祝・開港150年! メモリアルイヤーに本場で味わう“神戸ビーフ”

  • 文・写真 江藤詩文
  • 2016年12月28日

誰もがため息をつく中西牧場の美しい神戸ビーフ。私はこれをスマホに入れ、外国で神戸ビーフの話題が出るたびに「ほんもの」と見せびらかしています

 外国人の日本への旅行って、近ごろほんとにはやってますね。海外を旅していると、十数年前まではたとえ欧米の大都市であっても「日本ってどこだっけ?」と言われることも多かったのに、最近では「日本へ行ったばかり」とか「日本へ旅行する予定が決まっている」という人に出会うことが多くて驚きます。

港町らしいアクティビティーがクルージング。シャンパンを片手に夕暮れからだんだんライトアップされる夜の始めまで1時間ほどクルーズを楽しみました

 そんな彼らの“やりたい(やった)こと”ベスト3に入るのが(オーストラリア産のワギュウではなく)“リアル・コウベビーフ”を食べること。近年は赤身肉や熟成肉が大ブームになっていますが、一方で正統派の霜降りもまた、世界中の目利きから熱烈に愛されています。まっ、希少な正統派神戸ビーフは日本人にとっても高嶺(たかね)の花。そうそう口に入るものではありません。ですが来日する彼らだけに、あの蠱惑(こわく)的な味覚を独占させておくのは口惜しい。せっかくなら日本人だって本場の神戸で、それも抜群の腕を持つシェフに調理してもらって味わいたいではありませんか。

神戸メリケンパークホテルのメインロビーは、吹き抜けで開放感にあふれた空間。スタッフが着用しているマリンルックの制服もリゾートらしさを感じさせます

 やって来たのは、2017年に開港150年の記念年を迎える神戸港。その突堤に海を臨んでたたずむ「神戸メリケンパークホテル」は、周囲270度を海に囲まれ、滞在中いつでも潮風を感じるアーバンリゾートです。

この夏リニューアルした最上階の「ビューバー」も眺めは抜群。三宮のオーセンティックバー「ル・サロン」オーナーの吉成幸男さんが監修したメニューが登場

 特に印象的なのは全室に付いたバルコニー。全面がガラス張りの客室からそのままつながっているようなバルコニーは広々として開放感があり、「アウトドアリビング」をコンセプトに、お昼寝もできそうな大きなソファなど、まるでリビングルームのような家具が備え付けられています。

フィリピン・セブ島出身のデザイナー、ケネス・コボンプエさん。バルコニー家具は海からインスピレーションを得たブルーのほか夕日のオレンジ色なども

 南側バルコニーの家具を手がけたのは、フィリピンを代表する家具デザイナーのケネス・コボンプエさん。フィリピンのデザインは近ごろ世界から注目されていて、2016年夏には東京でフィリピン・デザイン展も開催されました。そんなフィリピン・デザインをいち早く採用するなんて早い。ちなみにそれ以外のバルコニーには、タイのファブリックブランド「パサヤ」のラグなどが置かれています。

「神戸を拠点とする料理人として、神戸ビーフは最高の状態に焼き上げたい」と言う料理長の鍬先章太さん。肉について研究を重ねていて知識も豊富です

 海と空のあいだに浮かんでいるようなバルコニーでひと呼吸入れ、いざ神戸ビーフとご対面です。最上階14階の「ステーキハウス オリエンタル」に向かいました。この日の神戸ビーフはなんと! 肉ラバーならご存じ“神戸牛づくりのカリスマ”と呼ばれるあの「中西牧場」3代目・中西仁さんによる肉ではありませんか。なぜなら料理長の鍬先(くわさき)章太さんは、肉を語らせたら止まらないほど肉愛に満ちたシェフ。地元の強みで中西牧場と深い絆を築いてきたので、ここでは中西さんの肉にめぐり合える確率が高いそう。これでこそわざわざ神戸に来た意味があるってものです。

おいしいパンの激戦地でもある神戸。こちらはなんと神戸ビーフ100%のパテを行列のできる人気店「リキ」のバンズでサンドした贅沢なハンバーガー

 素材が世界最高峰の牛肉だけに、あえてイノベーティブな演出をせず、細心の注意を払って最高の味わいを引き出すことだけに注力しているという鍬先さん。香ばしく焼き上がった表面に歯を入れると、まず上品ながらも力強い香りが口いっぱいに広がり、甘い脂をたっぷり含んだやわらかな肉はふわっとほどけて、はかない後味を残してあっという間に消えていく……。その味わいは、隣で食事をしていた関西マダムのグループでさえ思わず息をのみ言葉を失うほど。関西マダムさえ黙らせる神戸ビーフ、恐るべしです。

和洋中のメニューが80種類以上もそろう朝食ブッフェ。オールデイダイニングの「テラスレストラン サンタモニカの風」にも海に面したバルコニー席があります

 開港150年の2017年は、阪神淡路大震災から復興したいまの神戸の魅力をより広く発信していきたい、という神戸メリケンパークホテルのスタッフたち。神戸ビーフはそのための起爆剤になりそうです。新しい年には、外国人美食家たちが押し寄せる前に“本場で神戸ビーフ”を味わってみませんか。がんばれ、そして150年おめでとう神戸!

神戸や兵庫の食材をふんだんに使うのが鍬先さん流。こちらは丹波篠山のイノシシのもも肉。鍬先さんの創作料理コースを味わえるキッチン付きのプライベートルームもあります

神戸開港150年関連・インフォメーション

・神戸では「神戸開港150年記念事業」としてさまざまなイベントが開催されています。来年1月には、元旦から須磨海浜水族園で始まる「プロジェクションマッピング×イルカナイトライブ」を皮切りに五つのイベントが予定されています。

・神戸メリケンパークオリエンタルホテルでは、神戸港開港150年を記念し、テラスレストラン「サンタモニカの風」にて“日本各地の寄港地クルーズ”をテーマに、各地の“郷土料理とご当地グルメ”を提供します。また、阪神・淡路大震災が発生した1月17日には、被災した旧オリエンタルホテルから受け継いだ灯台を特別公開します。

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