない」に気をつけて

  • クルマのプロは語る 第1回
  • 文・写真 五月女菜穂
  • 2017年8月30日

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 運転のプロであるタクシー運転手は日頃、どのような安全運転を心がけているのか。「ナカイの窓」などのバラエティー番組やドラマ「ガキ☆ロック-浅草六区人情物語-」に出演し注目を集める、タクシー運転手でタレント・俳優の生田佳那さん(25)に話を聞いた。

――タクシードライバーになられたきっかけを教えてください。

 飛鳥交通が実施していた「夢と仕事の両立を応援する飛鳥交通ドリームプロジェクト」で、2014年4月にグランプリを受賞したことがきっかけでした。タレントになりたいという思いをかなえたくて、自分で応募しました。

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 最近はタレント業も忙しくなってきて、タクシー運転手のお仕事は週2日ほどの日勤です。タクシー運転手になって3年以上が経ちましたが、他人の命を預かっているという重みを日に日に感じます。やはり、1人で運転するのとは違いますからね。周りのタクシー運転手の先輩からも、お客様の命を預かることの重みについてよく教えていただきます。

――だいたいどれぐらいのお客様を乗せていらっしゃるのですか?

 そうですね……1日あたり20~35回の乗車があって、人数で換算すると40~60人弱といったところでしょうか。まだ同じお客様にご乗車いただいたことはないと思います。本当に出会いが多いお仕事です。

 タレントだと気付かれるのは、1日で5人ぐらいでしょうか。制服を着ているし、運転中はじろじろ顔を見ないし、案外気がつかれないものですよ。たまに、ちょっと寂しいと感じる時もあるので(笑)、髪の毛をしばってみたり、声をおかけするときに声量を大きくしてみたりするんですが、それでも気がつかれない時は気がつかれません(笑)。

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 走行エリアでいうと、渋谷や世田谷などが多いです。道はだいぶ覚えているのですが、毎回乗車の度に知らない道や場所に行きますよ。奥が深いです。

――タクシー運転手の面白みはどのあたりにあるのでしょうか?

 人との出会いはもちろんですが、車で目的地まで行くと景色が違って見えることかな。例えば、六本木や新宿は、平日でも人が多くて、電車で行くと混雑しています。でも、車だと自分だけの空間で現地に行くことができます。同じ行き先でも、交通手段が違うだけで快適なんですよね。

 私にとって運転自体が「ストレス発散」なんです。肩は凝るんですが、運転中は自分の足で動いている感じがして。都内は地下鉄が多いじゃないですか。外の景色が見られないので、どこに自分がいるのかわからなくなるときがあるんです。でも車だと、景色を楽しめて、四季の変わり目を感じられる。だから運転が好きですね。

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――車の運転はもともとお好きだったのですか?

 はい。私は、長野県の安曇野市という山に囲まれた場所で生まれました。車がないと生活ができないような場所で、家族も1人1台車を持っていました。4人家族ですが、兄の奥さんも自動車を持っているので、実家には4台も車があります。車に囲まれて育ったので、早く自分でも運転したいと思い、18歳になってすぐ、普通自動車免許を取得しました。

 でも実は、自分の車はまだ持っていなくて。身長が低いので、大きい車に憧れます。

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――安全運転をするときに心がけていることを教えてください。

 アドバイスできることがあるとすれば、スピードを出しすぎないこと、車間距離を十分に取ること、そして私は運転時に「かもしれない」に気をつけようとしています。脇道から誰かが飛び出てくる「かもしれない」、黄色信号に変わる「かもしれない」、といった具合です。事故を防ぐため、意識的に気をつけています。都内を走っていると、自転車やバイクが飛び出してくることが本当に多いんです。信号が変わると分かっているのに飛び出す車両が多いので、私は先頭車両の時は発車するときに一呼吸置くようにしています。

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 あと、心がけているのは、きちんと「見ること」ですね。都内を走っていると、事故現場を目撃することがあります。実際に自分が通る道で現場などを見ると、「あーここでも事故はあるんだな」と気を引き締めます。それから、タクシー運転手になってから、テレビで特集される衝撃事故映像を最近よく見てしまうんです。とても怖いんですけど、実際に起こり得ることなんだと思いながら……。

 おかげで、今まで無事故で運転してきました。

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――タクシー運転中は休憩もこまめに挟みながら運転しますか?

 そうなんです。運転が楽しくなってくると、ずっと運転してしまうので、意識して休憩をとるようにしています。「まだ運転できる」と思ってしまうのですが、油断は事故のもとですからね。2時間に1回ぐらいは車を止めて休もうと思っています。

 よく行くのは、人の少ない公園やきちんと車を止められる場所です。窓を全て開けて、風を入れるだけでもリフレッシュになるんですよ。車内でエアコンばかりつけていると、外の気温が分からなくなってしまうので、お客様に快適に車内で過ごして頂くためにも、こまめに窓は開けます。ちなみに、お昼はコンビニで買って食べることが多いです。私、チーズケーキなどのコンビニスイーツが大好きで。ひそかな楽しみで、息抜きになっています。

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――プライベートでも運転はされますか?

 時々しますよ。音楽をかけながら運転をするのが好きです。大好きなJ-POP、特にONE OK ROCKをかけながら走ると、ついスピード出しそうになるんですけど、そこはぐっと抑えて(笑)。

 生まれの長野県は川や山がきれいなんですけど、その分、海があるところに憧れてしまいます。海沿いの道をドライブしたくて、レンタカーを借りて、友達とドライブしたことがあります。鎌倉・江ノ島や、千葉方面にも行きました。でも、あいにくの雨で……次は晴れの日にドライブしたいですね。

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 あ、埼玉県の長瀞町(ながとろまち)も日帰りで行ける自然豊かなスポットと聞くので、いつか行ってみたいところの一つです。

――最後にこれからの夢を教えてください。

 女優やタレントの仕事を続けながら、タクシー運転手も続けたいです。お客様との出会いは一度きり。年代も幅広く、お話ししないことも多いですが、同じ空間に数分~数十分一緒にいるのは不思議な感じがしますし、楽しいことが多いんです。これからも安全運転を心がけていきたいと思います。

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