新名所になりそうな富山県美術館

  • アート&文化にふれる富山旅 その1
  • 2017年4月19日

環水公園越しに立山連峰を望める特等席のような富山県美術館の無料休憩スペース

 “世界一美しい”と称されるスターバックスがあることで有名な富山市の富岩運河環水公園。その市民憩いの水辺空間に、新たな名所がお目見えしました。それが富山県美術館です。前身は市内の南側にあった富山県立近代美術館。耐震性や消火設備不足など老朽化が原因で昨年12月に閉館しましたが、このたび改称し、富山駅北側に移転してのオープン。まさに装いも新たに生まれ変わった美術館なのです。

環水公園の天門橋から見た富山県美術館。愛称はTAD(タッド)

 この富山県美術館、全面開館は今年の8月26日(土)なのですが、アトリエやレストラン、ミュージアムショップなどの一部が3月25日(土)に先行開館しています。4月29日(土)には、この美術館の特徴でもある“オノマトペの屋上(無料)”もオープン。「ふわふわドーム」をはじめ、「ぷりぷり」や「つるつる」など、楽しいネーミングの遊具はグラフィックデザイナー佐藤卓さんによるデザインです。大型連休を前に、子どもたちが夢中になれる屋上庭園が誕生します。

贅沢(ぜいたく)な空間設計は建物自体がアートのよう

 地上3階建て。環水公園の運河越しに眺望できる立山連峰の大パノラマをも、一つアートとしてとらえているかのような美しい建物は建築家・内藤廣さんの設計です。1階にはミュージアムショップやカフェの他、約100台の駐車場を完備しています。2階がメインの展示室となり、同美術館が貯蔵するピカソやシャガール、ミロなどの巨匠作品を中心としたコレクション展示が今から待ち遠しいところ。

県産材「ひみ里山杉」を使った美しい中央廊下

壁のクローズアップ。面を丁寧に丸く削って仕上げているのがわかる

 2階がたっぷりとアートを鑑賞するフロアならば、3階はアートを感じて楽しむフロアになっています。富山県立近代美術館が貯蔵していた約240脚にもなる椅子のコレクションが並ぶ予定の展示室は、実際に座ることができるコーナーも作られるそうで楽しみな空間です。ガウディやコルビュジェなどの巨匠が残した、デザインとしての椅子、アートとしての椅子を鑑賞できるのは富山県美術館ならではでしょう。

ここには名作椅子のコレクションやポスターを展示予定

 椅子と同じく同美術館が誇るコレクションがポスター作品です。最新のタッチパネル技術を使って膨大な数のポスターを国やデザイナー、色などのカテゴリーから絞り込んだり、並べて見比べたりできるようになっています。同じく3階には富山県出身の美術評論家、瀧口修造の展示室もあります。

無料の図書コーナー

 そしてワークショップなどを開催するアトリエには、木の切れ端で工作をしたりするワークショップも行われ、創作の楽しさを感じられるフロアになりそうです。さらに、子どもたちが遊びながらアート体験ができるキッズルームや、自由に雑誌や専門書が読める図書コーナーも。芸術作品を鑑賞するだけではない新しいスタイルの美術館になっています。

ワークショップなどを開催するアトリエ

 ミュージアムカフェやレストランで食事をするのも美術館や博物館に足を運ぶ楽しみのひとつです。環水公園が一望できる3階の一角にあるのが「日本橋たいめいけん富山店」。ご存じ、東京日本橋の老舗洋食店たいめいけんの三代目茂手木浩司シェフのプロデュースで、地元富山の食材を使ったオリジナルメニューがいただけるのが魅力です。

貯蔵するポスター約13000点のうち、3000点をタッチパネルで楽しめる

 和でも洋でもない、シンプルモダンな空間はゆっくりと時間をかけて滞在したいと思わせる居心地の良さが印象的な美術館でした。この富山県美術館の他にも、富山市内には大小さまざまな美術館や文学館がたくさんあります。次回はそれら個性豊かな美術館をいくつかご紹介します。(文・写真 ゆきぴゅー)

緑豊かな水辺景観に溶け込んでいるスターバックス富山環水公園店にも近い

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■取材協力

富山県
富山県美術館

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PROFILE

ゆきぴゅー(イラストレーター・ライター)

ゆきぴゅー

 2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。
 独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。

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